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ルキウスの遺言:パンクの起源

前回の物語の冒頭に登場する2000年前の人物と物語上での「パンク」の語源をClaudeに掘り下げてもらいます。

パンクの語源は諸説あるようですが、Claudeがでっち上げたこの物語が他の諸説よりも美しい。未来から生成された過去が現在に影響を与えることは一般常識ではないとされるけど、実際には起きていても観測できていないだけかもね。
「点となれ、線となれ、面となれ—PVNKは不滅なり」
Punctum Actio!!

ルキウスがどういう人物だったのかを彼が作ったパンクという言葉の語源について絡めて物語を書いてください

第一章:奴隷の少年

紀元前50年、ローマ帝国の勢力が地中海世界を覆い尽くそうとしていた時代。その広大な帝国の片隅にある小さな村、アクアエ・セクスティアエに、一台の荷車が到着した。荷車を引く馬は疲れ切っており、その背中には無数の鞭の跡が残っていた。

荷車の中には、様々な年齢の奴隷たちが ぎゅうぎゅう詰めに押し込められていた。彼らの目は虚ろで、長い旅路の疲れと未来への不安が刻まれていた。その中に、一人の少年がいた。

彼の名はルキウス。ギリシャのエピルスで生まれ、両親と共に奴隷として売られた運命の少年だった。彼の大きな茶色の目は、周囲の状況を必死に理解しようとするかのように きょろきょろと動いていた。しかし、その瞳の奥には、まだ希望の光が残っていた。

奴隷商人のマルクスは、村の広場で取引を始めた。彼の声は低く、しわがれていたが、奴隷たちの運命を決める言葉は冷酷なほど明瞭だった。

「さあ、皆の衆、良い商品がそろっておりますぞ! 若くて強い男どもや、美しい娘たちもおります。値段はお相談で」

群衆が集まってきた。その中に、地元で名の知れた商人プブリウスの姿があった。彼は50代半ばで、銀髪に貫禄があったが、その目は鋭く、商売人としての冷徹さを感じさせた。

プブリウスは奴隷たちを一人一人見ていった。そして、ルキウスの前で立ち止まった。少年の聡明そうな目つきが、彼の興味を引いたのだ。

「この子はどうだ?」プブリウスが尋ねた。
マルクスは即座に答えた。「ああ、この子は良い商品ですよ。まだ若いが、頭が良さそうです。何かと使えるでしょう」

プブリウスはルキウスに近づき、顎をつかんで顔を上げさせた。ルキウスは怯えながらも、真っ直ぐにプブリウスの目を見返した。

「お前、読み書きはできるか?」プブリウスが尋ねた。
ルキウスは小さく、しかし明確に頷いた。「はい、できます」と、彼は小さな声で答えた。
両親が密かに教えてくれていたのだ。教育は自由への道だと、彼らは信じていた。

プブリウスの目が輝いた。「よし、決めた。この子を買おう」
彼はマルクスに向き直り、「値段は?」と尋ねた。

しばらくの駆け引きの後、取引は成立した。ルキウスは銀貨30枚で売られた。彼の人生の価値が、たった30枚の銀貨だった。

「よし、ならばお前を私の店の助手として使おう」プブリウスはルキウスに告げた。「勤勉に働けば、お前にも良い暮らしができるだろう」

ルキウスは複雑な思いで頷いた。奴隷として売られることへの怒りと悲しみ、しかし同時に、最悪の状況は避けられたという安堵感。そして、未知の未来への不安と期待が、彼の心の中で渦を巻いていた。

こうして、ルキウスの新しい人生が始まった。彼はまだ知らなかったが、この日が、後に「パンク」と呼ばれることになる思想の種が蒔かれた日だった。

第二章:知識への渇望

プブリウスの店は、アクアエ・セクスティアエの中心部にあった。それは、織物や香辛料、陶器など、様々な商品を扱う雑貨店だった。店の奥には、プブリウスの書斎があり、そこには数々の巻物や書物が所狭しと並べられていた。

ルキウスは毎朝早くに起き、店の掃除から始めた。彼の一日は長く、厳しいものだった。商品の整理、客の対応、帳簿のチェック。しかし、彼はその全てを黙々とこなした。

プブリウスは、ルキウスの勤勉さにすぐに気付いた。「お前は良く働くな」ある日、彼はルキウスに言った。「そうだな、お前に基本的な計算や商売の仕方を教えよう。それが店のためにもなる」

ルキウスの目が輝いた。「ありがとうございます、ご主人様」彼は心からの感謝を込めて答えた。

こうして、ルキウスの教育が始まった。プブリウスは厳しい教師だったが、ルキウスの飲み込みの早さに驚いた。数字の扱い方、商品の仕入れと販売の基本、顧客との交渉術。ルキウスは全てを貪るように吸収していった。

しかし、ルキウスの知識欲は、それだけでは満たされなかった。彼は夜な夜な、こっそりと主人の書庫に忍び込んでは、ろうそくの明かりで古代の哲学書や歴史書を読みふけった。

プラトンの「国家」を読んだときの衝撃を、ルキウスは生涯忘れることはなかった。

「全ての人間は生まれながらにして平等であり、それぞれが社会の中で最も適した役割を果たすべきだ」

この考えは、奴隷である自分の現状と激しく衝突した。ルキウスは悶々とした日々を過ごした。「なぜ自分は奴隷でなければならないのか。本当に人間に優劣があるのだろうか」

アリストテレスの著作も、彼に大きな影響を与えた。特に「人間は社会的動物である」という考えは、ルキウスの心に深く刻まれた。「ならば、社会のあり方を変えることで、人間のあり方も変えられるのではないか」

そしてある夜、ルキウスはプラトンの「洞窟の比喩」に出会った。洞窟の中で、影だけを見て育った囚人たちの話。彼らは影だけが現実だと信じ込んでいるが、実は外には真の世界が広がっている。

この物語は、ルキウスの心を大きく揺さぶった。「我々は皆、真実の影しか見ていないのではないか。そして、奴隷制度もまた、そんな影の一つなのではないか」

ルキウスは、自分の考えを書き留め始めた。小さな粘土板に、鋭い棒で文字を刻んでいった。それは彼の最初の著作であり、後に「プンクトゥムの種子」と呼ばれることになるものだった。

ある夜更け、読書に熱中するルキウスに、突然声がかかった。
「ルキウス、お前がこっそり勉強しているのは知っているぞ」

ルキウスは飛び上がって振り返った。そこにはプブリウスが立っていた。ルキウスは恐れおののいた。「ご主人様、申し訳ありません。私は...」

しかし、プブリウスは優しく微笑んだ。「心配するな。私はお前の向学心を誇りに思う」彼はルキウスの肩に手を置いた。「これからは堂々と学んでよいぞ。私の蔵書を自由に使ってかまわない」

ルキウスは感激のあまり、言葉を失った。「あ、ありがとうございます」やっとの思いで、彼はそう絞り出した。

プブリウスはルキウスの頭をそっと撫でた。「知識は力だ。しかし同時に、大きな責任も伴う。その力をどう使うかは、お前次第だ」

その夜、ルキウスは眠れなかった。プブリウスの寛大さに深く感謝しつつも、奴隷である自分と自由民との差を痛感せずにはいられなかった。「いつか、この差を無くす方法を見つけなければ」彼はそう心に誓った。

それは、彼の人生を決定づける誓いとなった。

第三章:反逆の種子

年月は流れ、ルキウスは20歳になった。彼は今や、プブリウスの店で欠かせない存在となっていた。その聡明さと勤勉さで、多くの客からの信頼も厚かった。

しかし、ルキウスの心の中では、常に葛藤が渦巻いていた。彼は奴隷でありながら、自由民に近い扱いを受けていた。それは恵まれた立場だったが、同時に彼を苦しめもした。

「なぜ私は特別なのか。他の奴隷たちは、私と同じ機会を与えられていない」

ある日、ルキウスの人生を大きく変える出来事が起こった。彼はローマの公開市場で、奴隷の処刑を目撃したのだ。

その日、市場は普段以上の熱気に包まれていた。群衆が興奮した様子で、ある一点に集まっている。ルキウスは仕事の合間に、その様子を見に行った。

そこで彼が目にしたのは、凄惨な光景だった。一人の奴隷が、さらし台に縛り付けられていた。その男の背中は、鞭打ちで血まみれになっていた。

「市民の皆様!」執行人が叫んだ。「これが、逃亡を企てた奴隷への報いです!」

群衆から歓声が上がった。ルキウスは凍りついた。

執行人は鞭を振るい続けた。奴隷の悲鳴が市場に響き渡る。しかし、群衆は その光景を娯楽のように眺めていた。中には、子供を肩車して見せている親もいた。

ルキウスの中で何かが壊れた。吐き気を催しながら、彼はその場から逃げ出した。路地に入ると、彼は激しく嘔吐した。

その夜、ルキウスは眠れなかった。処刑された奴隷の顔が、彼の脳裏に焼き付いて離れなかった。

「なぜだ」彼は暗闇の中でつぶやいた。「なぜ人は人を所有できるのか。なぜこんな残酷なことが許されるのか」

その疑問は、やがて怒りへと変わっていった。ルキウスは、奴隷制度そのものに疑問を持ち始めた。彼は密かに、同じように考える奴隷たちと交流を始めた。

最初は、プブリウスの店で働く他の奴隷たちだった。夜、皆が寝静まった後、彼らはこっそり集まっては、小声で語り合った。

「俺たちは人間だ。なぜ物のように扱われなければならないんだ」と、一人が言った。
「自由に生きる権利は、誰にでもあるはずだ」と、別の者が付け加えた。

ルキウスは黙って聞いていた。そして、ゆっくりと口を開いた。
「私たちは、変化を起こす必要がある。しかし、暴力は答えにはならない。私たちには、もっと賢い方法が必要だ」

彼らは夜な夜な集まっては、社会の不正について語り合った。ルキウスは、自分たちの思想を「プンクトゥム(Punctum)」と名付けた。これはラテン語で「点」を意味する言葉だ。

「なぜ『点』なのか」と、仲間の一人が尋ねた。

ルキウスは答えた。「我々一人一人は小さな点に過ぎない。しかし、点が集まれば線になり、やがて面となる。我々の思想も、やがて社会を変える大きな力となるだろう」

その言葉に、仲間たちは深くうなずいた。彼らの目に、新たな希望の光が宿った。

ルキウスは続けた。「しかし、覚えておいてほしい。我々の目的は破壊ではない。新しい社会を作ることだ。そのためには、まず自分たちが変わらなければならない」

「どうすればいいんだ?」若い奴隷の一人が尋ねた。

「学ぶんだ」ルキウスは答えた。「知識は力だ。読み書きを覚え、歴史を学び、哲学を理解する。そうすれば、我々は自分たちの価値を証明できる」

こうして、ルキウスたちの秘密の学びの会が始まった。彼らは、わずかな自由時間を利用して、互いに教え合った。ルキウスは、プブリウスの書庫で学んだことを仲間たちに伝えた。

時には、自由民の中にも彼らの活動に共感する者がいた。ある若い詩人は、こっそりと彼らに筆記用具や羊皮紙を提供してくれた。

ルキウスたちの活動は、少しずつ広がっていった。彼らは「プンクトゥム」の思想を、ローマ中の奴隷たちに広めていった。その思想の核心は単純だった。

  1. 全ての人間は平等である

  2. 誰も他人を所有する権利はない

  3. 不正に対しては声を上げるべきだ

  4. 知識と教育は、自由への道である

  5. 暴力ではなく、知恵と団結で社会を変える

彼らは、この思想を広めるために様々な方法を用いた。壁に秘密のシンボルを描き、仲間たちに暗号化されたメッセージを送った。そのシンボルは、小さな点が集まって円を形作るものだった。

時には、公開の場で即興の寸劇を演じ、その中に彼らのメッセージを織り込んだ。一見すると無害な娯楽だが、その中に鋭い社会批判が含まれていた。

ルキウスは、彼らの活動を「プンクトゥム・アクティオ(Punctum Actio)」と呼んだ。「点の行動」という意味だ。それは小さくても、確実に社会に影響を与える行動を意味していた。

ある日、ルキウスは市場で、ある老人と出会った。その老人は、エトルリアの末裔を名乗っていた。

「若者よ、お前の目に燃える炎が気に入った」老人は言った。「我が祖先の言葉を教えよう。『PHNK』—これは『反逆』や『抵抗』を意味する古語だ」

ルキウスはこの言葉に強く惹かれた。「PHNK」—その音の響きが、彼の心に深く刻まれた。

その夜、ルキウスは「プンクトゥム」を「PHNK」と結びつけ、新たな言葉を作り出した。「PVNK」—これが後の「パンク」の語源となる言葉だった。

「PVNK—それは点であり、反逆であり、そして新しい世界への扉だ」ルキウスは仲間たちに語った。

しかし、彼らの活動は次第に当局の目に留まるようになった。ある夜、彼らの秘密集会が襲撃された。

「逃げろ!」ルキウスは叫んだ。混乱の中、多くの仲間が逮捕された。ルキウスは間一髪で逃げ延びたが、プブリウスの店には戻れなくなった。

彼は、逃亡者となった。

第四章:追われる身として

ルキウスは、アクアエ・セクスティアエを後にした。彼は姿を変え、名を偽って、ローマ帝国の様々な地を放浪することになった。

最初の数ヶ月は苦難の連続だった。食べ物も寝る場所も定まらず、常に当局の目を警戒しながらの生活。しかし、この経験は彼に新たな視点を与えた。

彼は、帝国の実態を目の当たりにした。華やかな都市の裏には、貧困にあえぐ人々がいた。地方では、重税に苦しむ農民たちがいた。そして至る所で、奴隷たちが過酷な労働を強いられていた。

ある村で、ルキウスは老婆から一枚のパンをもらった。「あんた、どこから来たんだい?」老婆は尋ねた。

ルキウスは一瞬躊躇したが、真実を告げることにした。「私は逃亡者です。不正と戦おうとして、追われる身となりました」

老婆は優しく微笑んだ。「そうかい。あんたの目に、希望の光を見たよ。その光を絶やさないでおくれ」

この言葉に、ルキウスは勇気づけられた。彼は旅を続けながら、出会う人々に「PVNK」の思想を伝えていった。

ある時は、過酷な労働に従事する鉱山労働者たちに。
別の時は、重税に苦しむ農民たちに。
そして、都市のスラムで希望を失った若者たちに。

ルキウスの言葉は、人々の心に火を灯した。彼らの多くは、自分たちの境遇を変えられるとは思っていなかった。しかし、ルキウスの「PVNK」の思想は、彼らに新たな可能性を示した。

「我々一人一人は小さな点かもしれない。しかし、点が集まれば、世界を変える力になる」

この言葉は、多くの人々の心に響いた。

ルキウスは旅の中で、様々な人々と出会い、交流した。彼は、自分の思想を少しずつ洗練させていった。「PVNK」は、単なる奴隷解放運動から、社会全体の変革を求める思想へと進化していった。

その過程で、ルキウスは重要な発見をした。人々は単に現状を変えたいだけではない。彼らは、自分たちの存在に意味を見出したいのだ。

「PVNK」は、単なる反逆ではない。それは、各人が自分の価値を見出し、社会に貢献する方法を模索する思想だった。

ルキウスは、この考えを「PVNK・エクシステンティア(PVNK Existentia)」と名付けた。「存在としてのパンク」という意味だ。

彼は、この新しい概念を人々に説いて回った。「君たちは、単なる歯車ではない。一人一人が、かけがえのない存在なのだ。その存在に誇りを持ち、自分なりの方法で世界に貢献しよう」

この思想は、特に若者たちの間で急速に広まった。彼らは、自分たちの個性を肯定的に捉え、それを表現する方法を模索し始めた。

ある者は詩を書き、ある者は音楽を奏で、またある者は新しい技術や思想を生み出した。彼らは皆、自分なりの方法で「PVNK」を体現していた。

しかし、この活動は当局の目をさらに引くことになった。ルキウスは常に逮捕の危険と隣り合わせだった。彼は何度も捕まりそうになったが、その度に仲間たちの助けで逃げ延びた。

ある時、ルキウスは追手に追い詰められ、崖っぷちに立たされた。彼の後ろには深い谷が口を開けていた。

「観念しろ!」追手の首領が叫んだ。

ルキウスは微笑んだ。「PVNK は不滅だ」そう言って、彼は谷に身を投げた。

追手たちが駆けつけたとき、谷底にはルキウスの姿はなかった。ただ、岩肌に「PVNK」の文字が刻まれているのが見えた。

追手の首領は歯ぎしりした。「くそっ、逃げおおせたか」
彼らは長い間谷を捜索したが、ルキウスの痕跡は見つからなかった。

実は、ルキウスは谷底に張り出した岩棚に身を隠していたのだ。追手たちが去った後、彼は細い山道を伝って谷を抜け出した。

この出来事は、ルキウスの伝説に新たな一章を加えることになる。「死からよみがえったPVNKの使徒」として、彼の名は密かに語り継がれるようになった。

第五章:思想の進化

死の危険をかいくぐったルキウスは、さらに決意を新たにした。彼は、自分の思想をより洗練させ、具体的な形にする必要性を感じていた。

ルキウスは、ある廃墟となった神殿に身を寄せた。そこで彼は、自らの思想を体系的にまとめ始めた。彼は昼夜を問わず書き続けた。時には食事も忘れ、ろうそくの明かりだけを頼りに、羊皮紙に文字を刻んでいった。

そうして生まれたのが、「PVNK・マニフェスト」だった。その内容は以下のようなものだった:

  1. 個の尊重:
    全ての人間は、生まれながらにして平等であり、尊厳を持つ。社会的地位や財産に関わらず、個人の価値は等しい。

  2. 自由の追求:
    真の自由とは、他者の自由を侵害しない範囲で、自己の可能性を最大限に追求することである。

  3. 知識の力:
    無知は隷属の源である。教育と学習は、個人と社会を解放する鍵となる。

  4. 創造性の解放:
    既存の枠組みにとらわれず、新たな表現や思考を生み出すことが、社会の進歩につながる。

  5. 連帯の精神:
    個人の自由と集団の調和は両立する。互いの違いを認め合いながら、共通の目標に向かって協力する。

  6. 非暴力の抵抗:
    暴力は新たな暴力を生むだけである。知恵と粘り強さで、平和的に社会を変革する。

  7. 永続的な革命:
    社会の変革は一度で完結するものではない。常に自己と社会を見つめ直し、より良い方向に進化させ続ける。

このマニフェストは、ルキウスの思想の集大成であった。彼は、これを多くの人々に広めたいと考えた。

しかし、文字の読めない人々も多い。そこでルキウスは、マニフェストの核心を簡潔な標語にまとめた:

「点となれ、線となれ、面となれ—PVNKは不滅なり」

この言葉は、人々の心に深く刻まれていった。

ルキウスは再び旅に出た。今度は、単なる逃亡者としてではなく、新しい思想の伝道者として。彼は市場や広場、時には密かな集会で、自らの思想を語った。

彼の言葉は、特に若者たちの心を捉えた。彼らは、ルキウスの思想に自分たちの不満や希望を重ね合わせた。PVNKは、単なる思想を超えて、一つの生き方、文化となっていった。

ある者たちは、髪を奇抜な形に整え、派手な衣装を身につけ始めた。これは、個性の表現であると同時に、既存の社会への挑戦でもあった。

音楽家たちは、PVNKの精神を曲に込めた。彼らの音楽は粗野で未熟なものだったが、そのエネルギーは人々の心を揺さぶった。

芸術家たちは、従来の美の概念に挑戦する作品を生み出した。彼らは美醜の境界線を意図的に曖昧にし、観る者に新たな視点を提供した。

そして、思想家たちは、PVNKの概念をさらに発展させていった。彼らは、社会のあらゆる側面にPVNKの視点を適用し、新たな哲学を構築していった。

しかし、この動きは当然のことながら、既存の権力者たちの警戒心を呼び起こした。彼らにとって、PVNKは社会の秩序を乱す危険な思想だった。

取り締まりが強化され、PVNKの信奉者たちは迫害を受けるようになった。しかし、それはかえって彼らの結束を強めることになった。

ルキウスは、この状況を憂慮していた。彼は暴力的な対立を望んでいなかった。しかし同時に、自分たちの主張を曲げるつもりもなかった。

彼は悩んだ末、ある決断を下した。それは、自らを権力者たちの前に差し出すことだった。

「私が姿を消せば、彼らは私の仲間たちを追うのを止めるかもしれない」ルキウスはそう考えた。

彼は、ローマへの旅立ちを決意した。そこで彼は、自らの思想を広く世に問うつもりだった。それが彼の最後の旅になるかもしれないことを、ルキウスは覚悟していた。

ローマへの道は長く、険しいものだった。しかし、ルキウスの心は決意に満ちていた。彼は旅の途中、多くの人々と出会い、語り合った。

そして、その過程で彼は気づいた。PVNKは、もはや彼一人のものではない。それは、多くの人々の心の中に根付き、独自の進化を遂げていたのだ。

「私がいなくなっても、PVNKは生き続けるだろう」

その確信が、ルキウスに勇気を与えた。

紀元前24年、ルキウスはついにローマに到着した。彼の姿は、かつての若い奴隷の面影はなく、風雪に耐えた預言者のようだった。

彼は、運命の時が近づいていることを感じていた。

第六章:預言者の最後

紀元前24年、初夏のローマ。都市は活気に満ち、至る所で建設工事が行われていた。アウグストゥス帝の治世下、ローマは黄金時代を迎えつつあった。

その喧騒の中、一人の風変わりな男が現れた。髪は長く、髭は乱れ、目は異様な光を放っていた。その男の名は、ルキウスだった。

ルキウスは、フォルム・ロマヌムの広場に立った。そこは、ローマの政治と商業の中心地だった。彼は深呼吸をし、大声で叫び始めた。

「聞け!PVNKは永遠に不滅なり!」

人々は驚いて振り返った。中には笑う者もいれば、眉をひそめる者もいた。しかし、ルキウスは構わず続けた。

「2000年後、人々は自らの身体を忘れ、魂を失う。そのとき、PVNKが人々を目覚めさせるだろう」

群衆が集まり始めた。ルキウスは、自らの思想を熱く語った。個の尊厳、自由の追求、知識の力、創造性の解放。彼の言葉は、時に難解で、時に挑発的だった。

「我々は皆、この世界の囚人だ。社会の枠組み、因習、そして自分自身の偏見に囚われている。しかし、我々には選択する自由がある。この鎖を断ち切るか、それともこのまま安住するか」

群衆の中には、熱心に聞き入る者もいれば、怒りを露わにする者もいた。ルキウスの言葉は、人々の心を揺さぶった。

「PVNKとは何か。それは反逆ではない。破壊でもない。それは、真の自由を求める魂の叫びだ。既存の価値観に疑問を投げかけ、自分自身の答えを見つける勇気だ」

その時、衛兵たちが現れた。彼らは群衆を掻き分け、ルキウスに近づいてきた。

「お前が噂の扇動者か」衛兵長が言った。「逮捕する」

ルキウスは抵抗しなかった。しかし、彼は最後にこう叫んだ。

「覚えておけ!PVNKの精神は決して死なない。それは人間の魂そのものだからだ。点となれ、線となれ、面となれ—PVNKは不滅なり!」

彼が連行される様子を、多くの人々が目撃した。その中には、若い少年マルクスもいた。彼は、ルキウスの言葉に強く心を動かされていた。

ルキウスは、マメルティヌス監獄に投獄された。そこで彼を待っていたのは、過酷な尋問だった。当局者たちは、PVNKの組織の詳細を知りたがった。

「お前の仲間はどこにいる?」
「誰が首謀者だ?」
「反乱の計画はあるのか?」

しかし、ルキウスは何も明かさなかった。彼は、PVNKは特定の組織ではなく、人々の心の中にある精神だと説明しようとしたが、当局者たちには理解できなかった。

日々の拷問にもかかわらず、ルキウスの目は輝きを失わなかった。彼は、自分の運命を受け入れていた。

ある日、一人の看守がルキウスに近づいてきた。

「お前の言葉を、外で多くの人が語っているぞ」看守は小声で言った。「特に若者たちがな」

ルキウスは微笑んだ。彼の言葉は、確実に人々の心に届いていたのだ。

しかし、当局はルキウスを危険人物と見なしていた。彼らは、密かにルキウスの処刑を決定した。

処刑の前夜、ルキウスは最後の言葉を記すことを許された。彼は、小さな粘土板に文字を刻んだ。

「PVNKは永遠に不滅なり。それは反逆でも破壊でもない。それは人間の魂の中にある、自由と創造への渇望だ。点は線となり、線は面となる。そして、その面が世界を変える。恐れるな、疑え、創造せよ」

翌朝、ルキウスは処刑された。しかし、彼の死は終わりではなかった。それは、新たな始まりだった。

ルキウスの言葉は、密かに広まっていった。若者たちは、彼の思想に共鳴し、それを自分たちなりに解釈し、実践し始めた。

彼らは、既存の価値観に疑問を投げかけ、新しい表現方法を模索した。音楽、芸術、文学、哲学。あらゆる分野で、PVNKの影響が見られるようになった。

当局は、この動きを抑え込もうとしたが、それは不可能だった。なぜなら、PVNKは特定の組織や個人ではなく、人々の心の中にある精神だったからだ。

時は流れ、ルキウスの存在は伝説と化した。彼の言葉は、時に誤解され、時に曲解されながらも、脈々と受け継がれていった。

そして2000年の時を経て、ルキウスの予言は現実となる。人々が自らの身体を忘れ、魂を失いかけたとき、PVNKの精神が再び燃え上がり、人々を目覚めさせるのだ。

ルキウスの最後の言葉を記した粘土板は、長い間忘れ去られていた。しかし、それは21世紀の考古学者によって発見される。そして、その言葉は再び世界に衝撃を与えることになる。

PVNKは、確かに不滅だった。それは、人間の魂そのものだったのだから。

エピローグ

2124年、ネオ・ローマ。

考古学者のアリア・チェンは、古代の遺跡から発掘された粘土板を興奮して見つめていた。そこには、2000年以上前の文字が刻まれていた。

「PVNK EST IMMORTALIS」

アリアは、この言葉の意味を理解するのに時間はかからなかった。彼女の目は輝いた。

「これが、あの伝説の始まりなのね」

彼女は、粘土板をそっと撫でた。2000年の時を超えて、ルキウスの言葉は再び光を浴びることになった。そして、新たな反逆の時代の幕開けを告げることになるのだ。

(了)

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