アメリカ人とおしゃべり? その一言は微妙かも……
慣れないうちはついつい日本語を翻訳して会話しがちですが、日本では定番の一言もアメリカ文化ではネガティブな印象になることも。3つのNG例とアメリカ人の価値観についてお話しします。
「うらやましい!」
日本では何か良い報告を聞いた時に返す言葉の定番ですが、アメリカ人の口から同じ表現を聞いたことはありません。直訳して言ってみたところ、ものすごく不思議そうな顔をされました。
「やせた?」
友人と久しぶりの再会、なんて時に聞きますね。もっと親しいと逆の「太った?」なんて言葉も……。「開口一番見た目の話するなんて失礼な」という感じ。
実はこれ『ルッキズム』にあたります。
「若く見える」
子どもっぽい、成熟していない、とジャッジしていると思われる言葉です。これもやっぱりルッキズム。「ばかにしてるの?」という感じ。
褒め言葉からわかるアメリカ人の価値観
アメリカ人はとにかく褒めることが好きです。スキあらば褒めてきます。
私はアメリカに到着早々、車から「スカーフが素敵」と叫ばれました。日常的に通りすがりの人も褒める習慣があるアメリカ人。ある人はわざわざ引き返して来て「あなたの鞄の色好きだわ」と親指を立てていきました。クラスメイトは「その消しゴム日本製でしょ。よく消えるもの。最高」と絶賛し、レストランのサーバーは「すごい! 綺麗に食べたじゃない!」と褒めちぎります。
さて、これらの褒め言葉の共通点は何でしょう?
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正解は……
『行動を褒めている』
スカーフ、カバン、消しゴムといった持ち物を褒める=良いもの持ってる、見る目があると褒め、サーバーの言葉は食べ方を褒めています。
これはアメリカ文化の特徴の一つ、顔や体型といった持って生まれたものではなく、行動を重視することが相手へのリスペクトである、という考え方です。
「痩せたね!」と言うのも相手が「ジムに行って減量成功したの!」と話した後ならば問題ないのです。でも会うなりいきなり言った場合は見た目でジャッジするという失礼な行為になってしまいます。
人と会ったら、「元気? 最近どう?」 「何か新しいことはあった?」と会話を始めるのがアメリカでは定番ですが、それは見た目からのジャッジではなく、「あなたは何をしたの? 何をしているの?」と行動について話すためなのでしょう。
ルッキズムを問題視する考えは一般的なものです。問わずとも察するを良しとするのが日本文化ですが、アメリカ文化においてはルッキズムとして捉えられてしまうこともあります。 特にアメリカで働く場合にはご注意を。
ちなみに、移民同士の場合。
東アジア出身者と話す場合は「やせた?」「若いね!」という言葉は褒め言葉として成立していました。「うらやましい」と言っていたのは日韓出身者だけでした(私調べ)。
最後に
英語が話せることと、アメリカで円滑なコミュニケーションが取れることは似ているようで全く違います。異国で暮らす際には言語だけではなく、文化も合わせて学ぶ必要があります。難しく考えずに、ドラマや映画をいっぱい見ましょう。私は『フレンズ』をすすめられました。これを見た後にオフィスが舞台のドラマを見ると、仕事場ではNGな言葉遣いが何かわかってくると思います。
誰でも間違えるものです。なんかおかしな空気だな? と思ったらその場で聞いても良いし、後で頼れる誰かに聞いてみましょう。学校の先生でも良いでしょう。
私はいまだに英語は不得意だし、変な空気になることも多々あります。落ち込んだ時は褒められたことだけ思い出して寝てしまいます。失敗続きでもどうにかなっているので、きっと、大丈夫! だといいですね。
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