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一周回って生き物

ここ数週間の重苦しさが消えて、久しぶりに健やかな状態です。

寝ても疲れがとれず、そもそも眠れない。食欲もあまりなく、目ばかりが冴える。ここ数週間ずっとそんな状態で、仕事が原因かなとも思いましたが、でもそれだけでもないような気もしていました。

色々、試してはみたんです。
好きな本を読んでみたり、暴飲暴食をしたり、朝寝坊してみたり、部屋を少し飾ってみたり、家事を手抜きしたり。
でも、本を読むこと自体も疲れますし、暴飲暴食しようにも食欲がないからあんまり食べられない、朝寝坊しようとしても眼が冴えてしまう、部屋の飾りには愛着は湧きましたが特に効果なし。
このまま一人、枯れ果てていくのか。

そんなこともよぎりながら、とりあえず毎日仕事をして休みの日はひたすら休息をとっていました。

が、ある連勤終わりの帰り道にふと思い立ったのです。どうせ疲労しているのであれば、とことん疲れ果ててやろうと。
既に鉛のような手足を感じながら途中下車し、閉店まで2時間を切ったショッピングモールをさまよいます。購買意欲はありませんでしたが、以前母が探していると言っていたliterのピーラーを見つけたので電話で確認し、購入。これだけでも来てよかったなと小さな満足感を得て、モールを後にしました。
と、電車に乗ったたところで再び待て、がかかります。

まだ、疲れ果ててない…

手足は変わらず鉛ですし、肩こりはバキバキ通り越してただの岩、食欲はないけど胃が空っぽなことはわかっていましたが、妙に頭は冴えてますし、このままではご飯を食べずに眠れないままベッドに入ることは明らかです。
それに、駅を出てマスクを取ったら風が気持ちよかったので、一度家に帰って、スマホと水筒だけを持ってもう一度外へ出ました。
常ならばスーパーに行くところですが、明るすぎるところに行きたくなかったので最寄りの神社に向かいます。歩きながら色んなことを考えると同時に、いま考えていることは明日になったら全く覚えていないんだろうなぁとも思っていましたし、実際、このnoteを買いている今はさっぱり思い出せません。
でも、そんな風に仕事にも生活にも直接は関係ないことを考えることはしょっちゅうで、むしろここ最近それをしていなかったことが異常なのだとその時にようやく気が付きました。

物心ついてからこのかた、ずー-っと想像や空想、それに妄想が好きで、ついでに推論も好きで、いわゆる「考える」ことで自分を保っていたのに、それをここ最近ずっとしていなかったものですから、きっと自分がすり減って、身体が緊急信号を出していたのだと思います。その証拠に、歩けば歩くほど回復しているのが、笑っちゃうくらい明らかでしたから。

目的の神社に到着し、夜の不気味さに少し怯えると同時に、こんな風に、怖いと感じることもここ最近なかったなぁとおかしくなってしまいました。財布を持っていなかったので、参拝だけして境内を出ます。
帰り道にすれ違った人が突然襲い掛かったらという空想兼シミュレーションをしながら帰路へ。暗い道は怖いけれどそれすらも嬉しくて、ようやく人間に戻ってきたなと笑ってしまいます。

この日を境に、とりあえず眠れるようにはなりましたし、食欲も戻りました。食べることは生きることですから、レッドゾーンからは脱したようです。

肩こりは相変わらず岩ですが、いざとなったら肩をぐるんぐるん回しながら夜の神社に繰り出しちゃおうかしら。


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