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自分の好きだった作品を振り返る(その7)~ゲーム業界への転職

続きです。

うつ病が酷くなって、ユニクロを休職、退職した私。

うつ病で動けなくなる、ということ

ユニクロで働いていたある日、起き上がれなくなりました。トイレにも這って行くような状態で、食事も摂れない。翌日、ふらふらしながらも、なんとか歩いて病院に行って「うつ病」と診断されました。医師から休職するように指示され、それに従って会社に連絡しました。

その後1か月は週に1度通院、毎日服薬しながらずっと寝てました。起きている間は勝手に涙が流れる。テレビすら理解出来なくて、画面に何が表示されようと、光がまぶしく感じるだけでした。本を開いてもただの文字列としか思えず、頭に入ってこない。漫画もただの絵でしかなかった。

本を読めないということは、私にとっては非常につらいことでした。動かない身体を横たえながら、このまま一生、本が読めなかったらどうしよう。私は何か優先順位を間違えたのではないか、ユニクロで働き続けるよりも大事なものがあったんじゃないかと自問自答してました。

2か月休職している間に色々と考えた結果、ユニクロを辞めることにしました。

心が「折れる」

うつ病を心の風邪と例える人がいますが、私の感覚だと、うつ病は心が「折れた」状態です。疲労骨折というか、ぐぐぐーーっと掛かった負荷でボキッと折れる。そのままでは立ち上がることが難しいくらい、ダメージが大きい。

身体と違って、折れていてもギプスや添え木を当てることもできない。回復方法もよく分からない。孤独だし、出来ていたことが出来なくなるし。

うつの状態になったのは今回が2回目でしたが、前回と比べても症状が重かった。回復できるのか、自分でも分かりませんでした。

なんとなくゲームをし始める

休み始めて3か月程度が経過した時、なんとなく退屈に感じる程度までに回復しました。本や漫画、テレビは見れないけれど、家に携帯ゲーム機、任天堂DSがあったので、なんとなくゲームをするようになりました。

夫が「こういうの好きでは?」と選んでくれた、『咲かせて!ちびロボ!』というゲームでした。

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ちびロボ!で自分を取り戻す

『咲かせて!ちびロボ!』は、ちびロボというロボットを操作して、町中に落ちているゴミを拾い集め、花の種に変え、種を公園に埋め、水をかけたりダンスしたりして花を咲かせる…というゲームです。一種の作業ゲームです。

ゲームの世界の中で、ゴミを拾って町をきれいにしたり、花を咲かせて公園の風景を変えていく感覚がとても良くて。毎日4時間とか、結構長い時間プレイしました。

町が美しくなっていくのに比例するように、私の心がぐんぐんと回復していきました。ゲームをクリアした頃には、自分にも何かできるのではないかと、思うくらいになりました。

家の掃除を始める

ゲームの世界で掃除していたのと同じように、自分の家をきれいに掃除するようになりました。雑巾をかけたり、掃除機をかけたり。

身体を動かしていると、なんとなく物足りない気持ちを感じるようになってきました。働いてもいいかも知れない。仕事を探そうかな…?と思うようになったのは、倒れてから半年くらい経った頃でした。

転職活動、どうしよう?

転職について考えた時、選択肢は2つありました。1つは、ユニクロでの店長経験を生かした道。つまり、再度、小売業に応募する。もう1つは、まっさらな状態で異業種に転職すること。

私の夢というか、目標は「自分の力でごはんを食べる」だったので、小売業の方が良いような気がして、面接を受けに行きました。でも、ピンとこなかった。面接官には「元ユニクロ店長の使えなさっぷり」だったり、「女性店長の辞めていく様子」を話す人も多かったし、経営方針を聞いても共感できなくて。働く目的がお金だけだとつらいなあ…と思うようになりました。

自分を知るために自己分析

大学時代の就職活動では、自己分析などほぼ、行ってなくて。

今回、転職を考えた時、やっぱり自分のことが分からないと決められないな~と、自己分析の本を買って、自己分析をしまくりました。トータルで10種類くらいかな?中には使えないものがありましたが、自己分析を繰り返す中で、「自分が好きなこと」「自分が嫌いなこと」「自分が許せないこと」「自分が叶えたいもの」「自分がどういう生活を送りたいか」を可視化することが出来ました。

自己分析に役立つ本

個人的にお勧めな本を並べます。ストレングスファインダーは自分の強みを可視化するのに有効です。

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天職診断もストレングスファインダーと近くて、「やりたい仕事」ではなく「自分に合った仕事・職種」を知るのに便利だと思いました。

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『夢に日付を!』は、自分の夢を「家庭・教養・財産・健康・趣味・仕事」の6つのテーマに分けて設定し、具体的な行動にまで落とし込むというメソッド。手帳術はやってもやらなくても良いんですが、将来の自分を具体的にイメージするのは重要。成功している人の体験談を読むと、多くが「将来の姿をはっきりと思い描いていた」と書いてます。

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渡邊さんは嫌い・苦手という方も多いと思いますが、有効なメソッドだと思います。渡邊さんの本には、柳井さんとはまた違った宗教的な雰囲気を感じますから、鼻につく人も多いでしょう…。

他に自己分析としては「引き寄せの法則」関連本の中で、自分のセンスに合うものを読んで書き出すのが良い気がします。

私が1番役に立った本はタイトルも忘れてしまったので紹介できないのですが、紙の真ん中に自分の似顔絵(全身)を描き、ふきだしで「〇〇が好き」て言葉を書けるだけ書いていく…というものでした。「自分が好きなもの」をガンガン書いていくと、「こういう生活を送りたい」みたいな希望も見えてきます。

自己分析の結果

分析してみて、小売店で店長をする人生はないな!という結論に至りました。

異業種への転職はハードルが高かったのですが、夫がゲーム業界の人だし、私はゲームをきっかけにうつ病から復活したので、今度はゲーム業界に行って何か恩返しをしよう、と決めました。

最初はアルバイトから

ネットでゲーム業界の求人情報を見ていたら、東京にある会社がアルバイトを募集していました。時給は1000円。ゲーム開発ではなく、ゲームのコンサルティングを行う会社でした。

会社名で検索しHPを見てみると、女性社長が1人で切り盛りする小さな会社でした。HPの見栄えは悪かったけれど、経営方針に共感を覚えましたし、英語版HPを作っている姿勢にも、お!っとなりました。

応募し、面接を受けたら合格しました。

アルバイトから正社員に

アルバイトでしたが、この会社での勤務は楽しかったです。社長がとても面白く、エネルギッシュな女性で、彼女の経験や考えを聞いてるだけで楽しかった。社長1人、アルバイト1人だから気がねしないし。スタッフがいないのってこんな楽なのか…と驚きました。

ただ、自分が回復するにつれて、アルバイト勤務では物足りなくなってきました。アルバイト勤務を始めて8か月後の頃でした。

社長にそのことを伝え、正社員への転職活動をしようとしていたら、知り合いのゲーム会社を紹介してくれました。

携帯電話ゲーム会社の総務に

紹介してもらった会社は、携帯電話ゲームを運営する会社でした。

この会社も、社長が面白い方で、彼の経験談やビジネスアイデアを聞いているだけでも楽しかったです。

この会社は最初、月収20万円で雇ってもらったのですが、私の働きぶり(会社への貢献)を認めて頂き、ユニクロ時代より少し多い額にまで増やして頂きました。ありがたい。

ゲーム事業の収益悪化とリストラ

ただこの時期、2008~2012年頃、携帯電話ゲームはモバゲーやGREEといった無料ゲームによって、利益が出ない状態へと大きく変わっていました。

更に、2007年のiPhone登場によってスマートフォンへの転換を迫られていました。

私は経理も担当してましたが、ゲーム事業の借金が資金繰りに悪影響を与えており、火の車。倒産も視野に入るような状況でした。

そういった事情もあり、2012年から産休・育休を取得した後、復職が難しく、リストラされてしまいました。

ブログを始める

リストラされた、てなると暗い感じですが、ユニクロを辞めて、ゲーム会社に転職した2008年~2012年頃は人間らしい生活を送れました。

日常的に漫画もゲームも、アニメ視聴も楽しんでいましたし、2008年からゲームブログを始めて、ゲームのプレイ日記を書いたりもしました。ユニクロ時代は仕事一辺倒でしたが、生活に趣味をする余裕が出来たのは嬉しかった。

今はnoteを書いてますが、「育児漫画目録」といったブログを始めたきっかけも、ゲームブログが楽しかったからです。

イラストを描くように

ブログではゲームのプレイ日記が中心でしたが、プレイ日記がネタだとクリア後に書くことがなくなります。ブログのネタとして、二次創作絵をアップするようになっていきました。 ↓ こんな感じの、バストアップの構図でザザッと描いたものばかりでした。(このイラストは『神のみぞ知る世界』のエルシィです。)

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絵を描きたいのではない

二次創作絵をアップすると反応が良かったこともあり、ゲームブログを更新していた2年くらい、毎日のように絵を描いていました。絵を描いていけばいくほど、「私は絵を描くも、他人に見せるのも好きじゃない」と分かってきました。

もともと、姉が漫画を描くのが好きな人で、その影響で絵を描き始めた感はありました。姉は絵や漫画を描かないと生きていけないタイプの人ですが、私はそうではないな、と切り分けることが出来ました。

まとめ

ユニクロを辞めて5年くらいは、自己分析が進んで、自分という人間が理解できるようになった時期でした。自分の中の常識の多くは、思い込みに過ぎないな、親や会社から与えられた洗脳的なものもたくさんあるな~と気付いた時期でもあります。

例えば、自分の苦手が本当なのか?を疑って、苦手な絶叫マシンに載る為、富士急ハイランドに行ったりしています。「ドドンパ」に乗っただけで死にそうになり、自分が本当に絶叫マシンが苦手だということが分かりました…orz

そんな感じで、自分の「好き」は本物か?「苦手」「嫌い」は本物か?その理由は何か?…といったことを一つ一つ確認し、吟味していった結果、生きるのが楽になった部分があります。

これがだいたい、10年前の出来事ですが、この時期の自己分析が、40歳の私を支えているとも思います。

次は妊娠・出産・育児編かな。ゲームや漫画の登場頻度が下がっている気がする…。それでは~。



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