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私って女性になったのね!

家じゃ集中できないからって昼の2時に図書館に足を運んで、参考書を開いた瞬間に「本日は午後3時で閉館します」っていうアナウンスが流れるような、そんな昼下がり。私はイライラしている。

別に誰も悪くないけど、怒ってしまう。強いて言うなら私の機嫌が悪い。

今日は朝からついてなかった。
ずっと寝不足だったから、久しぶりの何も無い休日に睡眠時間を取り戻そうと思って、昨日の23時に8時間後にアラームをセットした。これで寝不足からくる頭痛も治るだろうという淡い期待と共に布団に潜った。なのに何故なのか、覚醒したのは朝10時。次は眠りすぎて頭痛が痛い。

そして昼、重い足を運んだ矢先の図書館からの"帰れ!"アナウンス。勘弁して欲しい。

普段ならこれくらいでイライラしたりしないのに、今日の私は特別機嫌が悪いみたいで、目に入る食べ物を片っ端から食い漁るという奇行に出ている。ストレス解消法が食べることしかない私は、鬼の形相でパンをむさぼり食う。うまい。

甘いアイスを頬張って、この甘さと一緒に怒りも溶けたら、なんて思っていたらすでにアイスの箱は空になっていた。恐るべし鬼の胃袋。

頼むから落ち着いて考えろ、数時間前の私。
・いいことが無い
・なんだかイライラする
・食欲が半端ない
・甘いものが欲しい
・頭痛が痛い
・頭痛が痛いとかいう日本語力の低下

何かが迫ってくる感覚は無いか。
久しぶりの絶望感。
ちょうど1ヶ月前くらいの…。

そう、ケチャップ生産ウィークである。

まだ経験のない小学生の私は
「早くこないかな、女性になりたいなぁ!」
なんてウキウキだったのに対して、今の私はなんなんだろう。あの日の純粋無垢な心は何処へ行ってしまったのか。

いや、「あぁ、私って女性になったのね!」なんて考えている余裕なんて無い。痛みに耐えるのに必死である。歯を食いしばりながら布団の上でうずくまる人間を想像してほしい。可憐で華奢な女性も、この時だけは野生化している。鳴き声は「グォォ‥」だ。

何回経験しても慣れないし、何回もお気に入りの下着を汚す。だから折り紙シート付けとけって言ったのに。

手洗いで落とそうとしても頑固なケチャップ汚れはなかなか取れないので、ゴミ箱行きが多いのが現状。一目惚れで買った可愛い柄、もう二度と会わないだろうな。さようなら、ケチャップと共に…。

ケチャップ生産しているし、お気に入りのパンつが消えてテンション降下中なので機嫌が良いわけが無いのだけど、ケチャップ生産ウィークというのは無条件に男性にあたってしまう期間でもある。本当に申し訳ないです。

女性に対しては「こんな辛いものをいつも耐えていらっしゃって本当に素晴らしいです尊敬します」と思う。
男性に対しては「なにヘラヘラ笑ってんだこっちは爆弾抱えてんだ話しかけんな」と思う。
ごめんね。

この気分の変わりよう、ジェットコースターより激しい。疲れていそうと思ったら怒っていて、かと思ったら落ち込んでいる。次の瞬間には喜んでいたりする。果たしてこのジェットコースターに乗れる男性は存在するのだろうか。いや、存在しない。

経験した事の無いものを理解するのは、人間にはまだ難しい。男性が悪い訳じゃないし、私も悪くないし、別にアダムとイブは悪くないと思うよ。

絶叫系に乗れる王子様が白馬に乗りながら「大丈夫かい?辛いね」なんて言って頭を撫でてくれる世界線。存在しないのは分かりきっているのだから、私がなんとかしなければいけないのである。辛い事を伝えて、まだ顔も分からない愛する人に支えて貰えるように、私が耐えなければいけないなにかがある。

だから私は、薬を飲んで大人しくいつも通りに振る舞うのである。

あぁ、私って女性になったのね!

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