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寿命の28倍生きた弟から与えられた使命 パート3

これは毎日を一生懸命に生きて寿命を全うした弟が、私に使命を気がつかせてくれるお話です。パート1・パート2はこちらをご覧ください。


確信

世界中の人は、住む場所や言葉・文化・宗教・見た目などがどんなに違くても、みんな同じ心を持っている。世界一周を経てとても実感しました。
だからこそ、確信したのです。

「戦争や飢餓はなくすことができる」

地震や津波、竜巻などは地球が引き起こす問題だから、これを防ぐことは今はなかなか難しい。
しかし、戦争は人が戦争することを決めて、人が人の命を奪う。
飢餓の問題も、世界では全人類が食べられるだけの食べ物があると言われているのに、世界のほぼ10人に1人にあたる8億1千万人が飢餓に苦しんでいる。
一方、世界では年間約13億トンがまだ食べられるのに廃棄されていて、
私が生まれた日本では年間約612万トンが廃棄されている。
人間が作り出した不平等から起きる飢餓は人間が解決できるはずだ。

お姉ちゃん、僕、生きるよ。

私が世界の情勢に目が向き、実際に世界一周という行動をするようになったのも、もし弟がいなかったら、このような思考、行動はしていなかったと思うのです。
自分の思考・行動は、弟の影響がとても大きいのです。

弟は、心臓が5回も止まったことがあります。
何度も手術をし、辛く苦しい治療もたくさんしてきました。
呼吸器だと痰が詰まるので、20分に1回は喉に空いた穴から管を入れて吸引しなくてはいけません。
1回1回がものすごく辛いでしょう。
病気が進行し、10年以上前から、口で食べ物を食べていませんし、お水も飲んでいません。
お腹もすくでしょう。喉も乾くでしょう。
しかし、そんな中でも、決して笑顔を失わず、そして、毎日のように、力強い目で、私に訴えかけるのです。

「おねねちゃん、僕、生きるよ」

そんな1秒1秒生きることを頑張っている弟から、命の重み・尊さ・大切さを毎日毎日弟から教わっていました。
だからこそ、人が人の命を奪う戦争・不平等な分配からくる飢餓の問題を、どうにかしたいと思うのです。
弟は、世界で5人しかいないような難病を抱えていると、以前病院の先生に言われたことがあります。世界で5人といない難病の弟、私はそんな弟のお姉ちゃん。その大きな意味、大切な使命を、小さい時から考えていました。

世界で5人といない難病を持ちながらも、誰よりも強い体で1秒1秒を一生懸命に生きている弟。そんな弟の姉の私の使命
「命の大切さを伝えること。」
そうすることで、世界中から戦争と飢餓をなくすこと。
弟がこんなに一生懸命生きているのだから、姉の私も頑張らないわけにはいかない。

世界で5人といない難病の弟の姉の決意

世界一周から帰ってきたら、弟も、元気に待っていてくれました。目があうとすぐに笑いかけてくれたので、忘れられてなかったのだと、安心しました。

世界一周帰国日

世界一周帰国後

世界を周った時の経験を通じて命の大切さを伝えていくために、企業や日本各地の幼稚園・小学校・中学校・高校・大学で講演活動をはじめました。
また、これから海外に行きたい方向けの世界一周セミナーなども開催するようになりました。
経験は伝えることで価値になる。

小学生への平和を考える講演


チアリーディングも帰国後すぐに再開し、被災地や養護施設・特養などでチアリーディングを通じて笑顔を届ける活動に加えて、プロスポーツのチアリーダーとしてもパフォーマンスしました。

被災地でのチアリーディング

私は海外でもチアリーディングパフォーマンスがしたいと強く思っていたのですが、なんと帰国してから2年後、インドのデリーで行われるイベントにてパフォーマンスをする機会をいただけました。
集まったチアリーダーは100人近く。とても心踊らせていいました。

そんな矢先、父が家で急死したのです。私を常に応援してくれていた父。
冬でもアロハシャツに短パン姿でいつも元気だった父。世界一周に行くと伝えたときも、地球にお嫁に出すつもりでいると言ってくれていた父。
原因不明の、あまりに急すぎる旅立ちでした。父が亡くなった2日後が初めてのインドに向けての練習でした。悲しい気持ちを笑顔に変えて練習に向き合いました。

インドでパフォーマンスの会場に着くとそこには地平線の向こうにまで観客がいるのではないかと思うくらいの人。
世界中からパフォーマーが集まってきていました。彼らとの交流もとても心踊りました。
そしてステージに上がり、私たちの音楽がかかると、緊張が吹っ飛び、この場で、このメンバーで演技ができていることに心から幸せな気持ちでパフォーマンスができました。

巨大ステージ、見渡す限りの人

この機会がなかったら、父の急な旅立ちに立ち直れななかったのではないかと思うと、チアに救われた思いでした。言葉を必要としない音楽やダンス、アートは国境を超える。チアが持つ可能性も、改めて感じました。

もう触れることは出来ないし、お話しすることは出来ないけれど、いまでも、父の温かい愛につつまれている気がしています。

自分のやりたいこと・できることを模索して

インド帰国後も、チアや講演活動を続けながら、国際協力NPO法人でのアドミ業務等を行なっていました。
世界一周のセミナーに来てくださった方をお家にお招きするホームパーティーも頻繁に開催し、弟と一緒に空間を楽しむことができました。弟は賑やかな場所や人の笑い声が大好きなのです。

また、スリランカの日本語学校で日本語を教えながら孤児院でのボランティア活動や、エチオピアの病院やリハビリテーション施設でチアリーディングを通じて笑顔の時間の共有などを行ったりと、海外での活動も続けてきました。
命の大切さを伝えて行くために、たくさんの人と笑顔の時間を共有するために、人自分がやりたいこと・できることを必死に模索し実行に移して行きました。

スリランカの日本語学校の生徒さんたちと
エチオピアの村の子供と一緒にチアリーディング

「寿命の28倍生きた弟から与えられた使命」 パート3に続きます。

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