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「応援の連鎖」で生まれる「信用」が飲食店の未来を変える

最近、先端医療に興味を持って「バイオロジカル検査」を受けました。

これは「自己治癒力」を科学的・客観的に評価するための検査で、「細胞レベル」での機能異常を知ることができるというもの。

自分の遺伝子を“可視化”し、それを元に必要な栄養を食事やサプリで摂取したり、色々試してます。

改めて「幸せのベースはまず健康だよなぁ?」なんて考えながら、自らを実験体に得た「知見」と「外食」を結び、『世の中をより健康にしたい』と夢見ているモルモット森です。

ちなみにその事を妻に話したら、

『ふ~ん、長生きするつもりなの?』と冷たく返されました。


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『認知』と『信用』を同時に高めていく


まず、このグラフを見てください。


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ここれはキングコングの西野氏が言っていたことなんですが、僕自身も深く共感した『信用』と『認知』を軸にしたグラフです。

赤い矢印が示すのは「店の『認知』と『信用』を同時に高めていくことが重要ということ。

これまでFISHMANでは、海から海鮮が飛び出してきたみたいな「原価100%超え ポセイ丼」やら、フレンチの手法も用いたケーキにしかみえない「肉じゃが」など、「見て楽しい」メニューの提供に加え、メンタリスト、マジシャンやベリーダンサーを呼んでのイベントなんかもやってきて、思い出に残る『体験と時間』を売ってきました。

ありがたいことにオープンから10年以上経った今、多くの方に注目していただき、FISHMANに対する「認知」はかなり高まりました。

でもこのコロナ禍で露呈したのは、店に対する「信用」が足りていなかったということです。

飲食店における信用とは

日本ではよく、効率化して店舗を増やす「チェーン化」の傾向がありますが、正直今後残れるのは「この人に会いたいから、この店だから行きたい」と思われる店です。

そのためには、そこで働くスタッフの人間性や地域社会とのつながりだったり、店だけで完結する「料理や体験を味わうだけの飲食店」を超えた、「温度」や「人間らしさ」が必要。

そうしてはじめて、お客さんからの「信用」を得て、連日足を運んでくれるような「常連」、そして「ファン」を獲得することができるのです。

FISHMANはこの「信用」という点でまだまだだったことが分かりました。

コロナ禍の今、「信用」を得るには

「信用」が欲しい。「応援してほしい」。
といってもただ呼びかけるだけでは意味がありません。

「応援される」ためには、まず自分たちが「応援すること」が必要です。

最近のFISHMANでは『原価定食』というものを出しています。メニュー価格はほぼ原価。そのためたくさんの注文をいただきます。お店としては利益が出ないものですが、飲食店からの発注が激減し、売上難に苦しむ業者さんからの仕入れを行うことができます。「食事をすれば業者さんを助けることにつながる」という背景、ストーリーに共感してくれる人は多いと思います。

あと、これは前からやっていたことですが、料理に使っている野菜の一部は、福岡の障害者の方々がつくられたものを使っています。店のテーブルにある箸立てもそうです。

そういった、社会的に厳しい立場で踏ん張っている人たちを応援することで、またそれを応援しようという連鎖が生まれる。

僕はこれを『応援マーケティング』と呼んでいます。

「FISHMANで食事をすると、困っている人たちの助けになる」

「社会貢献できる」


そういう流れをつくることで、お客さんが店に足を運んでくれ、信用も上がり、いざというときに応援してくれる「ファン」が増える。

向かい風を追い風に変えていくことが出来れば、飲食店にとってこの時期は逆に『ボーナス期間』だと思うんです。


『信用は金で買えない』っていうけど、僕は“今限定”で『買える』と思っています。

こういうことを言うと、「結局応援とかいって、下心丸出しじゃないか!」とか言われそうですが、まあでも、商売だから(笑)

大切なのは、カフェとか居酒屋とか「業態」でたまたま選ばれるんじゃなく、「この店だから行きたい」と思われる場所になること。

それが今一番やるべきことなんじゃないかと思います。

そのためには「知ってもらうこと(認知)」と同時に、

応援し、応援してもらうこと(信用)」が必要。

今日はそういう話でした。


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