今月読んだ本『ヘンな論文』② サンキュータツオ



個性的で愛すべき先生がたくさん登場する中、本書を語る上でどうしても外せないのが「湯たんぽ伊藤」先生。
その名の通り湯たんぽの研究をされてる先生ですが、タツオさんが直接コンタクトを取って以来、メールの件名に「湯たんぽ、伊藤」と入ってるそうです。
これは芸人仲間からのメールと間違えてもしょうがないよね(笑)

すごい経歴をお持ちの伊藤先生。
しかし、湯たんぽの大家とその周辺の人々との関係はというと、湯たんぽの講義は退屈なのかほとんどの学生がうつぶせになって寝ているとか、収集した湯たんぽのコレクションは娘さんから早く片付けろと言われ、大学に寄贈しようと発案したら断られた等(苦笑)切ないエピソードが続々。。
だからこそキャラも立ってますが。
本書でもタツオさんにだいぶ面白くネタにはされてますが、同時に伊藤先生に対するリスペクトと愛情も強く感じます。
偉大な先生であるがゆえに、勝手に研究結果を別の場所で使用されたりと嫌な思いもされてますが、その後も「今後は、どのメディアに呼ばれても、タツオさんの紹介でしか出るつもりはない」とまで言わしめたのですから、信頼は相当なものですね。


湯たんぽの章で言うと、私は個人的に、家康や家光が使っていたと思われる湯たんぽのイラストがとても良かったです。
家康は葵の紋が入っていて いかにも という感じでしたし、家光のは犬の形をしていて可愛らしい!
家光って、そういえば本人が描いたとされる動物の絵が残ってますもんね(^O^)
「生まれながらの将軍」、実は可愛いもの好きだったのかなあ?

いやはや、楽しい本でした!
ヘンな論文を紹介しつつも、論文とはつまりなんぞや?ということも解説してくれてますし、〝funny〟な面白さだけでなく〝interesting〟な面白さもある良書です。
続編が出たのも頷けます。
これは深イイと思ったのが、

  研究者たちは、主観の頼りなさをだれよりも知ってるので、いろいろなことがわかってくるなかで、「あ、この判断間違いだったわ」と自説を下ろす準備はいつでもできている。真の学者は、自分のプライドよりも、とにかく「真実」に重きをおく。彼らは「いままでわからなかったこと」が知りたいだけなので、自分の正しさを主張したい、ということはないのである。


というところ。
何それ、学者カッコええやん!!
それから、知的好奇心を刺激されたのは、あくびの論文でした。

  私たちは、リラックスした状態のとき、あくびについて考えるだけで、かなりの高頻度であくびをする

らしいですよ!そうだったのか〜。
しかも、あくびがうつるのは想像力豊かな人の証拠らしいです。
さらに4歳まではあくびはうつらないんだって。おもしろ〜。
何を根拠にそう言ってるかは、読んで確かめていただけたらと思います。


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