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【由々しき事態】忘却の彼方

以前観たはずの映画の内容をどうしても思い出せない。
おかしい。
なんか凄く面白かったと言う印象と、ざっくりとした概要しか覚えてない。

???

このことに気づいたのは、アニメ映画「スパイダーマン: アクロス・ザ・スパイダーバース」を観た時だった。
この作品は2018年に日本で公開されたアニメ映画「スパイダーマン: スパイダーバース」の続編にあたる作品で、遊び心あふれた映像表現とアメリカンな作風に垣間見える日本的文化のミックスが楽しめる、笑えて泣けて前作同様アツく、大変面白いアクション映画である。

だのに、続編モノであるから過去の回想として前作の映像が流れたのだが、その時改めて思った。

あれ、前作ってどんな話だっけ…

映画を観終わって、試しに1番好きな映画「ファイトクラブ」がどんな話だったかを思い出してみる。

これは勿論、覚えて

…いなかった。

いやどんな作品だったかは概要は覚えている。大量消費社会を背景とした資本主義に警鐘を鳴らす主人公が作った、革命集団ファイトクラブと、その周りの人間たちが織りなす泥臭く爽快な物語だ。

ラストの衝撃とそのラストに向かって主人公が東奔西走する姿が印象的だが、
どうも細かい展開やシーンが思い出せない

デスノートも最終回とミームしか覚えてないわ

そこで急いで「ファイトクラブ」を見直したのだが、だから解決という話ではなく、過去に観た作品を、それに自分の中でとても面白かったと評価している作品ですら、内容を忘れてしまっていたということに問題がある。
これは由々しき事態だ。

では同様に他の好きな作品はどうか。
「レオン」は?「ショーシャンク」は?「マトリックス」はどうだ。
振れ幅はあるもののやはり詳細な展開は思い出せない

この現象は何も映画だけではなくアニメ作品や小説、ドラマも同様であることがわかった。

そういった優れたフィクションに、記憶喪失という題材はこれまた随分と有りふれた現象だが、それはフィクションだから面白いのであって、現実でこういうことが起こるとたまったものではない。

ん?待てよ。

ポジティブに考えると、何度も面白い作品を新鮮な心で再消費できるということではないか!!

ドキドキもワクワクも、憂い悲しみも嬉々喜び、感動や視聴体験も読後感でさえ、全てを忘却の彼方に葬り去って、何度でも作品の世界へ…

そんな悲しいことある?

観た作品の展開を説明できるくらい鮮明に記憶できるようになりたいと、そう思った。

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