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DNA実験といえばTE #00077

大人気緩衝液シリーズ第四弾。今回も実験室にある緩衝液を掘り下げています!紹介する緩衝液は「TE」。PCR等々、核酸を扱う実験では必ず使います。合成オリゴを購入した時なんかも、TEに溶かした状態で納品されたりもしますね。どうしてTEはDNA実験と相性がいいのでしょうか??動画で学んでみましょう(中富)。

 TEのTはトリスバッファーの”T”です。TEバッファーには緩衝作用のあるトリスが入っているので、pHを一定に保つことができます。急激なpHの変化はDNAを沈殿させてしまうので、緩衝作用を持つことが必要です。

 TEのEはEDTAの”E”です。EDTAはキレート作用を持ち、溶液中の二価の陽イオンを捕捉する作用があります。DNAを分解してしまうDNase1などの酵素はMgイオンの存在下で酵素活性を発揮するので、Mgイオンをなくすことで酵素を阻害してしまおう、という作戦です。

00:50 TEってなんの略?
01:42 TEの用途
02:34 TEのTはTrisのT
04:02 TEのEはEDTAのE


補足・訂正

 動画中に出てきたEGTAはグリコールエーテルジアミン四酢酸というキレート試薬のことです。Mgイオンよりも、CaやCdイオンに選択的に結合するキレート剤です🧪


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