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Tableau Viz作成振り返り3 ー「Japanese Hit Chart 2023」ー


はじめに

DATA Saber Bridge -2nd- に挑戦中のNakajimaです。
先日、DATA Saberのコミュニティ活動としてTableau PublicにVizを掲載しました。
埼玉県下 FM NACK5の「All Japan Singles Top 20」をテーマにしたViz作成に利用した方法などについてまとめてみました。

(1) Viz作成の背景  -Task-

根っからの音楽好き。
Razikoの普及で、いつでも好きな時にラジオのヒットチャートを聴ける状況の中、コロナ禍で久しぶりにラジオのスイッチを ON にする機会がありました。
2020年冬のチャート。髭男、King Gnu、Uru の曲を聴き、演奏の巧さと歌詞のストーリー性に偉く感動。
Tableauを使い始めた頃から、是非 ヒットチャートのVIzを作りたいと思い、Privateでデータ集めを始めました。

「ヒットチャートを見ればその国が分かる」

データソースにさせて頂いた番組 Funcky Friday のDJ  小林克也さんの名台詞。私もヒットチャートを聴きながら、その意見に共感。
DATA Saber Bridge -2nd- で作成したVizの3部作最後として、最初の2作は世界に目を向けていましたが、今回は日本の音楽ヒットチャートから、「日本の良さ、今後は?」を見つめ直す意味を持たせ、Vizを作成しました。

芸術性は疎い私です。。

Tableauの諸先輩方の様な、分かり易いデザインのViz作成は私はまだまだ。
素人ながら、VIzはプレゼンと一緒で白背景であるべき との思いがありますが、今回はNack5に敬意を表し、Nack5のロゴ カラーを基調にVizを作成することにチャレンジしました。

DATA Saber Bridgeが11月試練開始の縁も感じつつ、埼玉県民の日である11月14日をリリース日のターゲットとして急ぎVizを作りました。
ドタバタ短時間でVizを作成。これが今の実力。まだまだ修正するところが多いと思いますが、ひとつの軌跡としてみました。

(2) データソースと前処理     -Get Data-(Preparation)

データソースは、Nack5。毎週金曜日の小林克也さん「Funky Friday」で番組最初のコーナー All Japan Singles Top20 の On Air曲をリストにさせて頂きました。
Excelに「ヒットチャート」、「アーティスト」、「曲名」のワークシート3種を作り、Tableau上では各ワークシートをキーとなるディメンジョンをリレーションsで繋ぎデータソースとして利用しています。

キーフィールドは曲名とアーティスト名

国ごとのチャート比較用に、アメリカ(3月と5月のチャートからTop20の曲)、韓国(23年上半期Top50)のデータもExcelにまとめています。
また、ヒット曲の評価は、ヒットポイント(1位:20ポイントから20位:1ポイントの累積)の大小とし、累積ポイント100以上の曲をロングヒットとしました。

(3) Vizを作成   -Choose visual mapping、View Data-

いろいろな切り口でVizが作れる情報が入っています。ランクチャート作成の練習などにもなるデータです。

「ヒットチャートを見ればその国が分かる」というキーエッセンスは、最後の段階でダッシュボードの右上に表示を入れました。
このエッセンスから、今回のVizでは日本のヒットチャートの特徴、国民性などを海外チャートと比較したいと考えました。取り上げたい項目を3つに絞り、それをどう理解してもらえるようにするか?

表現方法は、とても悩みました。
ちょっとだけ家族会議をしてアドバイスをもらい、「ロングヒットの秘訣は?」として、その項目を視線に投げかける形にしています。雲型の吹き出しを利用して文字で表記しました。
この吹き出し文字は、PowerPointの図形で作成、個別にファイル保存し ダッシュボードの浮動イメージとしてTableauに取り込んでいます。


データソースの対象期間は、ほぼ年間チャートに近い1月6日〜11月10日(Vizリリース後も、データは毎週更新中)。
ヒットチャートに登場する「曲数」、「アーティスト数」、「チャートイン回数」を数値表示し、全体の規模感を表すものとしてみました。

タイアップ

日本の音楽の特徴は、アニメ、TVのドラマ、映画の主題歌としてタイアップされた曲の多さ。世界的に人気のアニメは、チャートアクションに大きな影響を与えています。
この切り口で、ロングヒットのソートされた棒グラフは、色をつけています。
比較用の韓国チャートを意識して、ランキング入りしたK Popの曲は一つの分類で色付けしています。

ジャンル

曲のジャンルもチャートアクションへ特徴をもたらします。次の5つの分類を用意。
「J Pop」、「K Pop」、「アイドル」、「ボーカロイド」、「その他」。
「その他」は、ロックや野球応援歌、演歌などが含まれています。

ジャンルをフィルタとして用いるために、ボタンとフィルタアクションを設定しました。このボタンフィルタで、他のメジャー、グラフを表示切り替えする仕掛けにしています。

フィルタ用のボタン AVGのアドホックでボタンを表示(サイズ最大)
フィルタアクション(ワークシート)

曲の時間

国毎のチャート比較を考える際に一番重要な要素を「時間」としました。これをチャートインした全曲のヒストグラムを表示しています。
ビンは15秒単位。軸は固定し1.5〜6.0分に。
比較対象とするアメリカ、韓国のグラフはフィルタアクションの対象外として固定し、日本のチャートのみジャンル別のフィルタアクションがかかるようにしています。

アメリカン チャートが世界を代表するものだとしたら、韓国、日本は何をターゲットにしているか?
ここでも、人間心理として、” 3 ”はMagic Nnumber をポイントに。3分ぐらいの長さ。
比較出来ると「国としての文化」、「曲作りの思想」、そして 「ビジネスとしての音楽」などの観点で、データの奥に見え隠れしているものを想像していただけたらと思っています。

極の時間(ヒストグラム)

おわりに -Develop insight、Act-

世界では戦争が相次ぎ、コロナ以後 大きな時代の流れの渦に入っていると感じています。
観光などで、日本は注目を集めているところもありますが、海外との交流や政策などではこれから頑張るべき点も多いと感じています。

今回の音楽テーマで、各国の比較をしてみます。

アメリカは、IT分野でも世界の最先端を走っています。音楽業界も同じ。国土が広くネットが普及している中、以前の通信環境が遅かった時代に曲のネット配信で適度なデータ量で人が心地良く曲を聞ける3〜4分の曲が主流になっています。
また曲調もシンプルで口ずさみ易いものがヒットし易い傾向です。

方や韓国。お国柄、自国市場だけでなく、世界市場に目を向けている。日本のアイドル文化を手本にしつつ、独自に世界でビジネスを成立させるための戦略を明確に持ち、実行しています。
曲の長さはちゃんとした信念の元 徹底してヒットを狙う意志が見られます。

日本は、タイアップに象徴される媒体に合わせた曲作りが特賞。曲の時間は長めです。媒体のストーリーに合わせた曲作り、歌詞だけでも感動を与える作品が多い。
サビの旨さ、転調やキーを上げるなどの盛り上がり演出の巧みさ、カラオケで歌ってみたくなりますね。
更に、演奏が上手なアーティストが多いのも特徴です。

韓国の楽曲は、世界を意識している。曲の時間を代表に、それを物語っている。
日本の楽曲は、そこは注力点ではないようだ。いいのかな??

でも、日本の良さはある。日本のヒットチャートは世界のチャートとは一味違う。
  曲作りや演奏の巧さ。
  歌詞やメロディーラインの転調など聞かせる良い曲が多い。
  やはり、アニメは日本の、そして世界に広がる文化。
これから日本で、どのような世界戦略を取るアーティストが出てくるか?

世界観と国内重視の差異を感じつつ、また私達を感動させてくれる素晴らしい曲が来年も登場してくること楽しみにしながら、DATA Saber 試練の日々を過ごしたいと思います。

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