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小説製作秘話&裏話『お花屋さんの手帳』#2

 藤波真夏です。
 前回の続きです。
 この#2を読む前に、#1を先に読んでからこちらを読んでいただけると、楽しんでもらえるかと思います。

 *また今回はネタバレが含まれていますので、是非本編を読破してから読んでいただくことを強くおすすめします。
 本編URL

https://ncode.syosetu.com/n6615hl/


この小説、誰目線?

 『お花屋さんの手帳』の主人公は、男子高校生の佐月くんです。この小説ではそんな佐月くん目線で物語が展開します。
 『お花屋さんの手帳』らしく、物語の冒頭は佐月のダイヤリーから始まります。
 イマドキの男子高校生がどんなことを思っているのか、どんな話題をして楽しんでいるのかは分かりかねますが、私の中にある想像のなかでなんとか作り上げたのが、本編の中の「佐月くん」なんです。

 あらすじの中で佐月は、姉の文に「無理やり」花屋でアルバイトをさせられたと書いています。
 そんないやいや働いている佐月の心の内を表現するために、佐月のつぶやきという名の「小言」を多めに入れています。

 では、本編より佐月の小言を厳選して引用しますので、ご覧ください。

俺はここで稼いでおかないと昼飯代に困る。あと姉ちゃんにしている借金も返さなきゃいけない。

『お花屋さんの手帳』1項目 今日は快晴?より

姉ちゃんに言われる筋合いはない。別に関係ないだろ。(中略)命の危機を感じた。

『お花屋さんの手帳』3項目 限定販売はじめます。より

姉ちゃんがよく言うけどあいにく俺にはいない。(中略)クリスマス? なんだそれ、おいしいの? 状態だ。

『お花屋さんの手帳』最終項目 最後のお客さんより

 どうでしょうか?
 一部長いので中略させていただきましたが、このような小言(主として姉)がたくさん散りばめられていますので、彼の小言を楽しんで読んでみてください。


東京のお花屋さん

 さて、そんな佐月くんがアルバイトをしている「フローリスタ」ですが、東京の板橋にある設定です。
 これには、私自身板橋近くの学校に通っていたためです。
 これ以上言うと私の母校がバレてしまうので、これ以上の発言は控えさせていただきます。

 実際、この「フローリスタ」のモデルとなったお花屋さんは私が学校へ向かうために、歩いていた道にあります。
 そのお花屋さんは外にもたくさんの花を置いていました。
 私自身、花に関する知識は皆無でしたが、それが色鮮やかで綺麗だったことを今でも覚えています。
 そのお花屋さんに実際に入ったことはありませんが、私が小さい頃に母と一緒に入った近所のお花屋さんの記憶を頼りに、「フローリスタ」は出来上がっていきました。

 作中で佐月くんがラッピングをする場面があります。
 佐月くんは不器用であまり綺麗にできないため、ラッピングの注文があると憂鬱になってしまうようです。
 ラッピングが綺麗にできない、という発想ですが、前述した小さい頃に行ったお花屋さんで見たものに由来します。
 その時、花が綺麗な包装紙に包まれて、カラフルなリボンでラッピングする光景は、当時の私には衝撃で、しかも慣れた手つきで流れるようにやっていたため、私にはそれがマジックのように華麗に見えました。

 佐月くんはラッピングが苦手な設定なので、小さい頃に見た華麗なラッピングテクニックの真逆を想像しながら書き進めていきました。
 うまく文字で表現できたか分かりませんが、ラッピングに苦戦する彼の姿も楽しんでみてください。


愛と尊敬を込めて、○○りました。

 さて、最後の裏話ですが、実際読んだ皆様はこう思ったのではないでしょうか?

「あれ? なんか知ってるような…知らないような名称が…?」

 それ…間違ってないですよ。

 実は、この『お花屋さんの手帳』では実際の名称や人物名などを一部変更してもじっているのです。
 そうです。ある意味、オマージュというものでしょうか?
 いろんなもじりがありますので、一部ご紹介します。

松田麗子の『赤いスイートピー』

『お花屋さんの手帳』一項目 今日は快晴?より

大正通り

『お花屋さんの手帳』二項目 昭和大学ランデブーより

 いかかですか? 何をもじったかなんとなーく分かりますか?
 松田麗子は言わずもがな、松田聖子さんのことです。曲の名前でピンとくるのではないでしょうか?
 そして大正通りは、明治通りのことです。時代を一歩先に進めただけです。昭和大学だってその一つ…。おっとこれ以上は…言えませんね…、

 そこまで多くもじったわけではありませんが、探してみてください。その元ネタが何かも考えてみてください。
 結構こじつけっぽいものもありますので( ^ω^ )


おわりに

 いかがでしたのでしょうか?
 ここに載せたのは、記憶の中にあるものだけを引き出したものにすぎません。当時の私が何を思い、どういう考えの元執筆したかは、今の私には全然分かりません。
 この作品を読んでどう感じたのか?
 是非教えてください。当時、悩みの中で書いたこの作品が皆様に何を語り出すのか、楽しみです。
 では次回の更新までお待ちください。
 ありがとうございました。

 ☆Manatsu Fujinami☆


『小説家になろう』藤波真夏ユーザーURL

https://mypage.syosetu.com/951009/

『ノベルアップ』ユーザーURL

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