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【美容室経営ノウハウ】経営計画書の立て方《3rd STAGE》

こんにちは。「マノ経営大学」講師の杉田 誠です。このnoteでは、美容室経営のノウハウやヒントをお届けしていきます。美容室経営に悩む、経営者の皆さんの助けになれば嬉しいです。


「経営計画書の立て方」《3rd STAGE》について

前回は、経営計画を組み立てていく上で《2nd STAGE》強みは何か?武器は何か?について考えていきました。自社のストロングポイントを炙り出し、他の店との差別化ポイントにしていきます。
※前回のおさらいはこちらからどうぞ

今回は《3rd STAGE》を取り上げます。
《3rd STAGE》では、どんな術(方法)で旗(ゴール)までいくか?について触れます。

社員は、ゴールだけでなくどういった方向性の作戦でそのゴールに向かうのか?を知りたいのです。
動けないのは決してやる気がないわけではありません。経営者がどんな戦略をとっていくのかを示していないだけです。

”戦略”は事細かなマニュアル作りとは少し違います。あくまでも大きな方向性です。考え方です。

逆に、あまり細かいところ(どうやってやるか)まで示しすぎると、社員は”考えられない社員”になってしまいます。
良い意味での”抜けや余白”がないと、社員がパワーを発揮するスペースがなくなってしまいます。

マネジメントとは、社員の奥底に眠っている”本人も知らない力”をいかにして呼び起こせるかどうかだと僕は思っています。(一般的にはエンパワーメントといいます)

”考えられない社員”は、本当に考えられないわけではありません。マネージメントする側が”考える余白”を与えていないだけなんだということを、マネージメントする側として実体験しました。

考えるチャンスを上司に奪われることによって、”考えようとしなくなってしまう”だけなのです。そういった意味では、戦略というのは「方法」ではなく「考え方」を示すだけで十分なんだと思っています。

勇気を持って「未完成という余白」を作りましょう!


どんな術(方法)で旗(ゴール)までいくか?の具体的な考え方

ここからは、具体的に僕のお店「MaNO」の場合を例にとって《3rd STAGE》を考えていきましょう。

MaNOの最終的なゴールはこちらです。
「美容業という仕事を通じて豊かな人生を」

そうです、経営理念です。
ただ、これだとゴールが大きすぎていまいちピンときませんよね?しかも、理念というのは多分一生追っていくであろう”使命”みたいなものです。
ですので、以下のように大きなゴールを紐解いていきます。


杉田の心の声】
💭
ゴールを考えてみろと言われたら、やっぱり最終的には理念に行き着くんだよな…。MaNOの経営理念…「美容業という仕事を通じて豊かな人生を」
”豊かな人生”というのがキーポイントだな。

💭
美容師として豊かってそもそも何だろ?稼ぎかな?やりたいことができるってことかな?たくさんのお客さんを担当することかな?う〜ん…何だろう…。まぁ全部だよな…。
でも、それ全部叶えるのって難しいような気がするな〜…。

💭
いや待てよ…。これらの事って、美容師として”ある程度売れている状態”になれば、全てが自然に結びついてくるんじゃないかな?そもそもトレードオフ(一方を取ったら、もう一方は取れないというもの)の関係性ではなさそうだな。

💭
でも、”ある程度売れている状態”ってどれくらいだろう?人によっても価値観によっても違うだろうな。そしたらそこの価値観はサロンとして決定しちゃえばいいんだなきっと。だって社長の仕事は決定することだしな…。〈経営とは決定なり〉

💭
それはそうと、何人くらいのお客様に囲まれたら”豊かさ”を感じるのかな?一日1人だけの担当じゃなんか寂しいな…。MaNOの場合だと1日7人くらい(=月に換算すると22日勤務で154名)担当できると、経験則から最低限の美容師の楽しさは味わえるんじゃないかな?

💭
するとMaNOの場合、平均客単価が1万円くらいだから月に154名くらいのお客様に指名してもらえると指名売上が約154万円になる。

そうなると、月のお給料も45〜50万円くらいの額面になるわけだ!それくらいのお給料をもらえるようになれば「いろんな体験」を買えるよな。いいじゃんいいじゃん!

💭
お客様にも囲まれ、「いろんな体験」を買えるくらいのお給料がもらえたら、より美容師として、人としての経験が上がりプラスのスパイラルに入っていけるな。

よし!150万円だな!ここに旗を掲げよう!
理念という大きなゴールを目指す途中の具体的な旗を掲げる設計ができた!

結論
【MaNOの理念を達成するための手段としての小さなゴールは
「150万円プレイヤー」】


このような背景があり、MaNOとして「150万円」という旗を掲げたという事を「経営計画書」に明文化します。【下記資料⑵の部分】


どういう武器(方法)を持ってその旗まで行くのかを示そう

小さいゴールの旗は立てました。
その旗にそれぞれ好きなように行ってくれ!だと当然たどり着く人もいれば、途中で遭難する人もいれば、序盤で諦めてしまう人もいます。

だからこそ、どういう武器(方法)を持ってその旗まで行くのかという事を示す必要があります。前回作ったサロン独自の「差別化ポイント」をスタッフの「武器」にしてあげればいいのです。

MaNOでは、「再現性という概念」が150万円を売り上げる為の武器(術)です。とはいえ、社員に「再現性という概念がうちの武器だよ!」と言っても全く伝わらないので、”理解が深まるように”経営計画書で解説をしています。

「MaNOの再現性」とはそもそも何なの?何を基準に考えれば良いの? そんなことを解説しています。
それじゃ再現性が高いってどういう事なの?どんなことすればいいの? そんな事を解説しています。
まぁ考え方はわかったけど、もっと具体的にサロンワークの中だとどう応用していけば良いの? そんな事を解説しています。


《3rd STAGE》において、サロンオーナーは

これらを行うことにより、社員が”考えられない社員”ではなく、社長が示したその方向性の中で自分なりに考えてみようとする社員に必ず変化していきます。

一緒に”余白のある経営計画”を作っていきましょう!


まとめ

今回は《3rd STAGE》どんな術(方法)で旗(ゴール)までいくか?
(ストロングポイントを活かした勝てる「戦術」を考える)についてお話しました。

次回は《4th STAGE》数字を使い5年後までを想像する
(数字を使い、想像の質をグッと上げる)についてお話します。お楽しみに。


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