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食事介助の話―姿勢編


高齢者の食事の意義について少し触れておきたいと思います。
意義としては3つになります。


1. 楽しみ、生きがい、社会参加につながる
2. 食べることで生活のリズムや季節感を感じることができる
3. 元気で生活するために必要な栄養素を身体にとりいれる


食事をすることは大変意義のあるものとなっています。
また高齢になることで、食事への興味や関心を失っていったり、食が細くなって食べられる量が減ったりすることがあります。

ここでは食事時の姿勢(円背(えんぱい)の人の場合)、食事時の注意点、介助の際の観察ポイントに触れておきたいと思います。


食事時の姿勢は、飲み込みや自力で摂取する人にとって大事なことです。
円背(えんぱい)の人や体幹の弱っている人の場合は、姿勢が崩れ食べにくい状態になっていることがあります。




円背の人が椅子や車椅子に座った際の姿勢は以下の通りです。




ここでいくつかのポイントがあります。
1.テーブルが高い
2. 食器が遠い
3. 首が上を向いたまま
4. 内臓が圧迫され負担
5. 円背のため隙間がある
6. 椅子からずり下がり
7. 足が床についていない



以上の点があります。
このままでは、ムセが生じやすくまた誤嚥へと繋がっていきます。
そのため以下のように変更しています。



1.背中にクッションを入れることで背筋が伸び、内臓が圧迫されない
2. 顎を引いた状態になるので飲み込みやすい
3. しっかりと足が着いているのでふらつくこともなく、安定した姿勢を保てる(足の下に台を置いておく)
4.食器も取りやすい位置に置きやすい
5.椅子にストッパーがあると滑りにくい




体の傾きがある場合は、椅子や車椅子の脇のところに丸めたバスタオルやクッションを入れることで隙間をなくし、傾くのを予防することができます。
顎が前に出てきてしまう場合は、机の高さを調節し、軽い食器に変えることで視線が下がるので食べやすくなります。

介護歴が約10年くらいの者です。これからの介護の未来とビジネスモデルについて色々思いあぐねています。介護の未来が明るものになるようにしていきたいと思っています。