マガジンのカバー画像

神須屋通信

39
神須屋通信のnote版 2020年11月以降 毎月更新
運営しているクリエイター

#富山

神須屋通信 #22

行動制限のない夏に 0807(日)晴 ●大澤真幸+平野啓一郎「理想の国へ」読了。このご両人は何度も対談を重ねてきた関係らしいが、対談本は初めて読んだ。文明論から平成論、三島論などの興味深い話の他、コロナ禍からウクライナ戦争まで、現在進行中の出来事を含めて、真摯な話し合いがされていた。もちろん、何か結論じみた話があるわけではないが、時事問題の解決策を考えるにも、ちゃんとしたプリンシプルがないと議論は漂流すると言う指摘には納得。普通に考えれば、日本の将来に希望など何も持てないが

神須屋通信 #04

 2月の出来事  私の住む大阪府は緊急事態宣言の対象地域だったから、不要不急の外出自粛が要請されている中で、不要でも不急でもない出来事が起こった。富山で入院していた、家内の生母が亡くなったのである。岸和田から富山は遠い。朝に電話を受け、いろいろと準備をして、私たち夫婦と家内の弟の三人が富山に着いたのは、もう夜だった。富山は雪だった。駅で夕食用の弁当を買い、予約をせず、飛び込みでチェックインした駅前のホテルに荷物を預けた私たちは、長年生母の後見人をお願いしていた司法書士の女性