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【お薦めマンガ3選】「人生に飽きた。生きるってなんだろう」…そんなあなたに贈ります。

毎日同じ仕事の繰り返し。
波瀾万丈の人生と比べたら、そこそこ恵まれているのはわかっている。
わかっているけれど、なんだか飽きたな。
そこそこの暮らしだけれど、将来にぼんやり不安はあるし…
そういう時ってありませんか?

この記事で紹介するのは、そんなあなたに「生きるって何をすることなんだろう」を、自分なりに考え直すきっかけをくれるマンガです。
答えは載っていません。ぜひ「主人公や登場人物の境遇だったら自分はどうするかな?」と感じながらページをめくってみてください。

■『私たちの幸せな時間』佐原ミズ

あらすじ
「生きている意味がわからない」そう言って自殺未遂を繰り返す、富豪の一人娘・樹里。
母は娘に呆れ果て、匙を投げている。精神病院へ入院させられそうになっている樹里に対して、シスターである叔母は代わりに刑務所への奉仕活動を勧める。
そこで出会ったのは、死刑囚・祐。彼も生きる意味を見失い、同じように死にたいと願っては、叶わない日々を送っていた。
「死刑囚なんてみんな同じ、人を傷つけ殺した人でなし」---そう思っていた樹里は、彼の育った境遇と人を殺した理由を聞くうちに…

・ボリューム ★
単行本1冊なので忙しい日でも合間に読めます。

・おすすめポイント
彼は死刑囚です。結末は悲しいものになると読めてしまうのですが…
「誰かが死にたいと願った今日は、誰かが生きたかった明日」
このフレーズだと心に響かないけれど、こうやってマンガの形で主人公・樹里と祐に感情移入していくと、
この言葉の持つ意味、自分は今あるものを大切にしているのだろうか…そんな風に考えさせられます。
本作にある「幸せな時間を手に入れるのには、難しいことはいらない。必要なのは…」から始まるくだりは必読です。

■『GUNSLINGER GIRL』相田裕

・あらすじ
舞台はイタリア。政府機関「社会福祉公社」は反政府組織によるテロを未然に防ぎ鎮圧する秘密組織である。
テロリストとの戦いに使われるのは、かつて事件に巻き込まれ身寄りを亡くし死に瀕した少女たち。
その少女たちに生き延びるための改造されたパーツ「義体」を与え、戦いで傷ついてもパーツを交換され、痛みを薬で抑えられながら懸命に生きる。義体と薬の代償で長くは生きられないと知りながら。

・ボリューム ★★
全15巻なので結末まで読み終わるには少し時間が必要です。
文字数は多くないのでライトに読めます。

・おすすめポイント
生きることが死にゆくこと。彼女たちの日々は戦い一色しかない…ように見える中でも、他に意味を見出そうとする姿に心打たれます。
薬のおかげで彼女たちは事件のトラウマから逃れられる。
けれどその薬の副作用で彼女たちは、戦いの記憶はおろか、戦いの束の間にあるささやかな幸せの記憶すら忘れ去ってしまうのです。
死にゆく閉ざされた運命の中で、彼女たちは一人ひとり大切なものを守り、それを生きる意味として見出します。
ある少女はペアを組む担当官に尽くすことが生きる意味ととらえて、時に喜び、時に葛藤。
担当官もまた人の子なので、過酷な運命から少女たちを救えないかと葛藤します。
彼女たちの辿る運命は決してハッピーエンドではありませんが、読後、不思議と自分の人生…もっとやりたいことがあるんじゃないかな…と思わせてくれる作品です。

■『イキガミ』間瀬元朗


・あらすじ
命の大切さと尊さを国民に知らしめるために作られた国家繫栄維持法。18~24歳の若者たちの1000人に一人に「逝き紙」が届く。
その紙によって24時間以内に死を迎える運命を突き付けられた時、人はその極限状態でこれまでの人生を振り返る。
彼ら一人ひとりが、何を考え何を為すのか。綺麗ごと抜きのヒューマンドラマ。

・ボリューム ★★★
全10巻でページによっては文字数が多いので、少し時間が必要かもしれません。
オムニバス形式なので、ちょっとした合間に読み進められます。

・おすすめポイント
明日もその先もきっと生きられる、そして毎日が同じことの繰り返し。
事故や事件で亡くなる人がいても、自分だけは、なんとなく生きていられる…そう思いがちですよね。
実際はそうではないんだなぁと、このマンガを読むたび思い出すんです。人生でやり残したこと・先延ばしにしていることについて、考え直さなきゃきっと後悔するよねって。
明日突然事故にあって死ぬのと、「イキガミ」が届くのってほぼ一緒ですよね。
そんな時、走馬灯がめぐるなかで後悔しないためにも…
もし「イキガミ」が自分に届いたら…やり残したことは本当にないのかな?
将来のために淡々と仕事をして貯金もしているけれど、今この瞬間、何かしてみたいのに全部未来に回して我慢していることってないかな?
想像してみるだけでも、自分の人生の棚卸しになるかもしれません。

どの作品も「生きる意味」と「死」を扱うものではありますが、読後感は悪くなくどこか新鮮な気持ちで「生きる」ことをとらえられるかと思います。
人生に飽きてしまったあなた。このマンガを読んで、一度立ち止まって…
自分は何をして生きたいのかな?
何をしたら人生の喜びを感じられるかな?と問いかけるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。


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