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「発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート」感想

発達障害に関する本を読むようになってから、ASDグレーゾーンの夫へのイライラがより減った。

知ると知らないとでは、本当に相手の言動への捉え方が変わってくる。

彼はしばしば、根拠もなく決めつけたような言い方をする。
( こいつはこう思ってるに違いない!ひどい奴だ!等 )

最初は「 その人と話してもないのにわかんないじゃん!決めつけるのはどうかと思うな 」と反応してしまっていたが「 これもASDの特徴なのかも? 」と思うと、サラッと流せるようになった。



最近読んだ1冊、ななしのういさんの著書が非常に興味深かった。
参考にしたすぎて、歩きながらもトイレでも読み続けてしまった。


特に好きなポイントを箇条書きでまとめてみる。

■ 体験がわかりやすく分析されている
文字の羅列でなく、色や図もあってわかりやすい。
「そもそもなぜこの時怒ったのか?」等の、冷静でロジカルな
ういさんの自己分析は、どんな人にも役立ちそう。

■ 赤裸々に体験をシェアしてくれている
公にここまで体験をさらけ出せるのは、すごいなぁと。
ゴミ捨ての練習など、人によっては良く思わない人もいそう。
著者によると「自分たちが困っていた時に欲しかった本を作った」とのことなので、読者のためにリスクをとってシェアしてくれたことに感謝。。

■ 改善案も考えられている
原因の仮説を立てたら「じゃあどうしたら改善できるか」を考えてらっしゃる。「障害だからしょうがないじゃん!」でなく、パートナーの協力も得ながら、彼らの中でうまく行く方法を一緒に模索している。「 一般常識 」に縛られなくていい。ご夫婦と他者が平穏でいられる試行錯誤をされていて、真似したいと思った。

■ 文字がきれい
ノートの文字、手書き風フォントだと思ってたら、全部ういさんの手書きだそうで。。きれいで手書きの親しみもあり読みやすい。

■ 前向きでポジティブ
辛い過去があったのに、それを客観的に見て、ういさんはいつも「どうしたら状況をよくできるか」を考えているように見受けられた。
被害者意識で人のせいにして思考停止になるのも、
主体的に現状を変えていこうと行動するのも、その人が選べるのだ。

■ 専門家の分析
ただの体験談にならず、診断を一緒に受けているみたい。
知らなかったことも多く、とてもためになった。

■ 旦那さんの考えも書かれている
これすごい。旦那さんの協力的な姿勢と、双方の努力に感服。
旦那さんの視点が入ることで、一方的なういさんの思い込みにならず
出来事を俯瞰して見られる。

■ 旦那さんめっちゃいい人
妻の特性に根気よく向き合える愛情に感無量。
ういさんも大変だけど、近くにいる人の忍耐はいかばかりか。。
自分の夫の根気強さも思い出し、改めて感謝。。
うちはASD気味なの夫だけど。。

■ 虐待した母親を悪者扱いしていない
ういさんは16歳で高校を中退し、家を出るまで、ずっと母親から虐待を受けていたそう。それでも彼女を責める記述はなく、理解しようと努めていた。

「 母親もおそらく発達障害だと思う 」
「 家庭環境がひどい中で生きてきた人なので発達障害単体の問題ではないとも思う 」

実際、ういさんのお母さんは中卒で苦労されたそう。

■ デザイナーさんすごい
ちょっと職業視点になってしまうけど、全ページデザインされててたまげた。普通の本なら表紙だけとか、中身もある程度パターンがある。
でもこの本には遊び心のある写真やイラストが散りばめられてて、おかげで読んでて飽きがこなかった。
このページ数&全カラーでは、相当試行錯誤されたと思う…すごいなぁ。

以下は本の一部を抜粋。

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とにかく、ういさんの主体的な努力と、旦那さんとのパートナーシップが個人的にとても参考になった。実際に少しずつ改善されているそう。

失敗から原因を考え、仮説を立て、改善策を試し、検証する。
何事においてもこれ大事だよなぁ。

発達障害を持つ人/その家族はもちろん、
障害を持たない人にも興味深く読んでもらえると思う。

Kindleで出してもらえてるのも海外在住組としては
とてもありがたかった。スマホでも全然読めた。



bluewatersさん、素敵な写真のご提供ありがとうございます。






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