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「強がる、イキる、マウンティングする」だって人間だもの。

人間はステータス争いをする生き物で、「自分がどれだけ優秀なのか」を周囲にアピールする。 これは進化の過程で必要だったんですね。 群れの中で、「能無し」とみなされてしまうと、見捨てられる可能性が高くなってしまう。そうなると生存・繁殖が不利になっちゃう。 だから、ある程度優秀ですよと周りにアピールして、仲間に入れてもらうと。この「自分は優秀です、役に立ちますという自己アピール」は物心ついたときから死ぬ間際まで続く。イキッたりマウンティング取ったり、要するに自慢ですね。「自分はすごいよ」と。


人間の場合、あからさまな自慢じゃなくて、「ものすごく微妙な自慢」もあるんですよね。「謙遜自慢」ってやつです。例えば有名大学に進学した人が、「うちのキャンパス、ど田舎にあってヤバい」みたいな。こういうのって謙遜自慢なんですよね。 それとか、「陰キャが多い」みたいな。授業風景を写真で撮って、「チェックのシャツが多い」「これだから非モテは」みたいな感じで晒す。要するにこれ、「そういう頭がいい大学に自分はいるよ」ということを暗に伝えるために、自虐を使ってアピールしているんですね。なんのひねりもなく「自分は頭がいい大学に行ってます。友達みんな賢いです。就職先もすごいです。」みたいな。 そういうことを延々と呟いても誰からもかまってもらえない。むしろ「こいつ傲慢なやつだ」って嫌われちゃう。だから人間は自虐だったり謙遜自慢を使い倒しているんですね。 リアルでもやるし、ネットでもやると。


ネットの場合はリアルとは全く違う自分を演じることができるので、例えば性別を変えたりもしてますからね。女になりきってイキる人もいるし。 出身校だったり職歴、そしてライフスタイルもすべて嘘で固めて、毎日架空の自分を発信している人がいます。丸の内OLのセキララな本音とか、外資系リーマンの日常みたいな感じでマウンティングしたり、港区女子のアカウントを作ってみたり、投資家のアカウントを作ってみたり。仕入れた情報をさも自分が経験したかのようにYouTubeやXで垂れ流す。


で、これを自己啓発では「ダメだよ」と、「そういうイキったりとかマウンティング取るのは、煩悩まみれだからやめなさい」というふうに言うんですね。スピリチュアルとかでもですね。 これっていうのは確かに理想としてはいいんですよ。「エゴにまみれず、ありのままの自分でいきましょう」みたいな。 でも、先ほども言ったように、人間には「自分がいかに優れていて、群れに貢献できるか」をアピールする習性があるので、しょうがないんですね。 だって人間の一番根深い核にあるものって、「自尊心」ですからね。「自分をいかに守るか」っていうことなんですよ。 どれだけ苦境に立たされても、踏ん張ってプライドをもって、立ち向かう。どれだけモテなくても、どれだけお金を稼げなくても、どれだけ病気になっても、弱みを見せず、 仮面をかぶって鎧を着て、「自分はちゃんとした人間ですよ」と振る舞う。これが人間の一番変えられないところなんです。 なので、「これを変えろ」というのはとんでもなく無理な要求なんですね。 この無理な要求を真に受けちゃった一部の人たちが、メンタルを病んでいく。「自尊心を捨てなさい」と宗教では言うので、頑張って修行して、自尊心を捨てて、エゴを捨てて、プライドを捨てて、ありのままで、水のようになろうとする。でもこれは人間の本能とは全く異なることで、プライドを捨てて生きていけるようには、人間の本能や初期設定はできてないんですよ。 だから、宗教っていうのは本当にひどいもので、無理なことを信者に教えて、要求して、自分のところにずっと引き付ける。「本能を超えろ!的な原理的に不可能な教え」って洗脳・監禁なんですよね。ホント宗教・自己啓発って罪深いなと思う。というわけで今回こういう話をしています(自己啓発・宗教に騙されるな!)。

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