maniguruma

日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#G…

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日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#GroupPsychoTherapist https://www.instagram.com/maniguruma1/

最近の記事

タトゥー

全身に刺青を掘った青年が 揺れながら立っていた 二人同じ地平にいて 視線を合わせることもないのに 安らぎを感じているなぜか いや熱くて苦しんでいるのか 何かを確かめるように 一定のリズムで 互いに繋がりも 言葉も作り出せぬまま 結果として互いのリズムに 合わせている 心地良さはなんだ

    • 知らんけど

      いつも 「しらんけど」って つけるのは 大きなお世話を したくないから いつも 「しらんがな」って 答えるのは 愛を押し売り したくないから 本当はとても心配で 結局心配の主語が わからなくなってしまって 冷静になろうと しているだけだ

      • ペペロンチーノとマティーニが美味い店

        ペペロンチーノに 朝陽が染まり マティーニに 夕陽が染まる 背景には優秀な創り手がいた 額縁のような喫茶店 そんなカウンターの縁で こてこてのショコラ 塗りたくるデコレーションと 何の豆だかわからない ブレンドコーヒーを頼み 真っ赤になって縮んでいると 汝自身であれと 手を振ってくれた主人

        • 帰り道

          手探りで まさぐって 掻き分けて 引き裂かれ 疲れ果てたときは 終電車に乗って 原点に立ち帰る 最近は最寄駅周辺が 真っ暗で古本屋は 潰れてしまって 町並みは変わる帰り道 見知らぬ 赤提灯に立ち酔った もうふるさとは ないのだから 始発電車で 未来へ向かう帰り道

        タトゥー

          開花

          土に染み込んだ 無数の血液や骸 喜びや悲しみの涙 分解され混じり合った所から 吸い上げて濾過させなくては 生きてゆけないなんて 破裂させないよう 夜に蕾を膨らませた 暖かな眼差しが必要だ 眼差しをくれないか あんなにも恐れていた他者の視線 今はこんなにも欲しがっている 朝よ、今ここに咲きます

          黄昏に腰掛けて

          今日のところはここまでだ 決して無理はいけません 涙は流してよいのです 黄昏なさい今日だけは あなたこれから どうするの ここから先は進めない そういう人も いるかもしれない だけどそうとも限らない 照らす灯りが小さいだけよ 今日は私もあなたと二人 黄昏ましょう今日だけは

          黄昏に腰掛けて

          夜の底

          空を見上げて星を 探しているつもりが 母の海にいて 夢の中にいた 手放しができたと 喜んでいたけれど へその緒に しがみついていた 肺で呼吸できるのだから 2本の足で立てるのだから 底の方でくすぶらないで お行きなさいと 夜が明けるのでした

          言の葉の刀

          糠床の奥にある 日記には 過去の顔が 発酵していた 今の顔をした俺が かき混ぜると 新しい解釈が生まれた 洞察に育つ植物の葉は ギザギザで鋭く カタナと名付けられ 生前の父の気配 もう振り払いはしない もう振りかざしはしない それは言葉に過ぎないから

          言の葉の刀

          この揺れる思いあなたに伝えるために

          戦争の足音が聞こえる 災害の息遣いが聞こえる 海が揺れていた 足元も揺れていた 大地は何に怒っているのだろう 人身事故で人波は揺れていた それでもきみに心震わせ この揺れる想いだけは 恐怖で消し去らぬよう キャリーバックにつめた 何もしない援助だってあるのだ 想像力を働かせて 助けたい熱意で 凍らせぬように はやる気持ちで 突き飛ばさぬように その時のために蓄えている 環状7号線は助けたい人達で大渋滞だ チカチカした善意と正義のライトが 眩しくて騒がしくて 届かない食い違

          この揺れる思いあなたに伝えるために

          結末に向かっては

          結末へ向かって 俺の列車が走る 西へ向かって プレッシャーが走る 窓ガラスから ロジックな月が昇る 闇雲に吠えるのはやめて ロジックに吠える 喉が切れるまではやらない ボロボロの肉体を癒して 古の知見と最新鋭を食べて 他へ行くため アンドロイドの夢をみる

          結末に向かっては

          駅構内は

          ホームが狭くなっております 立ち止まらないで下さい AIの声が行き交う人波と ハウリングを起こす朝 この歳で補助金をもらい 職業訓練校で学ぶ体験が この未来に組み込まれる予定だった 急に噛みつきたくなって あがく狼はチワワへと 成り下がるが構わない 構内を出ることにした

          実り過ぎた赤い実はなんだ

          実り過ぎた果実は 鈍感に膨らんで 長い時間を費やして 甘やかされてきた 欲しいものだけを平らげた胃袋が もたれかかってきて 重たくて落ちてきそうな雲 やがて泣き出して雨になる 雨は雪になり降り積もった この潔白の大地に 赤く弾け散ったものは 血ではなかった 数字なのか 思考なのか 夢なのか 神話なのか 春を期待していたのに 気の病に侵されてしまった 風評だけが吹きつけてくるからだ 怖くて身も心も悴んだからだ しかし退廃しているのは 傷口の一部分だけだ 鳥よ咥えて連れて

          実り過ぎた赤い実はなんだ

          羊の群れ

          言い訳ばかりしてたら 口の中を切ってしまった 裂け目から石油が噴き出した 乾いた砂漠の中にいるのに 外から真冬の声が吹き込んできて 羊の群れが震えている 身を寄せ合ったところで 燻った怒りを下処理しなくては 迷うばかりで 奴が鳴らす鈴の音に 動揺している

          謝罪

          窓ガラスから 覗かれているぞ 贖罪が見透かされているぞ 謝れば許されると 思っているのだ なんとかなった歴史を 体が記憶しているのだ 涙が甘く香っているぞ 許されぬ愛だと 苦しみに酔っているぞ まずは窓を開けて 酔いを冷ませよ

          地平線の上を彷徨っている

          ないものに あるものを 求めるのは 依存の地平を 未だ彷徨っているのだろう 太陽と惑星 月と大地 心と体 親と子供 依存症者とイネイブラー 決して満たされない穴がある 星が割れないと 目を覚ますことができないなんて なんて深い夢をみているのだろう 人生は短いというのに 同じ過ちを繰り返す二人は 本当はもうヘトヘトなのに

          地平線の上を彷徨っている

          二人がいないベンチにて

          二人がいないベンチには 記憶の染みがついていた 二人で造った庭園は 心臓部をくり抜かれてしまい 主体性を失ってしまった 眼球と耳と鼻だけで 咲き散らばった花を回収して 僕らは物語を進化させる 顔を造り直している 再び君を取り戻すために タイムループ物が散見している 契約満期が近いからか 考古学に耽っているのは ベンチは黄色く錆びいて 余命宣告受けたからか 空は天井ではない 青く開かれているのだぞ 主体性を造り直している 再び青き春を取り戻すために

          二人がいないベンチにて