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Deep Dive

恋は本当に盲目で。
6月の少し頼りのない雲の夜、久しぶりに好きが顔を出してきて。


恋とか愛とか
初めてそれを知ったのは確か小学生の頃。
きっかけなんて覚えていないし、そういう頃の好きの理由はなんとなくなんじゃないかな。

福神漬けたっぷりの辛口カレーライスが何で好きなのかなんて聞かれても分からんのとおんなじで、小さな頃の好きレベルはこんなもん。

今日の空は気持ちがいいなとか、自然の中でぼーっとしたいなとか、クレヨンでこんな絵を描きたいなとか。
子供の頃は感じさせられていたり、やらされていただけだけど、今は感じたかったり、やりたかったりに変わっていて。それに気がついた僕になってから恋も知って。そしたら眠れない夜がたくさんやってきた。

恋なんてことをすると偏差値が0になってしまう。だから、こんなくだらないことで傷つくことをやめたいといつもいつも思う。(でも、本当の愛を知っているからくだらないなんて思ってないのが一応本心。)


あの深く沈み込むように2人の色がとろけて混ざり合いだす、何か始まる予感がする時の心の感覚が好きで。そうやって癖になってまた始めてしまう。

お酒に酔ってタバコの匂いにとろけて、駄目なキスで身体を合わせて夜にしがみついて。
「こういうことする時しか吸わないの。」
「だから知ってるのは・だけ。」
「それはそれは光栄です。」

だから終わりが来てしまい目に見えない傷がまた一つ増えて行く。
よくある恋愛映画のような素敵な結末はいつまで経ってもやってこない。


『始まりは、終わりの始まり。出会いはつねに別れを内在し、恋愛はパーティーのようにいつか終わる。』

『花束みたいな恋をした』そこで見た言葉。

好きなことをしている時
「あぁ、今日が終わらなければ良いのに」
そんな風に思う。

そうやって1日の終わりの様な時間に寂しい夜がいつもわざわざおいでなさって、生ぬるい風や気温やそんなナニカで僕たちの心に寄り添ってくれているふりをするんだ。

「ぼくはどうしたらいい?」


そんな風に問いかけてみると、
そばに居たはずのナニカは

「うーーん、つぎのパーティーをさがせばいいと思うよ。」
「だいじょうぶ、それらはすてきなおもいでになるはずだから。」

なーんて中途半端な優しさだけを置いて雲に吸い込まれに行くんだ。
結局また1人にされる。

そんな夜は大体ラジオを聴く事が多い。
ぎりぎり聞こえるか聞こえないかの大きさに音をセットして身体がベッドに沈んでいくのを、
目を閉じて待ってみる。

人はいつか死んでしまうけど
そんな事にはすっかり目を向けず。
貴方と繋がり、しがみつき、ときめいて、歯車を回転させ続ける。
僕のそれが回ってゆく速度は
心が愛で揺れるほど止める事ができなくなる。
だって恋は愛で満ち溢れ続けるから。
そんな少しのきっかけで想い続けることができる。
夢中になって、見つめあって、美味しく味わい続ける事ができる。

「それを見つけられたなら命懸けな。」(熱いねえ)
甘くてとろけるナニカを頬張って、飽きたら違うお菓子を見つけてまた美味しい、幸せだって言いながら適当に舐めあって。

「好きじゃなくなった、ごめんね。」
(本気にされても困るよ)
(全部どうせ愛のせいなんでしょ)
(愛って何だよ、都合良すぎなんだよ)

何かのせいに出来るなら、
傷がまた誰かに刺さって青い血が溢れるのなら、歌舞いてゆらゆら風の赴くままに飛んでたほうが良いんだなんて。そうやってまた朝に溶かされて人と向き合うのをやめてしまう。



本物の恋が分からなくなっている。
考えすぎると感情がゲシュタルト崩壊を起こすらしい。


悩んでいるとは断言できない。
単純な好きってだけで胸に飛び込めればいいのに。
むしろこれは心に革命を起こす合図なのかもしれない。

今日の空は何を語りかけてくれるのだろうか。
雲の陰に隠れた月は、希望を、夢を、僕らの気持ちを、全てを遮る事を望んで居るかのようにじっと見てくる。
そんな顔した白い雲たちは深く眠りについた真っ黒な雲と混ざり合い、境目が分からないほど馴染んでて。

それらは本当だったら正反対の白と黒。
夜の空に頼ってみた時だけ、混じり合って僕たちを混乱させて見つめてきた。

”気持ちをはっきりさせなくても良いよ。”
”今のまま踊り続けていきなよ。”
”楽しいことしようよ。”

なんて合図なのかもしれない。

混ざりあい、とろけあい出すための時間をたっぷりつくって、焦らず私色に染めていこうよ。
虜にさせて、飽きたらまたいつもみたいにさよならすればいい。

やっぱりそっちの合図なのか。



愛を意思として捉えて。
単純でいいの、簡単でいいの。
運命を、未来を、明日を、心のままに進めていこうじゃないか。

この恋がいつかの別れを内在しているなんて承知の上。
会いたい人には会えばいいの。
好きな人にはありのままな愛を溢れさせて、今日も僕は素直に生きて。

Deep Dive
恋は自分を深く知れるから、ぐちぐち言いながらも嫌いじゃない。
でも溺れすぎたら危ないから、自分の心が満たされる方法は忘れずにね。

それから貴方の心にときめこうじゃないの。


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