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ゆとりのゲーム感想「煉獄 THE TOWER OF PURGATORY 」


【はじめに】


PSP。

そりゃもうモンハンが遊べたゲーム機に決まっていた。周知の事実であり、昔も今もその感覚でPSPを触っていた(る)人が殆どだと思う。

私もその"モンハンブーム"は直に体験できた世代だ(現在でも日本人のゲーマーなら誰でも知っているぐらいの人気なので、取り上げて珍しいことではないが)。

2011年。当時の私は小学5年だった。満を持して発売された3DSは私の期待を見事に裏切ってくれた。やる気のないソフト展開、価格に釣り合っていない性能、何よりも酷かったのはあれだけ大々的にPRしていた3D機能がクソの面白さも無かったゴミだったからだ。何一つワクワクできなかったんだよ。はっきり言って子供騙しの玩具の域だったと思う。父と一緒にケーズ電機で朝7:00に買いに行ったのを覚えている。3D機能を一緒に見て、互いに苦笑いするしかなかったあの日を私は今でも鮮明に覚えているのだ。

私はもう諦めていた。発売から1年経ってもこの鉄くずを好きになれる兆しが全く見えなかった。初めて味わった絶望かもしれない。悔しくて泣こうが喚こうが当時の任天堂は言うことを聞いてくれない。正気を失ったムーブを繰り返し、私からゲームそのものを奪おうとしていた。

そんな絶望の日々を送っていた時、私のクラスでは、私が知らない単語が飛び交っていた。

「今度、一緒にイビルジョーのクエストやろ。」
「護石集めずっとやってたw」
「ガーグァキモい。」

イビルジョー?ガーグァ?何が何だか分からないが、私のクラスでは何かが流行っていた。聞いていると、それは「モンスターハンター」というゲームであることが分かった。普段ゲームなんかやらなさそうな一軍の男子ですら熱狂的になっていたから私はそんなに面白いゲームなのか?と興奮しながら聞き耳を立てていた。

何とかチャンスを窺ってそのゲームを買ってもらおうとした。お年玉やお小遣いも溜まっていたが、全然足りない。モンハンを遊ぶにはPSPというゲーム機が必要だったからだ。小学生が直ぐにポンと買える代物では無い。私は親が上機嫌な時が来ないかを探って耐えに耐えていた。

そして、来た…!しかも、突然。

「どうだ、何か新しくゲームでも買うか?」

全身が武者震いしていた。このチャンスをものにしないと、一生後悔すると思って、慎重に歩み寄った。

「も、モンハンっていうゲームが欲しいんだけど…」

私は、ソフト代は出すから買って欲しい、クラスの皆が持っててやってる、PSPも今12000円あれば買える、といくつか用意していた武器で応戦した。

「じゃあ、明日トイザらス行こう。」

通った…!勝ったぞ…!!

私は親にPSPと「モンスターハンターポータブル3rd」を買ってもらい、狂喜乱舞した。

念願のモンハン

そんで、プレイし始めたのだが、当時めちゃくちゃ感動したのを覚えている。画面も3DSと比べて大きい上に明るかった。ゲームの出来も良く、携帯機でこんなにヌルヌル動く3Dアクションができるのかと感動した。あぁ、PSP、本当にありがとう。お前がいなかったら私の小学5・6年はゲームの無い生活、事態によっては3DSのゲームをプレイするという最悪で灰色の生活を送っていたかもしれない。本当に感謝している(3DSを擁護する訳では無いが、小学6年以降はFC・GBが遊べるハードとして重宝するようになる。結果的にPSPの3倍以上は稼働していたと思うので、そこは感謝している)。

さて、そんな思い出のあるPSPだが、今となってもまだ起動する機会はちょこちょこある。私はリアルタイムでモンハンと音ゲーぐらいしか遊んでいなかったので、やってないどころか知らないソフトを挙げると枚挙に遑がない。私の定義上、レトロゲームではないが、PSPのゲームを漁るのは中々に楽しい息抜きだったりする。レトロゲームが苦しいみたいに言うなよ。はぁ…

最近、購入した「煉獄 THE TOWER OF PURGATORY」も PSPソフトである。珍しく購入して即プレイ。クリアしたので感想を述べる。

【ゲーム概要】

PSPソフト「煉獄 THE TOWER OF PURGATORY」

「煉獄 THE TOWER OF PURGATORY」は2005年にネバーランドカンパニーが開発、ハドソンによって発売された作品である。ネバーランドカンパニー?あぁ、エストポリス伝記ね。ハドソン?あぁ、まだ死んでなかった時ね。というか、こんなゲーム、ハドソン出すんやな。割と子供向けのイメージが強いんだが、ボンバーマンや桃鉄のせいだろう。よくよく思い出したらネクタリスや邪聖剣ネクロマンサーとかも出してたし。どうでもええか。

本作は、3Dアクションゲームとなっている。とはいえ、パッケージの雰囲気からして何だかおどろおどろしいゲームであることは間違いない。不気味な骸骨の絵に似つかないミツバチのロゴマーク。気持ち悪いことこの上無い。

なぜこんなデザインかというと、本作のキャラクターデザインに末弥純氏が関わっているからだ。本作のOPでも真っ先に氏のクレジットが記されている。末弥純、といえばFC版の「ウィザードリィ」シリーズのモンスターデザインや「ジルオール」のキャラクターデザイナーを担当したことが有名である。濃密なゴシックファンタジーやSFを得意とし、ゲーマーの厨二病心を擽ってきた。本作もその腕前を遺憾無く発揮しており、本作の世界観を唯一無二でカッコイイ感じに仕上げている。

OPムービーより

ここでストーリーを紹介する。

近未来。
過去の大戦で多くの兵士が死に、人々は戦場で戦うことの意義を見出せなくなっていた。代わりに戦場に立ったのは無数の、多種多様の、機械兵器たち。兵器の性能、思考能力の優劣により、戦争の勝敗が決せられるようになった時代。

永い機会戦争の合間に、革命的な人造兵士がこの世に生みだされた。

自立型戦闘兵器体、「A.D.A.M.(アダム)」。強烈な回復機能と、特殊液体樹脂エリクシルスキンによる武装形成システム。そして高度な人工知能を有する彼らは、最強の兵士として戦場を蹂躙した。

無敵の一個大隊。
彼等の進む戦場は圧倒的な破壊の嵐に飲まれた。

やがて彼等により戦争は終わった。すべての敵を蹴散らして。

もう敵はない。

そして彼等は存在意義を失った。

彼らを造った人間たちは、その処分に頭を悩ませていた。戦い続けることを宿命づけられた彼らを、何とか有効に活用するには?

それは彼らを使って戦いのショーを見せることだった。彼らは「煉獄」と名づけられた塔に閉じこめられ、戦いを強いられた。観客達は壮絶な戦いを娯楽とし、その勝敗に熱狂した。

あらゆる場所に設置されたモニターに映る彼らの戦いぶりは人智を超えるものであり、平和に飽きた人間を刺激するには十分すぎるショーだった。

塔での戦いはまさに地獄。全てのアンドロイドが頂上を目指し、敵を蹴落とした。永遠の命と永遠の戦い。これが地獄でなくて何であろうか。戦いは昼夜を問わず、果てしなくつづいた。

_________どれほどの時が経ったのだろう?

永い闘いの輪廻の果て。
ある1体のADAMに「自我」が生まれた。

(説明書より引用)


とまぁ、アクションゲームの中では十分すぎる程練られた世界観である。OPでは↑のストーリーに沿ったムービーが流れるのだが末弥氏の気合いの入ったデザインと合わさって、鉛のような重々しさがありながらも美しさを感じ取れる出来だった。苦手な人はここで離れそうだが、私は好みである。悪くないね。

OPが終わると、1体のADAMと呼ばれるアンドロイドを操作することが出来る。冒頭のムービーでは何体ものアンドロイドが行進しているのが見れるが、最初から最後まで操作できるのはコイツのみである。これもどうなんだろうね。せっかく、末弥純が関わっているのにずっと同じキャラしか操作できないのって。プレイアブルキャラを増やして色々な戦術とかができるようにすればいいと思うんだが。

プレイ画面

本作は3Dアクションなのだが、目的はただ1つ。塔に入り、1つのフロアにいる全ての敵を倒して、フロアボスを倒し、次のフロアに…只管これを繰り返すのみだ。塔の最上階に行くとラスボスがいてソイツを倒すとエンディングが流れる。至ってシンプル。そんなことは無いのだろうが、ウィズをやっぱり意識しているのだろうか。ただ敵を倒し、意味が分からないまま最奥地に向かう部分なんかはどことなく似ている気がする。

本作の特徴は、独自の強化システムである。敵と戦っていくのがメインとなる本作であるが、それには武器や防具が必要である。しかし、武器屋や宝箱なんかは存在しない。どうすればいいのかというと、敵を倒して相手の武器を奪うことで、自分を強化していくのだ。まぁ、奪うというよりかは倒すと武器をドロップするので、ハクスラ味があるな。その武器を装備していくのだが、装備方法が特殊で、身体の頭・右腕・左腕・胴体・脚の5つのパーツに武器を付けていくやり方となっている。武器の種類は近距離型・遠距離型・補助型みたいな感じで分かれている。装備した武器に応じて見た目も変化して、例えば、頭部に銃火器を装備すると頭部に銃火器がくっついたような見た目になる。5つのパーツに武器を装備していくのは必然なのだが、装備するにつれ、見た目も相応にゴチャゴチャしてくる。

装備変更画面

操作方法は上下左右の移動とダッシュ、□△〇✕ボタンによる各種攻撃、敵へのロックオン、カメラ調節ぐらい。ちなみに移動は全て十字キーで行われる。中々の糞仕様である。アナログパッドはカメラ調整に割り振られているのだが、使いずらくてしょうがないので、パッドでやりたかった。2005年というと、PSPも初期の初期か。大目にみてやろう。・・・そんなこともない。PS2で3Dアクションゲームなんか出揃っていたんだし、わざわざ十字キーで遊ぶなんてことは殆どの人はやらんかったはずだ。うーん、違和感とかは無かったんか…?

戦闘について。フロアにある部屋に入ると、自分と同じアンドロイドがいるので、ソイツと戦う。性能は一緒で、それぞれ違う武器や装備を身につけている。プレイ感覚はアーマードコアとかが近いのかな。詳しい訳では無いから合ってるかは分かんないけど。全てのアンドロイドを倒すとそのフロアのドアが開くので、次の部屋に進めることが出来る。逆に倒されると、装備している武器をその場所に残して、1番最初のフロアに戻る。その武器は拾いに行かなければならないので注意だ。私は面倒になったので、ロードして無かったことにした。こんな機能要らんやろ。

戦闘画面

戦闘で勝つと敵はアイテムをドロップする・・・のだが、本作はそのドロップにも独自性がある。敵に攻撃すると相手のHPゲージが表示されて相手にどれぐらいダメージを与えたのかが見て分かるようになっている。しかし、ゲージが0になっても表示は消えない。どころか、ゲージの色がオレンジに変化する。どういうことかというと、敵が倒れるとゲージが変化して、追加でダメージを与えると今度はゲージが増えていく。そのオレンジのゲージの量によってドロップアイテムが増えるのだ。要はキッチリ倒してもいいがオーバーキルした方がメリットがあるよ、ということだ。これは画期的なシステムだし、最後の最後まで戦闘をやり抜こうと思えて良かった。ドロップするアイテムはエリクシルという通貨みたいなものと相手が持っていた武器。エリクシルが優先的にドロップされるので、武器が欲しければ、オーバーキルしてゲージを増やすことはほぼ必須と言っていいだろう。

もう1つの強化システムの説明。本作は武器を各パーツにつけて強化していくといったが、それだけではない。先程出てきたエリクシルを使えば、耐久力を増やすことや武器の反動を軽減することができる。エリクシルの入手はドロップだけでなく、武器を売却することでも入手出来る。強化も何段階にも分けてすることができ、全ての強化を施すには、おそらく万単位でエリクシルが必要になってくるだろう。躓いたらエリクシルを貯めて強化。育成を繰り返すことで誰でもクリアできるようにはなってる。他にも敵を倒した時の武器によってその武器のジャンルの経験値が微量に貰える。色んな武器を使うのもいいが、遠距離武器に絞るというようにして経験値を貯めるのも攻略法としてアリである。

エリクシルを支払うことでパーツの強化が可能

フロアの全ての敵を倒すと次のフロアに行けるワープゾーンが開く。そのワープゾーンを使うと、次のフロアに通じるドアとボスがいて、ボスとの戦闘が始まる。ボスと言ってもやることはザコ戦と一緒で、オーバーキルによるドロップも変わらない。倒すとドアが開き、次のフロアに行ける。基本的にはこの繰り返しである。なお、ボス戦のみ倒れても武器は無くならない。

ストーリーの密度はあまり重視されていないのか、描写されることはOP以外だと乏しい。世界観だけが僅かに香る程度である。

概要は以上である。

【感想】


いや、アカンでしょ。アカンよね?うーむ…

言っちゃえば、このゲームはハクスラというジャンルに分けられる。冒頭のモンハンもそうで、只管に敵と戦い、自らを強化し、さらなる強敵と戦う…これをただ繰り返すジャンルである。
はーい、じゃあ、まずこのジャンルの良いところ!人間なら誰しもが持っている欲求、それも本能的な欲求にストレートに応えてくれる所だ。物を集めて気持ちいい、強くなって敵を一方的にねじ伏せて気持ちいい、時間さえ掛ければ誰でもクリア出来て気持ちいい。人は皆、収集するのが楽しいのだ。成長するのも大好きだ。これをゲーム上で体験できるのがハクスラというジャンルの面白さだと私は思っている。
続いて、ダメなところ。それは飽きやすいことだ。戦う、集める、強くなるのサイクルでしか楽しめないとなると、飽きるのも早い。そうなると楽しむどころか義務感すら生まれてしまう。これはハクスラが抱える致命的な問題であり、これをどう無くすか(あるいは誤魔化すか)が良作、駄作を分ける決め手だと私は考えている。

本作はどうだったかって?

ハクスラの楽しさの水準すら満たしていないどころか、ゲームの浅さに気づいて飽きるまでのスピードも激早なんだ!
・・・はぁ…

私はゲームクリエイターには須らく敬意を払っている。勿論、本作のゲームに関わっている人達全員にもだ。・・・なのだが、はっきり言って本作は調整不足のゲームだと思う。何か、微妙にズレているというか分かってない。まるっきりダメなゲームではないのだが、2005年のクオリティーとは思えねぇんだわ。かろうじて、私がこの手のゲームが好きだからクリアまでやったのであって、合わない人は本当に合わないと思う。ハクスラという無骨すぎるジャンルで離れ、末弥純氏によるデザインで離れ、さらにゲーム性の浅さによって離れ・・・一体誰がこのゲームやんねん。

まず、アクションについて。本作は3DアクションでPSPにしてはキビキビ動いてくれる。携帯機ながらハイスピードアクションが楽しめる点は当時のPSPの性能を世間に見せしめるのに本作はうってつけだったと思える。
たださぁ、十字キーというのはなぜなんだい?PS2時代の3Dアクションゲームで3Dのフィールドを歩くというのは、やっぱりスティックでないとやりにくかった。十字キーと兼用しているゲームも多かったが、移動で使われているのはスティックが専らだったと思う。本作のゲーム性は十字キーに合わず、何度も十字キーの場所を変えて細かくコンコン叩くことになる。とにかくやりずらいし、イライラするのだ。
ただ、今考えるとこれは開発の配慮だったのかもしれない。PSPにもスティックの代わりとなるアナログパッドがあるのだが、まぁ貧弱というかちゃっちい。本作はハイスピードアクション、本作のプレイが原因でパッドが損傷してしまったら、開発としてもたまったもんではない。そのようなリスクを避ける為にやむなく十字キーにしたのかもしれない。これはPSPのボタンの少なさによる影響が少なからずあると思う。だから、私はここを強く非難することはできないな。ムカつくけどな。

けど、許容できない部分もある。それはプレイヤーの歩きのビジュアルである。プレイヤーは歩くとダッシュが使えるのだが、両者の見た目がダサすぎる。これ私だけなんかな〜 なんか女忍者みたいなオネェの小走りみたいな歩き方なんだよ。何かナヨナヨしてて気色悪い。じゃあ、ダッシュはどうなのかというと、顔を地面に向けて猪突猛進!みたいな走り。お前はイノシシか。どちらも不格好で世界観やアンドロイドというクールなイメージと合わない。アーマードコアみたいな感じだったりとかホバー移動とか色々なやり口はあっただろうに、何故これになったのかが謎でしょうがない。私はこの時点でカッコイイ世界観とのギャップでくらってしまった。

次にゲームシステムについて。ハクスラであることは先程説明したが、ハクスラならば、やはり強化や武器集めにどれだけ熱中できるかが評価の対象になる。本作もそのような要素は入っているのだが、どうも物足りなく思ってしまう。まずは強化について。エリクシルという通貨を払って自身の各パーツを強化することができるといったが、強化できる内容を見て欲しい。

分かるかな?攻撃力や武器の弾数を増やす強化方法が無いのだ。要するに、攻撃力の部分で強化できるのは武器と敵を倒した時の武器の経験値だけで、エリクシルを攻撃力UPに還元することはできない。これで何が起こるかというと、どんなに敵を倒しても敵を一瞬で殲滅させるような力は手に入らないということだ。レベル上げしまくって無双!俺TUEEEE!みたいなのはできない。上がるのは耐久力と武器のスロット数、連続で攻撃した後のオーバーヒートを防ぐものしかない。これはハッキリ言って倒しがいが無い。耐久力なんか当たらなければほぼ関係ないし。せめて武器の段数を増やすとかがあればこっちもやる気が出るのだが。何故なんだ・・・

まだまだ不満はある。次に武器について。武器の種類に関しては申し分無い。十分に揃ってあり、自由にカスタマイズできる。問題は性能差についてだ。このゲーム、圧倒的に遠距離武器の方が強い。悲惨なほどに。近接武器はソードやハンマー、アックスなんかがあるんだが、どれもこれも隙が多い上に範囲が狭い。連続攻撃ができればいいんだが、どの武器も大きめの一撃を振るだけで、あとはもう隙だらけ。悠長に武器を振り回すことなんかできず、逆に返り討ちにあってしまう。それと比較して、遠距離武器は破格の待遇を受けている。オーバーヒートしない限りは連続で弾を打ち出すことが出来、ロックオンシステムとも相性がいい。範囲もロックオンできる範囲なら届くという強すぎる性能を持っている。しかも攻撃力も低くなく、キルタイムは近接武器とほぼ変わらない。こんな調整なんで近接武器を使うのなんか馬鹿らしくなってくる。やってらんねぇよ。先程の強化システムと相まって「自由にカスタマイズできる」という強みが全く実感できない。どこか縛られていて狭苦しく感じてしまう。何だこれ。はぁ…

難易度について。これも良くない点であった。まずハクスラというのはゲームのシステム上、どうしても飽きやすい。それの解消としてゲームの難易度を上げることで攻略欲を湧かせるというのがあると思うのだが、本作は微妙な難易度である。ヌルくもないし、難しくもない。淡々とプレイしているだけで先に進めてしまう。遠距離武器に絞り、只管ヒットアンドアウェイ… 先に進めないからエリクシルを貯めようとはプレイ中1回も思わなかった。普通のアクションゲームとしては良い調整なのだろうが、ハクスラでこれはダメだろう。全く面白みが無い。ハクスラとは?

ボスも微妙である。だって雑魚と大して変わらないから。本当に拍子抜けするし、やってて面白くない。ストーリー上同じアンドロイド同士が戦うっていう設定は免れないが、「塔の中で何千年と戦っているうちに進化した個体が塔の番人として君臨するようになった…」みたいな展開でいくらでも広げられたはずだ。頭が悪いのか?発想力が無かったか。はぁ…

UIも糞仕様。何でこれでOKを出した?ヤバない?まずムカついたのは移動中に画面右上に表示されるレーダーみたいなもの。

右上が部屋のマップ
水色が自分で赤が敵

はい、邪魔です。ゴミです。自分の位置と敵の位置が把握出来るものなのだが、自分がどちらを向いているかという矢印が無い為、レーダーを見ようもんならフィールド画面も同時に見なければならない。二度手間である。敵の位置もめちゃくちゃ近づかなければ反映されないので、敵はいないな、よし!ボカーン!みたいなことはざらに起こった。いつ使うんだ、このレーダー。そして、肝心のフロアマップはSELECTボタンを押さないと出てこない。あぁ、マジで腹が立つ。本当に何なんだよこれ。さらに強化での武器の売却なんかもすごくやりずらい。マジでスーファミ以下である。初めてゲーム作ったんか?違うでしょ。

演出面はどうか。冒頭で述べたように世界観はとてもカッコイイ。しかし、それがゲーム内では全く生かされてないように思った。まずキャラデザイン。自分も敵も同じアンドロイドなので、色が違うぐらいの変化しかない。立ち絵とかも無いので、本当に区別がつかない。ステージデザイン。終始似たような場所が続く。ストーリー及びテキスト。ほぼ語られることは無い。道中のムービーも皆無。ほら、ほぼ死んでるような演出面だろ?ギャラリーで末弥純氏が手がけた本作のイメージイラストが見れるのだが、実際のゲーム内容との乖離がすさまじい。こんなカッコイイイラストなのにゲーム中では全くそれを感じられない。もはや一種の詐欺ではないか?はぁ…

音楽。音楽は中々良い。「夢見舘の物語り」で有名な野見祐二氏が担当しており、荘厳で迫力のあるサウンドだった。私のお気に入りはOPで流れる曲と2Fで聴けるヤツ。

感想は以上。一応、2周しないとエンディングは見れなかったので2周したが、2周目は本当に虚無心でプレイした。つまらなかったなぁ。

【まとめ】


うーん。ここまで酷評したが、実はこれ続編の「煉獄 弐」があるのだ。ということはある程度売れたのである。しかもそっちの方が評判は良いので、期待してそちらもプレイしたいと思う。ここまでハードルが下がったんだ。次回作で軽々超えてくることを期待してやまない。はぁ…








(本作をプレイするには実機でプレイするしか無いようだ。気になった方はプレイしてみてほしい)




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