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新しい経営システムが必要なワケ 日本の労働生産性の低さは、先進国から衰退国へ

労働生産性、つまり、働いたらどんなに付加価値(利益のようなもの)を生み出すか? どうせ1時間働くなら、たくせんの付加価値があった方が、豊かですよね?日本の労働生産性、失われた30年で、どう変化したのでしょうか?    

実は日本の労働生産性は、やがて韓国などの中進国に追い抜かれそうです。先進国の仲間入りをしたのですが、このままでは地球初の「衰退国」に移行するのかもしれません。


労働生産性とは

公益財団法人 日本生産性本部によりますと、労働生産性について次のように定義しています。

【労働生産性は「労働投入量1単位当たりの産出量・産出額」として表され、労働者1人当たり、あるいは労働1時間当たりでどれだけ成果を生み出したかを示すものです】

また、次のようにわかりやすく解説しています。

【「労働生産性が向上する」ということは、同じ労働量でより多くの生産物をつくりだしたか、より少ない労働量でこれまでと同じ量の生産物をつくりだしたことを意味します】

少し堅苦しくなりましたが、おおよその意味はわかったでしょうか?

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ただ、国によって統計の取り方が違っています。正確に比較することはできません。全体のイメージを掴むという程度がちょうどよいと思います。


GDP規模の大きな国の労働生産性2018年

別の記事で日本のGDPの推移を2019年現在と1993年バブル崩壊後で比較しました(最後にリンクあります)。労働生産性は、2018年と1995年を比較してみます。ルクセンブルグやアイルランド、ノルウェーなどの小規模な国の数値が高いので、GDP上位15カ国だけを選んで記載します。ただしデータはOECD加盟国なので中国やインド、ロシア、ブラジルはありません。

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【2018年 GDP規模の大きな国の労働生産性】

OECD36カ国の中の順位 国名 労働生産性

まずは、10万ドル以上の国から

3位 アメリカ 132,127(US$)
8位 フランス 111,988
11位 イタリア 108,890
12位 オーストラリア 107,538
13位 ドイツ 106,315

つづいて、9万ドル以上の国

17位 スペイン 96,010
18位 カナダ 95,553
19位 イギリス 93,482

9万ドル未満の国

21位 日本 81,258
25位 韓国 77,219
36位 メキシコ 46,717

OECD36カ国平均 98,921


ちなみに1位アイルランド(178,879)、2位ルクセンブルグ(153,423)、4位ノルウェー、5位スイス、6位ベルギーです。日本は韓国に肉薄されています。

イタリアやスペインでも、日本の2割増しの生産性なんですね・・・
思ったより高いです。

メキシコは、先進国というより中進国というレベルのようです。

ちなみにこの記事の数値は次のサイトから引用しています。労働生産性の国際比較


GDP規模の大きな国の労働生産性 1990年

30年前の労働生産性はどうだったのでしょうか?


【1990年 GDPの規模の大きい国の労働生産性】

1990年のOECD加盟国は26カ国です。

OECD加盟国の中の順位 国名 労働生産性

4万ドル以上の国から

2位 アメリカ 50,198
4位 イタリア 49,751
5位 ドイツ 47,680
7位 フランス 44,500
10位 カナダ 42,842
12位 スペイン 41,268

3万ドル以上の国

14位 日本 38,668
15位 オーストラリア 38,620
18位 イギリス 35,645

3万ドル未満の国

21位 メキシコ 26,762
26位 韓国 19,612

OECD26カ国 平均 45,901


1990年というとバブル時期です。このころでも、日本の労働生産性はOECD平均より低かったようです。

イタリアが案外高いのには少し驚きました。ドイツより上で、アメリカに肉薄しています。イギリスは低迷期だったようで、日本を下回っています。しかし、2018年ではイギリスは日本を超えています。案外、変化もあるようです。

1990年当時、韓国は日本の半分の生産性でした。この後、韓国は急成長することになります。

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労働生産性 28年間の成長は?

経済規模の大きな15カ国のうち、OECDに加盟する11カ国の28年間の伸びを計算してみました。

【まずは2018年の労働生産性の高い順に】

順位 国名 労働生産性 (伸長率:倍)

3位 アメリカ 132,127 (2.63)
8位 フランス 111,988(2.52)
11位 イタリア 108,890(2.19)

12位 オーストラリア 107,538(2.78)
13位 ドイツ 106,315(2.23)
17位 スペイン 96,010(2.33)

18位 カナダ 95,553(2.23)
19位 イギリス 93,482(2.62)
21位 日本 81,258(2.10)

25位 韓国 77,219(3.94)
36位 メキシコ 46,717 (1.74)


【次に1990年から2018年の伸びの長い順に】

順位 国名 労働生産性 (伸長率:倍)

25位 韓国 77,219(3.94)
12位 オーストラリア 107,538(2.78)
19位 イギリス 93,482(2.62)

3位 アメリカ 132,127 (2.63)
8位 フランス 111,988(2.52)
17位 スペイン 96,010(2.33)

13位 ドイツ 106,315(2.23)
18位 カナダ 95,553(2.23)
11位 イタリア 108,890(2.19)

21位 日本 81,258(2.10)
36位 メキシコ 46,717 (1.74)

労働生産性は30年間で、多くの国が2倍以上に伸びました。日本の伸びはやや低い方です。というかメキシコを除けば、最低の伸びでした。ちょっと残念です。

韓国の生産性の伸びが、高くなっています。日本もそうでしたが中進国から先進国に移行する時期に生産性は伸びます。韓国はその時期にあたるようです。この調子が続けば、日本より生産性が高くなるかもしれません。


労働生産性が低い理由は

労働生産性が低い理由はいろいろあると思いますが一例を挙げると次の通りです。

・無駄に労働時間が長い

・効率の悪い仕事の進め方をしてる

・儲からない仕事を続けている

・働きの悪い従業員がいる


まあ、そんなところでしょうか。

労働時間は昔より短くなったと思うのですが、結果として労働時間あたりの伸びは先進国最下位です。


「働くという概念」あるいは「企業の経営の仕組み」は昭和時代から変わっていません。日本人の働き方がお手本とされた時代もありましたが、残念なことに今はその面影はありません。

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新しい経営の仕組みが求められている

無駄に危機感を煽っているのではありません。自分たちの働き方を客観的に見て欲しいだけです。

多くのビジネスマンは企業の中に入ると、企業の中の立ち位置、企業の中での評価、企業の中の仕事のやりとりに追われます。自分の所属する企業が大手であれば、中小より「まし」なはずと思ってしまっています。

でも、大手であれば、世界を圧倒するような生産性であって欲しいのです。いや、少なくとも、先進国並みの生産性であって欲しいのです。
十分な給料をもらい、十分な休暇をもらい、しっかり、お金を使ってください。

そして、世界中に、日本の商品やサービスを使ってもらってください。

そのためには、大手企業の経営のレベルを上げることが必要です。誰がやるのか?今の経営者たちではなく、次世代の経営陣の候補であるあなたです。優秀な人材が豊富な大企業の生産性が上がれば、日本全体も上がっていくでしょう。

今の会社の仕組みのまま、出世してもたかが知れています。新しい経営を目指しましょう。

いやいや「出世するだけでも大変なのに・・」と、思うかも知れません。

このnoteでは
(1)次世代の経営システム「経営3.0」をマスターしてもらう
(2)マスターした人に大企業で出世してもらう

この2つをテーマにしています。


新しい時代の経営をマスターしてもらうだけでなく、令和の日本経済を担うために出世してもらう必要があります。そこまでサポートします。


楽しみにしていてください。


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