その後の「苦い春」

翌日から次男は出勤していません。
とりあえず、休んでいます。

店は普通に営業していたので、閉店してから一個上の先輩と、次男を生贄にしてオーナーの機嫌を取った同期がやってきました。
同期は速攻で謝罪をし、「もし次男が辞めるなら自分も退職を考えると思う」と言ったそうです。
自分がターゲットになるのが嫌なのか、次男に悪かったと思うからなのかはわかりません。
次男的には、この同期の事はそんなに怒っていないと言いました。

一個上の先輩は、連日やってきて、懸命に次男をフォローしてくれて
(すごいご縁で一人は中学の先輩でもある)
「自分達もあの店に長くいるつもりはない。いつか2人で店を出すから、
その時に一緒に次男と働きたい。
まだ、次男と一緒に働きたいから、どうか、辞めずに頑張ってほしい」
と、言ってくれました。

完ぺきではないけれど、次男なりに、次に動く仕事を想定し、言われる前に必要と思われることを用意し、片付け、
給料を貰える分はなんとか役に立とう、としていた事を
1個上の先輩たちは評価してくれたのだと思います。

次男を誘って辞めていった元店長も飛んできて、
自分が辞めた、たった2週間の間になんでこんな店になってしまった?
どうして、上がフォローしなかった?オーナーを止められなかった?と
かなり上の人たちに注意をしたそうです。

現店長もやってきて「まったく気がついていなかった」ことを詫びたそうです。
というか、次男は言われても平気な人間と思われていたのかもしれません。
まだ店長になりたてで、自分の事で手一杯なのかもしれません。
ただ、オーナーは裏ではとても次男を褒めて気に入っていた、と言われました。

次男は、1個上の先輩たちの熱い気持ちをヒシヒシ感じて、
土曜日にオーナーと話し合って、そこでの言動や態度を見て
水に流せるかはわからないけれど、この店で先輩たちと一緒にやってみたいから、見守ってくれないか?という決断をしたのが水曜日の事。
私たちも、そういう事なら、と、弁護士を探したり、いろいろいざという時の為の事を調べるのをやめました。

木曜日の夜。
次男の専門学校の親友が、心配して連れ出してくれました。
それまでほとんど食料買い出し位しか出歩かなかった次男で、外に出て少し気晴らしはいい事だと思いました。
親友は翌日が仕事にもかかわらず、次男に時間を割いてくれてほんとうにありがたいです。

そこへ、1個上の先輩から電話がありました。
この方には、親友と会う事を伝えていました。
「今から行こうと思うけど、どこにおる?」と言われ「外に出ています。ビリヤードに来てます」と言ったら、それを聞いていた現店長が
「こんな時に遊びに行くやつがいるか、帰りなさい」と言ったそうです。

私たちは、次男はパワハラの被害者であって、加害者側から監禁されたり、謹慎を言い渡される必要はまったくないと思っていたので、
この認識の差に、唖然としてしまいました。

言われるまま、次男は帰宅しました。
親友は大激怒でしたが、とりあえず、別れて帰宅しました。

オーナーと現店長の認識があまりに自分達には非がないと思っているなら、
話し合いをしても、一対一では次男が不利。
加害者と被害者が仲介人もなしに
(そもそも29歳が20歳の新人)だれもいない場所で話すのは
デメリットでしかない、と思い
長男を向かわせようか、と申し出ましたが

「20歳にもなって、家族が出てくるって思われたらいやだ」との事。
それならば専門学校の担任の先生を頼ってみたら?と言うと、2つ返事で受けて下さったそうです。

それを現店長に伝えたら
「それは正直マジで辞めて欲しい。
その人はまったく関係ないし、オーナーだって先生が入っても意味わからん。
正々堂々2人で解決した方がいいよ」

というラインが帰ってきました。
まったく自分たちが加害者と思ってないし、誰か第三者が入ると非を認めないといけなくなるから都合が悪いとでも思ってるのでしょうか。

このラインで、次男の先輩たちへの義理も気持ちもまったくいっさい消え去りました。
現に、次男は家に帰ったにもかかわらず、その人たちは元店長と飲みに行ってしまいました。

次男は、再び、親友の家に行き、将来の事とかいろいろ話して
「もうここはやめて、次にいこう」と決意をしてます。

ただ、明日の朝、店が開く前にオーナーと2人で話す時間は単身行くそうです。
もう話す事はない、辞めます、と言うそうです。
未だに、給料振り込む口座は聞かれてませんが、次男はもう何もかも面倒になったので、「どうでもいい」「さっさと縁切りたい」になってます。

怒りが頂点に達すると、この人は、揉めもせずどっちが悪いとかも明確にせず、潮が引くように相手から一気に距離を取る人でした。
そうでした。思い出しました。

決戦は明日です。
でも、友人から進められているお店にすぐにでも転職したい気持ちでいるようです。

たくさんのアドバイスやご心配を頂き、本当にありがとうございます。
次男へは
「父や母も、次男をそんな風にぞんざいに扱われる事は怒りを覚えるけれど、次男を小さい頃から見守ってくれた人も、次男が関わって来て可愛いと思ってくれてる人たちも、大勢が悔しくて悲しい行き場のない怒りを覚えたんだよ。
そういう大切な存在なんだよ。けしてそんな扱いをされていい訳ないんだよ」
と伝えてます。

それは次男だけでなく、年齢関係なく、どの人もみんな同じ。
自分を大事にしてくれない人に、自分と関わる権利を与えなくていいと思うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?