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自分を開け、他人を受け入れろ |言葉の企画 6.13

たまに、理解することよりも
誤解することの方が、ずっと楽な時がある。

大学の後輩じゅの の言葉。

韓国から来て、美大を出て、日本で働いている男の子。

去年、小さなギャラリーでことばの展示をしていた。

ノートにしたためた言葉を展示していて、そのひとつをもらってきた。

大事なことなので、忘れないように家の壁に飾ってある。



はじめまして。あべ まなみと申します。


阿部広太郎さんBUKATSUDOさんと開講している
言葉の企画2020に参加しています。

きっかけは昨年8月末。
下北沢のB&Bでやっていた
「企画でメシを食っていく2019」の中間報告会でした。
企画ってなんだろう、
私はいつになったらプロになれるのだろう
仕事で抱えていたもやもやを胸に、
テクニカルなものを期待して覗いたイベント。

手垢のついた表現ですが、
いい意味で裏切られた
答えのないイベントでした。

阿部さんをはじめ、
2019企画生のみなさん(芝山さん、菅原さん、森下さん)
それぞれの葛藤を胸に、
自分を主体に生き生きと企画をお話されていました。
細かい職能はもちろんあるけど、
企画を職と名乗るのは、
誰かに見初められることじゃない、覚悟なんだな…
そう感じたのを覚えています。

待っていても、はじまらない。


はじまった、未来で待ち合わせ

世界がとんでもないことになってしまった、今年の5月。
先の見えない日々の中、
「未来で待ち合わせをする」言葉の企画2020がはじまりました。
zoomを使った講座、ではなく、未来で会うための準備期間。
阿部さんの強い意思を感じる講座…
スキルも年齢も不問。選抜ではなく先着。
迷わず、とはいかず。半日迷い続けて、急いで申し込み。残り3名、ギリギリでした。
とにかく自信がなかった。

●100人に手書きの招待状
申込後、届いたのは懐かしい手折りの招待状と、阿部さんの書籍「超言葉術」。
手紙は、中学生の時に嫌という程折った折り方…
見た瞬間に、懐かしさとその先の優しさに胸がいっぱいになりました。
「会えない」という状況で、心の距離を近づけるために。
手紙の折り方ひとつでも、強く優しい意思を感じて
ぐっと一気に引き込まれました。
(そして、どれくらい時間がかかったんだろうと…)

●1000本のコピー、100枚の赤字、1通のメール
・企画生100人×10本=1000本のコピー。
 つくる、みる、えらぶ筋トレ。ずっと高揚しながら読みました。
・阿部さんからの赤字は、信じられないくらい真摯で…
 魅力を感じる力、引き出す力。
 100人分の赤字を何度も見直しました。
・講義後に阿部さんからいただいたメッセージ。
 個別に「見ているよ」という1対1の言葉の強さ。
 思い出せるくらい短い言葉、誤魔化しがきかない言葉…。
 お守りになりました。
 (そして、絶対的に忙しい中、それを実行される意思にまた打たれました。)

●感動メモ
企画生と阿部さん、BUKASTUDOの平賀さん、
先輩の間で回される感動の共有。(別名スプレッドシート)
視点を共有する方、過程を共有する方、
100人分のコメントを書かれている方(パワフルすぎる)
感動の中にたくさんの解釈があり、
講座前後でなんども保存して見返しました。

そして迎えた講座初回。

痛すぎる実感…


放心状態になった2時間+αの講義後。
事後課題は、初回の感想をnoteに書くこと。

-どうしよう、感想が書けない。

迷い続け、そして締切を大幅に遅刻。恥ずかしい。
書けば書くほどまとまらない言葉。恥ずかしい。
なにより、自分を出すことがこんなにも恥ずかしい。

正直…作ったものを見てもらえればいいと思っていました。
自分の名前が見えなくても、いいものを作れるようになればいい。
でも、作るものに自分が乗らないことなんて、ない。

初回の講座で痛いほど実感しました。
自分がなにを良いと思うか、嫌だと思うか
楽しいと思うか、つまらないと思うか、
無意識を言葉として引き出す時、自分の価値観が露わになる。


「他人と出会って、自分になれる」


初回で忘れられなかった言葉のひとつ。
壁に貼ってある言葉を見てみる。

-たまに、理解することよりも
 誤解することの方が、ずっと楽な時がある。

そうか、これは自分が相手を誤解することだけじゃなくて
自分を伝えられないことも含まれているのかも。

まっすぐに見据えていないと
相手の言葉を取り違えてしまう。

そして、
私が自分を開いていないと
私の言葉も伝わらない。

「自分を開け、他人を受け入れろ。
 斜に構えている場合じゃない。」
阿部さんの言葉がリフレインしました。

ひとり相撲はもうやめないと。

理解
1 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。
他人の気持ちや立場を察すること。
3 「了解2」に同じ。
  →ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。

誤解
ある事実について、まちがった理解や解釈をすること。
相手の言葉などの意味を取り違えること。思い違い。

(出典 小学館デジタル大辞泉)



さいごに:自己紹介

普段は、ディレクターとしてプランナーとアートディレクターの間を行ったり来たりしています。
(名乗るにも覚悟が必要…。あやふやな自分が怖いです。)

●ずっとあべちゃんと呼ばれていました。

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自己紹介の企画では、阿部さんに乗っかる形でコピーをつけました。
100人いるという場に救っていただいたのですが
もっと自分を出さないといけないと思いました。

阿部さんと苗字が重なっているだけではなく…
名付けの力。覚悟。
言葉の企画では下の名前で
いつもとは違う気持ちで、
自分らしさを見つけたいと思いました。
だから、下の名前で呼んでもらえると嬉しいです。
(あと…訂正するのも恥ずかしいのですが、年齢間違えまして…28です。)


●心から離れない仕事=一生忘れたくない出会い
夢のようなご縁があり、絵本を出版させていただきました。

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みてみてミラー ¥800+tax
かがみをあてると、なにがでてくるかな?
三角形のカードに二つ折りの鏡をあて、
出てくる絵を見つけて遊ぶカード絵本です。
(あわせ鏡の虚像を利用しています。)
がらがらポン¥800+tax
くみあわせるって、ふしぎでおもしろい!

動物の「もよう」と「かたち」が分かれているカード絵本です。
重ね合わせると、さまざまな動物があらわれます。
(自由な組み合わせも探して楽めます。)
ぐりぐりスケッチ¥800+tax
みのまわりのもようをさがそう!
日常生活の中には、おもしろい素材や形がたくさんあります。
身近なものをエンボスカードにした「こすり出しあそび」のセットです。
(昔、木の幹に紙を当てて、鉛筆やクレヨンでこすりませんでしたか?
 あれを印刷技法で再現しました。特に畳が力作です。)

企画・デザイン・製造まで一年ほどかけて制作した、とても幸せなお仕事でした。
(アイディアは先輩方と出し合い、デザインは「みてみてミラー」のみ担当。製造では本当に各所にお世話になり…初めて印刷立会いで印刷所に寝泊まりしました。)

尊敬できる方々との出会いの中で、知識、経験、そして愛情を注がれ
企画が転がるように膨らんでいく…
一人ではとても行けなかった場所までたどり着くことができた仕事です。
(力量不足でずっと悔し泣きしていた。今でも、思い出すのが苦しいです。この気持ちも忘れたくない。)


●伝わる企画を、正面から向き合う力を
「他人と出会って自分になれる」
阿部さんの言葉に、胸がいっぱいになりました。
阿部さんから、みなさんから
伝わるとはなにか…誠実さを、実直さを、貪欲さを、
たくさん学ばせてください。
どうぞよろしくお願いします!


想像以上に長くなってしまいました…。
お読みいただき、本当にありがとうございます。

#言葉の企画
#言葉の企画2020

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