小説(SS) 「残虐! 涙のポッキーゲーム!」@毎週ショートショートnote #半笑いのポッキーゲーム
ふはははははははははははははははは!!!
やはり侑斗はポッキーゲームを仕掛けてきたか。以前からお前が、晴香ちゃんとキスをしたがっていたことは知っていた。そして十歳も離れた兄から、変な入れ知恵をされて、ポッキーの端と端を男女で咥えて食っていくゲームを計画していたことも!
侑斗はスケベだ! 変態だ! お前が友達に相談して、晴香ちゃんとポッキーできるように仕組んでいることはお見通しだ!
だからおれは用意しておいた。棒の真ん中ら辺に激辛ソースを染み込ませた特製ポッキーを!
侑斗のやつは、クラスの男女六人でくじ引きして偶然を装いながら、晴香ちゃんとポッキーする権利を見事手にしたようだ。恥ずかしそうに振る舞っているが、目がギラついているぞ。
お前が浮ついている間に、おれはすでにこの場にあるポッキーを激辛にすり替えた! 晴香ちゃんとキスをしたいならば、耐えがたい辛さに悶え苦しむんだ! 晴香ちゃんのキスは、おれのものだ!
「うわああっ! なんだこのポッキー! 尋常じゃなく辛いぞ!!」
かかった! 侑斗は地獄行きだ! なんだかんだで晴香ちゃんも巻き込み事故をくらってしまってるが、仕方がない! 口をゆすいでもらおう!
「ま、待って侑斗くん……私、さっき見たの。最初は見間違いかと思ったけど、亮輔くんがポッキーを入れ替えてた……!」
「なんだと!? 亮輔、てめえ!! こうなったらお前もポッキー食え! 一人ポッキーゲームだ!」
結局、おれは激辛ポッキーを食べる羽目になり、報復による報復で、その場の全員がポッキーゲームの餌食となった。
ほんとう、楽しい一日だったな。
〈了〉677字
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なんだか気付けば、ハイテンション小説を書いておりました。
今回のお題は「半笑いのポッキーゲーム」ということで、合コン的なものから目線を下げてやってみました。そのせいか、なんか古臭いタイトルになってしまいました。(カブトボーグみたい……?)
今日でちょうど、この毎週ショートショートnoteに参加して一年になります! よく続けられたな〜と思いますが、これからも書いてきます!
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今回、nijijourneyくんがいい画像を出してくれたのですが、タイトルに合わなかったのでここに置いときます。
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