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家族介護のストレスケアとメンタルヘルス

家族介護のストレス原因




要介護者を家で介護するのはなかなか大変です。
家族それぞれの生活のパターンもあるし、負担も積もって行くとストレスになります。






過度なストレスは、介助者の心身に影響が出るだけでなく、家族間の溝や虐待にも繋がって行くことになります。






ここでは家族介護のストレスを減らすためのヒントを話していきたいと思います。







1.孤独感

「わたし1人で介護をしている」と感じることは大きなストレスの元になります。






家族の中でも主たるキーパーソンとなった場合、何かと頼られたり、甘えられたり、嫌なことがあってその感情をぶつけられたり、役所などからの窓口になるので、そのたびに対応や決断を迫られることになります。






だから他の家族に相談しても、

「理解しているのはあなただし」

「何か必要になったら言って欲しい」







と言われてしまうと、

「もう誰も頼れない」

「わたしがやらないと」







となって追い込まれてしまうのです。







2.プレッシャー

病気だったり、体が弱っている高齢者は、少しの変化でも大きく体調を崩すことがあります。

「薬はちゃんと飲んでくれたか」

「ご飯はちゃんと食べたか」







などの思いはプレッシャーになって介護者にのしかかります。

「完璧」でないと、と思い込んでいると、小さなことでもくよくよしたり、ストレスになって行きやすいのです。







どんなに頑張って介護をしても、相手から拒絶されてしまったり、思うような反応がなかった場合、介護者は、

「どうして、わかってくれない!」

とイライラし、

「わたしのやっていることは全部無駄」







と無力感になって、大きなストレスとして感じてしまうのです。







3.寝不足

よく夜中に何度も起こされて・・・と言う話は聞いたことがあると思います。

また「徘徊が心配で、とても寝てられない」など、寝ることに関する問題も深刻です。







慢性的な寝不足は疲労回復することが出来ないだけでなく、ストレスも感じやすくなりメンタルヘルス不調にもなりやすいです。







4.肉体的な負担

介護には、排泄介助や車椅子への移動など様々な場面で体を使うことが多いです。

要介護者の家族である介護者は、プロではありません。







時には力任せの介護で体を痛めてしまったこともあると思います。

日常的に体に痛みを感じていると、そこが大きなストレスになります。







5.経済的な負担

介護サービスを受ける際のお金は本人が出すのがいいのですが、年金暮らしなどで足りない場合は子供たちで負担することになります。







家族介護をきっかけに離職してしまい、自身の収入が減ってしまうこともあります。
経済的な負担はストレスの原因になります。







6.認知症ケアのストレス

認知症ケアでは、短期記憶が抜けてしまっているため、同じことを何度も聞かれたり、もの盗られ妄想などで介護者にとってはものすごいストレスになります。







また夜もよく休めないことも多々あり、メンタルヘルスを損なってしまうこともあります。







ストレスを溜めて行くと





ストレスは我慢すればいいと思いがちですが、その程度によってはうつ病になってしまうこともあります。
体の症状として出るものとして、めまい、体の節々の痛み、頭痛など。




行動面にも出てきます。
飲酒やたばこの量が増えたり暴言が出てしまうなど。
これらはストレスがたまりすぎている状態になっているサインになります。






そのまま我慢していていれば、うつ病になったり他の病気を発症しやすくなります。
またストレスから虐待へと走ってしまうこともあります。
ストレスは決して甘く見ずに気が付いたら早めにケアしていかないといけません。







ストレスを軽減する方法




きょうだいが何人かいる場合は曜日ごとの担当を決めるなど負担が1人にかからないようにします。
遠くに住んでいてなかなか介護に参加出来ない場合は、その分お金を出すなど代替を提案します。






1人っ子では、負担を分散させることが難しいため、本人の友人関係や担当ケアマネ、介護家族の会など相談出来る人や場所を持って1人で抱え込まないようにします。







誰かと悩みを共有するだけでもかなり楽になったりします。







離職をしないこと





突然倒れたと連絡が来て自分が看ることになって、そこで今まで務めてきた仕事を辞めてしまう人がいます。
でも少し考えてみてください。






職場は社会の中で自分の大切な場所です。







仕事は続けていれば介護をしていても、介護から離れる時間を作り出せるだけでなく、気持ちの面の切り替えにも繋がります。
また定期的に収入があることも大事です。






職場の人と介護の話をしたり、悩みを相談出来るのもストレスケアに役立ちます。
休職や時短勤務など介護離職を防ぐ方法はいくつかあります。
まず職場に相談、理解、協力を求めて辞めない方法を探っていきましょう。







レスパイトケアについて





要介護者と一緒に暮らしているといつ何か起こると気を張っていないといけなくて、その点デイサービスやショートステイなどに要介護者が出かけていると一息落ち着くことが出来ます。





介護する人が休息するためのケアを「レスパイトケア」と言います。
レスパイトケアの必要性はちゃんと認められています。






認知症のケアについて





ケアする人の精神的負担が大きいのが認知症ケアです。
認知症の人とのコミュニケーション方法は様々なものがあります。
代表的なものとしては、「ユマニチュード」と言うものです。







認知症の相談窓口で、専門家や他の認知症家族と繋がることでストレス軽減する方法を見つけることが出来ると思います。







服薬の見直し





実は高齢者の場合、複数の薬を飲んでいることがあります。
数多くの薬を服用することで、副作用が出てきて別の不調を招いていることがあります。






中には同じ効能のものがあったり、数を減らしてもらうことも出来ます。
また複数の薬を1つの包みにまとめてもらえることも可能になっているので、1度調剤薬局で相談してみてください。







余裕を持って





同じストレスであっても、受け取り方でストレスに対する反応は変わっていきます。
ストレスを感じやすいタイプは2つあり、






1.真面目で頑張り屋でせっかちタイプ

2.我慢強く自分より他人を優先してしまうタイプ







どちらもよい部分でもあるのですが、行き過ぎは禁物です。

介護でストレスを感じにくくするためには、「今よりよくしてあげようと思わない」ことです。

どんなに周囲がよくしてみようと思って介助をしても、受け入れる側が受け入れてくれないことには始まりません。
相手にも意思や思いがあります。






そして、お互いに意地を通せば、互いにストレスになります。
相手を思い、考え、色々手探りをしていくのは悪いことではないのですが、ただ相手がそれを受け入れてくれないことを、「うーん、そうか」と軽く受け流せることも大事です。







危険なことや反道徳的なことでもない限り、相手を思いやる心でいればお互いにストレスを軽減させることも出来ると思います。







まとめ




ここからはまとめになります。
家族介護でのストレス軽減の方法としては、







1.公共の介護サービスを活用

2.相談相手を見つける

3.仕事は辞めない

4.今よりよくしてあげようと思わないこと

以上になります。







ここまで試してみたけど限界だと感じたら、施設も検討してみてください。「施設ってかわいそうではないの?」
とかの声もありますが、







「もっと早く施設を利用しておけば」とか「思い込みで施設はダメだと思っていたけど、そんなこともなかった」との経験者の声もあります。
思い通りに行かないのが介護です。







そこから少しでも笑顔になれる時間が取れるのなら、施設へ預けることになってもいいと思います。

介護歴が約10年くらいの者です。これからの介護の未来とビジネスモデルについて色々思いあぐねています。介護の未来が明るものになるようにしていきたいと思っています。