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ニューノーマルでは「不安」と「信用」がキーワードに

マレーシアで3月18日に始まった MCO/ロックダウン。約2ヶ月の軟禁状態が続いた後、先日5月13日から少し緩和されました。今はCMCO(Conditional Movement Control Order)というセミロックダウン状態です。

ジョギングや散歩ができるようになったので、昨日は海沿いの遊歩道へ行ってきました。息子もワンコも、自宅敷地外へ出るのは2ヶ月ぶり!

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自由に外を歩けるのがこんなに幸せな事とは...病気や怪我で入院生活を送った方も、こんな気持ちなのでしょうね。皆さん言ってますが、このロックダウンで小さなことで幸せを感じるようになりました。

ロックダウンを経た街の様子

一部の特定業種以外は、操業がほぼ再開されました。モールに人が殺到しているかと思いきや、ペナンのモールはがら空きでした。スーパーマーケット入場前の行列も、朝一番だけのよう。

各店舗に入る前に検温と連絡先登録が義務付けられたので、その面倒さも人出にストップをかけているのかもしれません。ふらりと見るだけに入るのは、億劫になりがちですものね。

そして今はラマダン (イスラム教の断食月)の真っ最中。昼間は人が動かないのも分かります。でも、それにしても人がまったく居ない...KL近郊ではかなり人が戻っていると聞いたので、ペナンはより警戒モードが強いのかもしれません。

この状態では持たないお店が多発すると思うので、自分のできる範囲で、積極的にお金を落としていこうと思っています。

「ニューノーマル」で生き残るお店

街の様子、また様々な業種を見て感じているのは「顧客の不安を取り除ける店や業種が生き残っていくだろう」ということ。

例えば、スタッフの衛生観念が緩く、マスクや消毒を怠る姿が客の目に入ったら?その店の信用度は落ち、二度と行かない人も居るでしょう。情報はSNSで即座に駆け巡ります。

また欧米のプロテスター並みに「コロナは危険じゃない、インフルエンザや交通事故より死亡率は低い」と発言する人が経営者だったら?お店の対応に不安を覚える人は少なくないはずです。特に濃厚接触する業種は、利用する側も敏感になっています。

検温や衛生管理など、国が定めたガイドライン/SOP(Standard Operational Procedure)を守るのは当然として、これからの時代は経営者の思想も業績に大きく影響するでしょう。

SNSでの発信も、今以上に重要になります。店の安全性をアピールし、顧客側の立場になって不安に寄り添った発信ができるかどうかも、生き残りに掛かっていると思います。

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↑エレベーター前などソーシャルディスタンシングの為のテープが貼られています

警戒心が強い人を味方につける

一方顧客側にも、ガイドラインなど気にしない人もいるでしょう。でも「警戒心を強く持つ人」を味方に付けるのが得策です。なぜならそういう人は信用を置いた店へ何度でも足を運ぶ=リピーターになってくれるからです。

これ、311後も同じでしたね。産地に気を配った食材、放射性物質の検査を行う企業やスーパーは「警戒心を強く持つ人」から強い支持を得た。今はその人数は当時の非ではないほど、全世界が警戒しています。どう考えても、経営者はこちら側に立つ事がより重要になるでしょう。例え本音では違う考えだとしても、生き残るにはそうせざるを得ない時代が来ています。

応援してもらえる人になろう

私はキックボクシングのジムへ週3〜4回通っていたのですが、ロックダウンで閉鎖。CMCOで規制が緩和された今も、まだ再開できていません。スポーツジム、ネイルサロン、美容院など「室内で濃厚接触がある業種」はまだ許可されていないのです。

ジム側では、人数制限やペアでのトレーニングを無くすなど、「ニューノーマル」に備えた新スケジュールを準備していましたが、結局許可されず...。

メンバーの落胆は相当なもの。もちろんジム側もです。チャットグループでは「ジム再開への署名運動をしよう!」と言い出す人も。(ペナン理容室協会は国へ懇願書を提出したそう)

それに対してジムオーナーは感謝を述べつつも「Government has a right reason.」=政府は正当な理由があって許可しないのだから、とメンバーを諭したのです。

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このジム、メンバーは数ヶ月分を前払いしますが、ジム側はロックダウン中を「凍結期間」とし、メンバーシップの延長措置を取っています。つまりジム側は、現在2ヶ月分の収益はゼロ、でも家賃など維持費は発生している状態です。

それでも「正当な理由があって閉鎖なのだから」と言う経営者が、メンバーからの信用を得て、さらに応援の声が上がっている事は言うまでもありません。

もちろん綺麗事だけで経営は続かない、それは誰もがわかっている事。けれど長期的視点で考えた時、やはりこの「信用」は今まで以上に大きく影響していくと思います。人々の不安を取り除けないお店は、静かに信用を失っていくかもしれません。

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人が一度抱いた不安を取り除くには、時間がかかります。今後、様々な業種が淘汰され、同時に新たな業種も生まれてくるでしょう。私の居る、留学/移住の業界も例外ではありません。

私自身も、今まで以上にお客様の不安に寄り添い、信用を積み重ねていくつもりです。どの業種も国を問わずに協力し、アイディアを出し合ってサバイブしましょう。

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