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人生が一転した日
「神様は必要があって、今わたしにこの言葉を聞かせているんだろうなぁ」
診察台の上でエコー検査のモニター画面を見ながら「これが乳がんを疑って良い細胞なんです」という女医の言葉を聞いた後、白い壁に目をやり、そんなことを考えていた。
それから検査に出すための細胞を採取して、服を着て椅子に戻る。
「結果は9日後にわかりますが、恐らく乳がんでしょう。」
癌宣告をされる人でよく、「まさかわたしが!」という言葉を聞く。
でも「やっぱりわたしが癌でしたか。」という人は、殆ど居ないんじゃないかなぁ。
実は1年以上も前からしこりがあることには気づいていたが、乳腺症かなにかだろうと思っていた。
「これが、『まさかわがしが!』という感覚なのか。」などと思いながら冷静に医師の話を聞く。
紙に印刷された乳房の図の上に腫瘍の位置や大まかな治療方針などを書きながら説明される。
「結果が出てからまた話しますが、恐らく半年間の抗癌剤治療の後、摘出手術を行います」
ただ「はい。」と言いながら冷静にその話を聞いていた。
最後に「大丈夫ですか?」と聞かれ「はい。今のところは」と答えて診察室を出た。
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