善意

今から20数年前、私が学生だったころの話。

勉強もそこそこに、週末のアルバイトで貯めたお金で自転車を買い、夏休みに北海道へ自転車旅に出た。

その頃は、そういったことをするのが学生の特権だと思っていたし、そういったことを推奨するような雰囲気が世間の一部にはあった時代だったと思う。

なので、自分を高等遊民かの如く錯覚して旅していたのだけれど、そんな勘違いヤロウに世間はえらく優しくしてくれたと思う。

コンビニでペットボトルの水をタダで差し出してくれた店員さん。

帰りの電車でコーラを差し出してくれたおじさん。

今となってはすべてを思い出せず、ほかにも何かもらったり、それとは気づかず施された善意もあったような気がする。

後年、こういったことが当たり前じゃないと気づいてからは本当にありがたいと思ったし、そういった行動に移すのがどれだけ難しいかも知った。

見返りを求めない善意は、良い形で心に残るんだなとつくづく思う。

田舎の経済を潤します。