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食品工場経理担当の備忘録        6 実行した事 労務費          6.3 出て来た課題と問題を考える

計算を始める前に、先ず、出て来た課題と問題に対して、どの様な取組み方があるのかを考えなければ、そこから先に進む事は出来ませんでした。

1.労務費計算式の問題点
原価計算としての労務費の計算は、どうしても給与部分である「人件費」と会社負担の「労務費」の、二極化は避けて通れない問題ではありました。

なぜならば前回書いたように、必要なデータを給与と会計ソフトなどといった、異なる経路を利用しなければ、他に得る方法がないからです。

しかも労務費部分は、会計上合計額でしか表現されませんから、その数値を個人別に分けるだけでも大変な上、個人差まで表すのはかなり困難です。

しかし、計算の精度を考えた場合、解決しておかねばならない問題なのは間違いありませんから、先ず、労務費について考えてみました。

2.原価計算精度のこだわり
私自身の中で労務費は、
 ① 法定福利費→ 社会保険料・労働保険料といった公的保険料
 ② 福利厚生費→ 健康診断料など社員に対して平等に割り振られる費用
の二つの定義付けされた費用で構成されますが、個人差が生じるのは社会保険会社負担分のみで、他は平均値でも問題は無いと考えました。

しかし、私の中では原価計算上で差が生じる費用が有れば、製品ごとに分割して反映させる必要があり、困難を克服する為に模索の必要がありました。

下の図は私の個人的な、労務費扱いの費用について内容を確認して、分割する際の基本的な考えを表したものです。

個人的な考えです、一つの例として書いてみました

この方法で作業を始めましたが、平均値の計算までは順調でしたが、製品の単位や内容量の相違への対応で戸惑い、立ち止まる事になりました。

求めた平均値から得た数値を、単位や内容量の違う製品に振り分ける際の、分母となる部門製品の総量の求め方が判らず、混乱してしまったからです。

販売単位が同一であれば計算は単純なのですが、単位と内容量差をどの様に分配に反映されれば良いにか、全く分からなくなってしまいました。

この問題を解決してもその先に、個人差費用の問題まであると考えただけで、嫌気が差して来たのを、今でも思い出します。

3.ヒントが見つかり、最終判断へ                            そんな時、原材料でも同様の問題を抱えた事を思い出しファイルを探すと、その中にヒントを見つけました。

この考えは、労務費以外の間接費を製品に分割する際にも用いる事となり、その後は私自身の中で、定番的な考え方となって行きました。

下の図がそのヒントを基に考えた解決策で、人員割による平均値計算をやめ、合計数値を重量で割り、内容量に応じて戻す方法に切り替えました。

以前の原材料計算にヒントが有りました。

この手順で「個人差無し」を計算すると決め、「個人差有り」に取り組みましたが、最後まで思い浮かばず断念せざるをえませんでした。

その結果として、同様の計算式を個人差有りにも適用した為、PL引用の労務費部分については、全て別計算方式を選択することになりました。

残念ではありましたが、当時は時間的な流れを考えた場合、いつまでも同じ場所に留まっていられる状況では無く、先に進むしかありませんでした。

次回の投稿では、作業の内容について、少し触れてみたいと考えています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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