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チョンセ難の部屋探し~築25年のアパートの話⑤

こんにちは。ゆかいです。韓国での引っ越しや住居をテーマに回想録を書いています。

前回の話はこちら。

今回は、チョンセ高騰で再契約できず引っ越すことになったときの話。

チョンセ難の部屋探し

韓国の賃貸制度は2通り。一定額を大家さんに保証金として預け、借りている間は1円も家賃を払わずに暮らせる「チョンセ」と、「保証金プラス家賃」。

ちょうど2人目が生まれた2013年は、首都圏近郊のチョンセ相場がうなぎのぼりだった。うちの場合も例外なく、再契約には高額のお金が必要という事態になった。

家の購入は投資・賃貸暮らしは大変

韓国人にとって家の購入は投資の一つだ。価値が上がったら売って儲けようと考える人たちが多い。だから、平凡なサラリーマンでも複数家を持ち、人に貸している人がいる。

普通のサラリーマンが複数の家の購入をどのように行っているのか?と思うかもしれない。とてもシンプル。入居者から預かったチョンセ金を次の購入資金の一部にあててローンを組む。そして、家の価値が上がるのを待って、売却する。

値が上がると分かっているからできるわけだが、すごい…。

大変なのは持ち家なしの賃貸暮らし(←我が家)。

再契約ごとに必ずと言っていいほど高い相場のチョンセ(保証金)が必要になるからだ。

1億ウォン上乗せされたので引っ越すことに

1億ウォン(約一千万円)保証金を上乗せされて再契約を迫られたので、仕方なく引っ越すことになった。

南向きの低層階の部屋は、トイレの配管問題に目をつぶれば申し分なかったし、居心地がよかった。でも、大家さんはやっぱり近辺の類似物件より高く盛ってきた。

既に上の子は幼稚園生。遠くに引っ越して、再び友達も家族のいない土地で新生活を始めるのは面倒過ぎた。そこで、近所で別の部屋を探すことにする。隣りの団地とか隣の棟とか…歩いていける範囲で部屋探し。

ところが当時はチョンセ物件の空きがあまりなく、あってもすぐに契約されてしまう状況。

物件が見つかると、私が部屋を見に行った。夫は多忙で時間がなかったため、不動産屋のおばさんから連絡がくると、出かけるというパターンを繰り返した。

私が部屋を見て気に入ったら、夫が早めに帰宅できたら夜見に行くという流れ。

ぶっちゃけ部屋なんて…

どこでもいいから部屋が早く決まればいいと思っていた。

当時の私は、1歳にならない息子と保育室に通う娘をワンオペで育てていたので、部屋のことまで気が回らなかった。子供を連れて部屋を見に行くのが大変。息子をおんぶして動きまわらなければならない。

人が暮らしている部屋を見に行くので、玄関のベルを鳴らして「失礼します」と挨拶して他人の生活空間に入っていく。

韓国では、部屋探しに人が住んでいる家を内見する機会が多い。当時の私は「息子が騒ぐのではないか?」「粗相したら?」などと心配ばかりしていた。

チェンセ金額すえ置き物件に出会う

ある日「チョンセ額すえ置きの物件があるけど見るか?」という話があがった。もちろん「行く」と即答。今のチョンセ額で借りられるという。

ただし、大家さんが部屋を修繕しないので「借主が好きに直してください」という物件だった。

実際に部屋をみて驚いた。

古い。築25年くらい(?)なのに一度も修繕したことがない部屋だった。素人目にも直さないと誰も入らないだろうと思われる物件。

さすがに現状のまま暮らすのは厳しいと思った。壁紙はしみだらけだし、キッチンも古びた様子。

レトロな雰囲気ではなく、ただ黄色い…黄ばんでいる。ここに住んだら人間も老朽化しそうだ(笑)。

修繕費用は入居者もちで…なるほど。

大家さんが新築分譲当時から住んでいた部屋だった。年季の入った家具やごちゃごちゃとした物であふれかえっている。

でもトイレは詰まらないし……ぶっちゃけ内見するのはもう疲れた!!

早く部屋を決めたかった私は、夫に連絡。その日帰りが遅かった夫は部屋を見ることなく契約した。

地域で最も安いインテリア業者に修繕依頼

賃貸なのに高額な修繕はさすがにもったいない…。

だって、大家さんの事情で入居者が退去を迫られた話はたまに聞く。直すだけ直して退去を迫られたら…?そんなリスクがないとは言いきれない。

ということで、不動産屋のおばさんに格安のインテリア業者を紹介してもらい、一緒に見に行った。そこで彼女のアドバイスしてもらいながら一緒にリビングと子供部屋の壁紙を選ぶ。キッチンも新装することになった。

契約してひと安心…内見ラッシュ到来

安心もつかの間、今度は住んでいた家の内見ラッシュがきた。でも、チョンセが相場より高いので契約は難航した模様。

不動産屋のおばさんによると、100%チョンセをやめて、保証金額を下げて家賃契約にするとかしないとか…?いろいろ話があったようだ。

大家さんは強烈なおばあさん。この時喧嘩したかどうかは知らないけど、入居者がなかなか決まらなかった。

不動産関連の契約に喧嘩はつきもの。自分は喧嘩に強いと自負する不動産屋のおばさんがうまくネゴしている様子だった。

私はというと、次の人が決まるまで他人に部屋を見せ続けた。

部屋で授乳していようが寝ていようが、娘が帰ってきておやつを食べていようが「10分後に見に行くから部屋にいてくれ」と電話がかかってきた。

最初は「はいはい」といって見せていたけど、最終的には私も怒って「見に来るな!」と言った。そのうちに大勢の内見者のうちの一人が契約したようだった。

住まいに関することは慎重に

当時はチョンセ難だったので、バタバタと次の部屋を決めてしまった。

でも、急いでいたからか慎重さは欠けていたと思う。修繕を依頼した業者には、引っ越し前日に突貫工事されるというオチが…(苦笑)。

(次回につづく)

1000字のつもりが、思い出すことが多く2000字をこえてしまいました。最後までお読みいただきありがとうございます!


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