見出し画像

元日比谷OL 、いま酪農【酪農家の1日】

都内の某映画会社で、忙しくも刺激的で自由な日々を送っていた私は、6年前、都内から東北の山奥に移住してきました。
夫の実家の家業を継ぐためです。
家業は酪農。

乳牛を約80頭飼い、朝晩搾乳しています。
出産や育児が落ち着いてきた3年前から、私も手伝うようになりました。

私たちの1日は朝4:30に始まります。
起きてすぐ、子供たちを起こさぬように着替えて、徒歩1分の牛舎へGO。準備を済ませ、搾乳を始めます。
餌やりは義父が手伝ってくれているので、私は子牛への哺乳や、搾乳後の機械類の清掃などをして、一足先に家に戻ります。

シャワーをざっと浴び、すでに起きている小学生の長女の持ち物チェックをしてバス停まで送ったら、残りの3人を起こします。
そして、ご飯を食べさせ、自分も頂き、支度をして保育園へ。

……と、バタバタと朝の一仕事を終えると、しばらくは洗濯や片付けなどの家事をしながら、割とゆっくりできることが多いです。
1日の中の休息タイムですね。
近くの商店でアイスを買って食べたりも。

昼間の仕事は、餌やりと牛の寝床の掃除。
夫は、朝食後、天気の許す限り、スラリー状にした糞尿を少し離れた牧草地へ、ダンプで撒きに行きます。
また、定期的に堆肥をさらったり、削蹄(サクテイ、牛の爪切り。職人さんにお願いします)をしたり、繁忙期には牧草の種蒔き、刈り取りなどがあります。

夫は、朝の一服を済ませたら、だいたい16時頃まで出っぱなし。
メーカーさんや獣医さん、授精師さんが来て対応するのも夫です。
(この人、寝る、食べる、お風呂入る、以外の時間はだいたい働いています💦やっぱり家族経営の酪農業の経営者は、それなりに大変です。
ですが、誰に何を言われるでもなく、自分のペースで自分のやりたいようにできるのは会社と大きく違うところで、それでかなりのストレスは受けずに済んでいるのではないかと思います。また、自分のやり方次第で収益=自分達の収入を増やすことができるのは、自営業の大きな醍醐味です)

夫が一旦あがってくる頃、私は保育園へチビッ子たちを迎えに行き、帰っておやつを食べさせるなどしていたら、夕方の仕事の時間です。

子供たちを義母へ任せて、朝と同じ作業をします。牛の出産やら移動やらイレギュラーな案件があると、帰宅は遅くなります。

急いで子供たちとお風呂に入り、グズる子を急かして夕飯へ。食事はありがたいことに、義母が作ってくれています。
遊び食べでなかなか進まない子供たちにキャンキャン言っていると、シャワーを済ませた夫がやってくる頃です。
6人分の食器や鍋などを洗い、自分たちの離れへ戻るのはだいたい20:30。
幼子には遅すぎる時間というのは分かっていますが、なかなか早められない💦
離れに戻って、テレビで動画などを見て、歯磨きをすませて、21:30頃就寝。

この生活をほぼ365日続けています。

かつて、東京のど真ん中で会社員をしていた頃は、朝は8時頃に起きて10時前出社、やるべき仕事を終えると22時過ぎ、みたいな生活でした。
その後は、しょっちゅう飲みにも行ったし、翌日が休みの日はオールナイトで映画を観たり、深夜営業のマッサージで疲れを癒したり、自由気ままな日々。
時間もお金も、すべて自分のもの、でした。

それが、出産を機に激変し、自分でコントロールしていた24時間は、まったくの別物になっていきました。
夫の実家へ行くことがわかっていたので、出産を機に会社をやめ、産後1年は、育児にアワアワしながらも、慣れてくると穏やかな日々を過ごすことができました。
その後、移住して、次女、三女と出産し、仕事をスタートさせたのです。

まさか、自分が東北の山奥で酪農をするなんて、そして、4人の子持ちになるなんて、想像もしていませんでした。

仕事のこと、都会と田舎のちがい、出産や子育てのこと、現在入院中の身に起きていることなど、思ったことをつらつらと書いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?