万願寺

1988年生まれ。書店アルバイト。障害年金受給者(精神)。陽気なオタクです。

万願寺

1988年生まれ。書店アルバイト。障害年金受給者(精神)。陽気なオタクです。

最近の記事

ぶんがく、おんがく、かぞく

 これはいつか、きっと二十歳ころに思いついたアイデアだと思うのだが、私を育ててくれたものは、文学、音楽、家族、だと思った。そして生涯かかわりつづけていくのもこの三つなのだとも。  文学というのはほとんどの場合漫画が占める、アニメも入る、ライトノベルも入る、評論も、小説も、エッセイも。これらの文脈において語れるすべてのものを私は「文学」だと思っている。  音楽に関しては、小学校の頃は合唱。中学校、高校は吹奏楽、そして大学はジャズだった。そのほかにもアニメソング、JーPOP、生ま

    • 読書感想文『心は胸のふくらみの中』(菊竹胡乃美,書肆侃侃房,2023)

      書肆侃侃房の紹介ページ 傷を受けても耐える人  犬が苦手なのかなあと思った。  私は長いこと犬が嫌いだった(苦手ではなく嫌いだった)。最近は好きだと思えることが多くなってきたし、わざわざ嫌いとは思わなくなってきたけれども、犬の散歩をしている人は、歩道をすれ違う人が犬が苦手だったらどうするんだろう、相手に不快や恐怖を強いてまで自分の都合を優先するのか、まるで犬を飼っているからそれが当然の権利という顔をして、そうするのか。という意地悪なことを考えてしまう。以前、犬が嫌いな登場

      • 読書感想文『それでも女をやっていく』(ひらりさ,ワニブックス,2023)

        ひらりささんによる、ひらりさファンのための、ひらりさ自伝 (ただし、ひらりさファン以外にも、効果はばつぐんだ!)  テーマは、一言で言うなら「あなたは『女』としてどのように生きてきましたか?」。翻って、「私はこのように生きてきました(自分の名乗りを上げてから、他人の名乗りを聞くスタイル)」だから、この書の問いを受け取るのは女に限定される。のかもしれない。  女以外の読者には、へ〜、女ってこういうこと考えたり問うたりするのか〜という参考資料にはなると思う。そういった読者が、

        • 読書感想文『今、出来る、精一杯。』(根本宗子)

          読書感想文『今、出来る、精一杯』(根本宗子)  と、いう夢を見た。という一文をくっつけたくなるような各ラストシーン(群像劇のため、それぞれの人物のラストがあり、ラストシーンが複数となる)の怒濤の折りたたみ方で爽快だった。  著者の根本さんは劇作家であり、いや、劇作家という呼び方は違うのかも知れないが、とにかく劇団を主宰し演劇をつくっている方であり、そのプロフィールを先に読んだために、「これは舞台」としてストーリーを捉えつつ読み終えた。ということで、これは小説よりも戯曲、とい

        ぶんがく、おんがく、かぞく

        • 読書感想文『心は胸のふくらみの中』(菊竹胡乃美,書肆侃侃房,2023)

        • 読書感想文『それでも女をやっていく』(ひらりさ,ワニブックス,2023)

        • 読書感想文『今、出来る、精一杯。』(根本宗子)