【精神病は甘えなの?】障害枠で就活したはなし
私は今のところ統合失調症という精神病を医師に診断されている状態です。統合失調症というのは幻聴や幻覚に苦しんだり、被害妄想したり知能が低下する病です。ですが私には幻聴も幻覚もありません。被害妄想と現実の区別はできるようになりました。こんな曖昧な統合失調症患者である私が体験した就職活動のはなしをさせていただきます。
金銭的不安により就活する
当時25歳だった私は福岡県で家族と暮らしていました。病院には薬を出してもらうだけでなく、障害年金をもらうために必要な手続きのお手伝いをしてもらっていました。とても親切な病院でした。
障害年金の書類がそろってきた頃にはアルバイトで稼いだお金が底をつきそうになっていました。お金が無くなる不安に耐え切れず私は働くためにハローワークに行きました。
兄弟の助言で障害枠でお仕事を探し、相談員さんに相談しました。私が目を付けたお仕事は事務でした。経験があるからやっていけそうだと思いました。障害枠でお仕事を応募する場合、主治医の意見書という書類が必要なのですが、私の場合急ぎということで意見書無しで応募することが許されました(後で意見書を用意する感じだったんでしょうか?)。
当時私は就労移行支援事業所を利用していて、その事業所では一緒に面接に行ってくれる支援がありました。久しぶりの面接で1人は不安なので支援員さんについてきてもらうことにしました。
地獄の面接
そして面接当日。着なれないスーツを着てがんばってお化粧をしてがんばって作った履歴書をもって面接会場へ向かいました。現地で支援員さんと落ち合い、会社の呼び鈴を押しました。人事担当の方がやってきて小さな部屋に案内され面接が始まったのです。そう、地獄の面接が。
ぎこちない自己紹介を済ませた後、話題は履歴書の職歴に。面接官は言いました。
「なんでこの会社辞めたの?答えたくなかったら答えなくてもいいけど」
私は答えたくなかったです。辞めた理由がパワハラだったからです。ですがなぜか知らないけど辞めた理由を言ってしまったのです。
「なんでそうなったんだろうね。自分に原因があったんじゃないの?」
面接官はそう言いました。まったくもってそうだと思ったので何も言い返せませんでした。自分の業務がへたくそで上司に迷惑をかけまくった自分に原因があるんだと、とっさに判断したのです。続いて面接官は
「この期間は何してたの?」
と質問しました。嘘をつけない私は本当のことを言わなきゃと思い、統合失調症と診断され療養していたことを話しました。面接官はどんな症状があるの?と聞いてきたので、私は包み隠さず幻聴と幻覚が無いけど被害妄想が強いことを話しました。すると面接官はこう言いました。
「君さ、本当は統合失調症ではないんじゃない?」
私はひどく困惑しました。自分でも疑っていたこととはいえ、医者でもない人に病気であることを否定され、何が真実なのか分からなくなってきました。そして面接官は
「今まで病気に甘えてたんじゃないの?病気だからって障害枠で仕事探して楽して働こうとしてたんじゃないの?世の中そう簡単にうまくいかないよ?」
と、くぎを刺すように言いました。1ミリも思ったこともないことを言われて悔しさで泣きそうになりましたがぐっとこらえました。でもそれに対して何も言い返せない自分はやはりどうしようもないただのダメ人間なんだと思いました。最後に面接官は
「本当に統合失調症なのかちゃんと医者に確認したほうがいいよ。ちゃんと自分と向き合いなよ」
と言い、面接は終わりました。ずっと横にいた支援員さんはただそばにいるだけでした。
そのあと筆記試験(心理テストのようなもの)とタイピングテストをして帰りました。
運が悪かった?
後日、病院の先生に自分が本当に統合失調症であるか確認してみました。先生は本人がつらい思いをしているから何らかの障害はあると思うと言いました。そして面接の件は運が悪かったから気にしないことにしましょうと言われました。
私はつくづく運が悪いと思いました。
運が悪くていじめに遭い、パワハラを受け、精神が崩壊した……
これはただ運が悪いのではなく、何か原因があってもいいんじゃないか?と私は思いました。
先生の言う通り、私にはなんらかの障害がある気がします。でもそれが何かまだはっきりわかりません。
私はこの曖昧な障害に甘えようとは一切思ってません。むしろ困っています。できればなかったほうが良かったです。ですがずーっと付きまとっている障害なのでしっかり向き合っていこうと思います。どうすれば生きやすい人生になるか、周りの人たちからサポートを充分に受けて、障害と共に歩んでいきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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