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#7 だいじょうぶ、だいじょうぶ


私は 昔 中学3年の受験の年 "自殺"を考えていました。家族や学校の先生からは 卒業後 何をしたいのかどうするのかをすごく言われていましたが 私は死ぬし 来年なんて来ないし、生きていないのに みんな面白いこと言うな、と真面目に思っていた頃があります。


学校に行けない 人が怖い 自分の存在意味がわからない そんな私は 昔から絵本が好きでした。そんな中 出会ったのが 


だいじょうぶ、だいじょうぶ

という、

絵本でした。

この絵本は 主人公の男の子の僕とその子のおじいちゃんが近所を散歩する中で出会う人や物を通じて 僕の悩みや葛藤に対し おじいちゃんが優しく諭してくれる、素敵な絵本なのです。


お友達と上手く接することができない苦悩。

どんなに学んでも学んでも まだまだ知らないことがあるという事実。

自分が たとえ気を付けていたとしても、 防ぎようのない事故に遭ったり、病気になるという現実。


そんな僕の中で巻き起こる不安や葛藤に 正面から向き合う おじいちゃんが本当に素敵なんです。

この絵本は 小学生のころに国語の授業で読んだことがありましたが 当時沢山のことで悩んでいた私にとって とても感慨深いものがありました。

たとえ友達と上手く話せなくても 考えが合わず悩むことがあっても

 無理して仲良くしなくても         いいんだって事でした。


たとえ、精神的な病気になっていても


たいていの病気はいつか治るって事でした。


言葉が通じなくても心が通じることもある。

何も言わずとも伝わることもあるという事。

そばにいるからこそ。


その絵本では

この世の中そんなに悪いことばかりじゃ無い。

と、僕は気付くんです。

おじいちゃんが 僕に だいじょうぶ だいじょうぶ。 と、手を握りながら伝えるだけなのに

僕は自分自身で 気づく瞬間があり

その絵本を改めて読んだ当時の私は その瞬間に ハッとしたのを今でも覚えています。何もここで命を無駄にすることはないのかと。

やりたい事がなければ 見つければいいし

目標を見つける事が目標なのでは。と、

それこそ この世の中 そんなに悪いことばかりじゃ無いなと思えた そんな本との出会いです。


またこの本のいいところ 好きなところは

最後なんです、


月日が経ち おじいちゃんはずいぶん歳を取り、僕はずいぶん大きくなります。

そんなおじいちゃんは病院のベットの上にいます。おじいちゃんの手を握り 何度も何度でも僕は言うのです。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。だいじょうぶだよ、おじいちゃん」と。


ほとんど知られた絵本ではありますが、

読んだ事がない方は是非 拝見してみてください。

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文・絵 いとうひろし さん

出版社 / 講談社       発行日 / 1995.10


私が生まれる少し前に発行された本みたいです。

なんだか、より一層 好きになりました。運命感じてしまいます。いつか わたしもこんな素敵な 絵本を出す事ができたら いいなと思います。





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