【夏の読書感想文】君の膵臓をたべたい

今回この本を選んだ理由は、以前からタイトルにある『君の膵臓をたべたい』というのはどういう意味なのかが気になっていたので選びました。

今回は電子書籍ではなく何年も前に購入していた文庫本が手元にあったので久しぶりに紙媒体で読みましたが、暗闇で読めないのは不便ですね。
手元を照らせるクリップライトが欲しくなりました。
でも本を読んでる実感があってよかったです。

君の膵臓を食べたいは膵臓に病気を抱え、余命1年を宣告されている山内桜良と偶然その事実を知ってしまった主人公との関わり合いのお話です。
桜良は病気のことを家族以外には話さずに過ごしていました。
ある日、病院にいた主人公は置き忘れられている「共病文庫」をたまたま見付け手に取ります。
「共病文庫」には膵臓の病気であることと、それによって死んでしまうことが書かれていました。
そしてその「共病文庫」の持ち主がクラスメイトの桜良であることを主人公は知ってしまいます。
今までクラスメイトでありながら関りのなかった2人のやりとりがスタートします。

プロローグでいきなりタイトルでもある『君の膵臓をたべたい』という言葉が出てきます。
それは主人公が桜良にメールで送った言葉であり、桜良が言った台詞でもあります。
ところどころで色々な意味を含んで本文に何度も出てきます。
私がこの本を読み始めるきっかけが『君の膵臓をたべたい』とはどういう意味なのか気になるだったのが、
なぜ主人公はそんなメールを送ったのかに変化し、
桜良はなぜそんなことを言い出したのかが追加されていきました。

それとは別に考えさせられたのは、もしも余命1年を宣告されていたらどう過ごすかということです。
桜良のように家族以外の誰にも言わず普通に過ごすことはできるでしょうか。
きっと私は身体が動く限り行ってみたいと思っていたところに行ってみたり、
会いたいと思っている人に会いに行くと思います。
そんなイレギュラーなことをするためには周りに隠すのは難しいでしょうし、
性格上上手く隠せる自信がありません。

この本のメインの登場人物は主人公と桜良です。

クラスの中でも明るくハツラツとしていて、色々な人と関りを持つことが好きな山内桜良は、
自分一人では自分がいると分からない、みんながいるから自分が形成されていると言います。

本文の中では【秘密を知ってるクラスメイト】【大人しい生徒】【地味なクラスメイト】【仲のいいクラスメイト】など相手によって色々な呼ばれ方をしている主人公は、
インドアで読書が好きで、相手が自分をどう思っているかは自分の中で想像して完結してしまうタイプの人です。

本文の中でも書かれていますが、
2人は本当に相反するタイプの人で様々な場面で意見も分かれるほど違うタイプの人です。
でもぶつかり合い嫌いあうわけではなく、
逆に自分にないものを相手の中に見つけ出し惹かれあっていきます。
自分と全く違う相手を受け入れ、自分にない良さを認められるという部分は2人の共通点ですね。

主人公の不器用な面が目立ちがちですが、
どちらにも不器用な面があり見ていて可愛いなと思うポイントでした。

積極的に人と関わって生きていくこと。
自分を見つめて他人からの評価は気にせずに生きていくこと。
どちらかだけではなくどちらも必要なことだと思います。
そしてその2つのバランスが大切なんだろうなと考えさせられました。

人と関わることによって見えてくる自分もいますし、自分を見つめることも大切です。
人から評価されることは悪いことではなく自分の価値を自覚出来る機会ではありますが、
それだけが全てだとは思いません。

自分が心地よいと思えるバランスで過ごしていけるのが1番いいですね。

次は電子書籍でデミアンとアルケミスト夢を旅した少年をダウンロードしてあります。
どちらを読もうかな。

ではまた。

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,135件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?