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小説製作秘話&裏話『アヤカシ草子』#2

 藤波真夏です。
 前回に引き続き、『アヤカシ草子』の制作秘話&裏話を綴っていこうと思います。
 小説リンクを掲載しますので、先に読んでおくといいかもしれません。
 *今回は物語の根幹に関わる重大なネタバレを含むので、予めご了承ください。少し小説を読んでからこの記事を読むことをお勧めします。

 小説リンク

https://ncode.syosetu.com/n2608dr/


これ、どこの国?

 『アヤカシ草子』の舞台は幻の国・ヒノモトです。
 どこか日本風な世界観かと思った方が多いかと思います。
 それもそのはず、ヒノモトの時代背景は安土桃山〜戦国時代をモチーフにして執筆しています。
 そのため、幻の国なんて言っておきながら、武士は登場するし、天皇的立ち位置に「大君」と呼ばれる王の存在がいます。
 
 じゃあなんで「ヒノモト」なのか?
 実は…。


ヒノモトは日本のことなんです。

 「日本」
 と見たときに私たちは一般的に、にほんもしくはにっぽんと読むのが普通かと思います。
 しかし、ひのもととも読むことができます。それを漢字表記ではなくカタカナ表記にして、地球のどこを駆け巡っても見つからない幻の国のように演出をしました。


ヒロイン粗暴すぎ問題

 『アヤカシ草子』を読んでいただいた多くの方に言われるのは、こんなことです。

「ヒロインが粗暴すぎる。主人公はヒロインのどこに惹かれていくのか…?」

 …ごもっともです。
 かくいう私がこの小説を読んでいたらこう思ってしまう可能性が高いです。
 ヒロインが粗暴すぎ問題の原因は、全て私の思いつきでもあるんです。
 前回#1でも綴らせていただきましたが、この小説は『お花屋さんの手帳』より後にかかれた作品です。
 強気な女性はあまり書いたことがありませんでした。
 登場キャラクターの構想を練っていた時に、すでに十六夜が人間を殺したいほど嫌っているという設定があったため、書いてみたいな、という私の思いつきにより、粗暴な性格になってしまったんです。

 しかし、物語が進んでいく中で、彼女はアヤカシの長にご神木に体とアヤカシの力と共に封印されてしまいます。
 その時の内容を引用しますので、ご覧ください。

「ああ、残酷だ。なんでこんな…。私はただ真実を知りたかっただけだ…。私は想いを告げることもできないのか…」
 長が容赦なく術をかける。
「かの者の時を止め、封ぜよ!」
 長の声が轟き、十六夜の意識が遠のく。
「陽!!」
 封じられる直後、十六夜は声の限り叫んだ。声は森の中を響き渡り村まで届いた。

『アヤカシ草子』第拾之巻 消える月より

 なぜ封印されたのかどうかはあえて言及しませんが、あんなに人を嫌っていた十六夜が、意識が遠のく中で叫んだのは、嫌っていた人間の名前でした。
 彼女の粗暴さは中盤までです。
 正しくは中盤までツンツンしていて、だんだん終盤で優しいところを見せる。
 きっとそれは…ツンデレってやつなのかもしれませんね。


おわりに

 いかがでしたでしょうか?
 今回は少し短めでお届けしました。
 次回は…ネタバレ必至の裏話をお話しますね。
 次回の更新をお楽しみにお待ちください。

 ☆Manatsu Fujinami☆

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