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大企業で出世する方法(3)3つのルート

出世というと、多くの人は1つ1つ階段を上っていくルートをイメージします。


実は出世には3つのルートがあります。
それを知ることで「上司とソリが合わないから無理」などと諦めることがなくなると思います。


出世の3つのルート

出世のコースは3つ。

1つは、通常の出世でこれを「基本出世」と私は呼んでいます。

もう1つは、部署を超えて抜擢される出世で、私はこのコースを「ナナメ出世」と呼んでいます。

最後の1つは、経営幹部が引っ張って出世させるコースで、これを「ピックアップ出世」と呼んでいます。


それでは、3つのコースを紹介します。

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普通の出世「基本出世」とは

普通、部署内で評価されて、一歩一歩出世の階段を登っていきます。

新入社員は横並びでスタートですが、仕事を覚え、業績を上げた人は評価が高くなります。そして、出世していきます。

まあ、当たり前のコースです。


この出世は、営業なら営業、経理財務なら経理財務というように、会社の一部門だけを経験していくことが特徴です。その部門に精通し、その部門を動かすことができる人がその部門のトップになるわけです。


一歩一歩階段を登っていくので、重役になるまで、時間がかかります。また、会社全体を見てこないため、全社的な経営感覚は持てないという面があります。

営業が苦手なのに営業に配属された人、営業の才能はあるのに社風に合わないタイプだったりすると、評価されず、出世はできません。あくまでの既存の枠組みで評価される人が出世していきます。


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抜擢人事「ナナメ出世」とは

新しいプロジェクトが始まるとき、既存の部署を超えて異動するケースがあります。

この異動で、いきなり職位が上がることは少ないのですが、プロジェクトが成功すれば、間違いなく出世コースです。


例えば、次のようなケースです。

(1)新たに海外進出するので、現地の法律、風土・文化、語学に長けている人が抜擢された。

(2)環境に配慮した取り組みをするために、部門を超えたメンバーが集められた

(3)新規市場を開拓するためのプロジェクトチームが発足した

(4)部門を超えて仕事の進め方を見直すオペレーション改革に着手することになった


このようなとき、既存の部署で、既存の評価を受けている人だけでなく「そのプロジェクトに最適な人材」も抜擢されます。


例えば、

(1)営業成績は中くらいだが、新規進出するカンボジアに、何度も旅行に行っており、現地語もマスターしているAさんが抜擢された。

(2)学生時代に環境について学び、現在でも他企業のSDGsの取り組みを研究していたBさんが環境プロジェクトに抜擢された。

(3)他業種の企業のメンバーと勉強会を主催しており、他企業のイノベーター人脈を持つCさんが、新規プロジェクトに抜擢された

(4)社内で「経営革新研究会」を主催しており各部門の現場に通じているDさんが抜擢された


このように抜擢されるためには、保有能力・資格、経験、社内外の人脈などを、上司、人事部、経営幹部などに知ってもらわないといけません。これが必要条件になります。


抜擢されたあと、、

大きなプロジェクトを成功させれば、部署に格上げされて職位が上がることもあります。例えばプロジェクトがそのまま(1)アジア事業部、(2)環境部、(3)新規事業部、(4)オペレーション開発部、と部に格上げされます。そうすれば次期部長の座が見えてきます。

部署に格上げまではいかなくても、プロジェクトに成功する過程で、多くの経営幹部の目に留まることになり、出世に近づきます。


ただし、個人情報保護やコロナ対策のように、小さなプロジェクトや一過性のプロジェクトは、ブームが過ぎれば解散して終わりです。

ビックプロジェクトに比べれば効果は小さいですが、社内人脈を豊かにしたり、企業幹部に知ってもらうという意味合いで、努力の甲斐は十分あると思います。


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幹部の一本釣りである「ピックアップ出世」とは

ピックアップ出世は、経営幹部が個人的にある人を出世させるというコースです。

基本出世は上司の評価で昇進、ナナメ出世はその人の能力で抜擢されるの対し、ピックアップでは、幹部が特定の個人をひっぱりあげるわけなので、ある意味、一番不公平でもあります。


さて、企業にもよりますが、大企業では、基本出世ではせいぜい係長や課長までです。それより高い職務は、やはり、誰かの推薦もあって決まるケースが多いと思います。


特定の学閥、ゴルフ仲間、幹部やビップのご子息、などが出世するのはこのような理由があります。


一般ピープルはダメなのか・・・

と、あきらめる必要はありません。


偉くなった元上司は、部下のことを案外気にかけてくれるものです。真面目に働くことを誰かが見てくれています。

そういう意味で、出世して行く上司に能力を認めてもらうことは大切なことです。ですから、あなたは上司を出世させよう努力することが大事です。手柄は上司、責任は私、という姿勢であれば、上司に可愛がられます。


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「ナナメ出世」や「ピックアップ出世」を目指そう


基本出世は狙って当然です。しかし、このような情報にアクセスするあなたであれば、ナナメ出世やピックアップ出世を同時に目指してください。

一歩一歩、出世の階段を登るよりも、早く経営幹部に近づけます。そして、大企業を導く若い経営者になって欲しいと思います。


ナナメ出世やピックアップ出世を目指すのであれば、あなたに必要なのは、「特定の能力」と「社内人脈」です。


「特定の能力」

特定の能力は、あなたの好きな分野、楽しくて時間をかけても苦にならない分野があれば、それを伸ばすのが一番です。
そうでなくても、顧客のために良い商品を、従業員のために良い職場づくりをしようという気持ちがあれば、一般的な経営知識と業界の流れを知った上で、自社に必要な分野の勉強を先んじてすれば、それだけで十分です。

自分の利益、自分の権力だけのための努力で出世するひとが多い企業は経営不振です。はっきり言って「出世上手の経営下手」の集まりです。優秀な従業員の尻拭いで大企業が成り立っているという企業も多いと思います。あなたには、そうなって欲しくありません。ただ、あなたはそのような幹部と敵対するのではなく、あてにされる幹部になってください。


「社内人脈」

あなたの特定の能力も、知ってもらわなければ意味がありません。多くの従業員は部署の中でしか知られていません。それでは声が掛かるかことはありませんよね?

だからといってスタンドプレーは、嫌がられる企業が多いと思います。そこで、あなたが目指すのは、地道な人脈づくりです。

社内人脈と社外人脈がありますが、少なくとも社内人脈は必須です。社外人脈は、企業によっては情報漏洩や、キックバックなどにつながると見られるかもしれませんので、注意が必要です。

社内人脈を作る方法として、社内の勉強会を主催するのがよいでしょう。

例えば、業界研究、ライバル研究、アジア市場研究、SDGs研究、イノベーション研究など、テーマを絞って情報交換すれば、そのテーマが将来のプロジェクトになったときに抜擢されることもあります。また、研究内容を発表し、プロジェクト発足を促すこともできるでしょう。

ただ、選んだテーマが会社の未来に直結しないと時間の無駄になります。テーマ選びに自信がなければ、テーマは多岐にしておいて、人脈作りを優先しても良いと思います。

いずれにしても、部門を超えたネットワークは非常に大切なものです。社内全体を見える人は少数ですから。


ナナメ出世なら横のネットワークだけで十分ですが、ピックアップ出世を目指すのであれば、縦の人脈が重要です。


会社の幹部を、勉強会の講師として招いたり、ランチタイムに過去の話を聞かせてもらうなど、いろいろな方法があります。自分が出世のためにアプローチするというのは、ちょっと気が引けますが「後輩の向学ためにお話を聞かせていただけませんか?」の行うという形にすれば、動きやすいでしょう。

このように幹部に顔を売る機会を作ることは、ピックアップ出世には欠かせません。


自分一人で勉強会を主催するのは時間やコストがかかります。気の合う同期と一緒に動くのも良いと思います。ただ、一緒に動いたメンバーが注目され、あなたが控えになる可能性もあります。それでも、行う価値はあるでしょう。


ただ、注意が必要なのは、現在の職務をおそろかにしないということです。

仕事に穴を開けずにできる範囲にとどめるためには、勉強会は最多でも月に1回とか、ランチタイムに行うとか、オンラインで行うとか、自分でちゃんと線引きしないとダメです。直属の上司から、仕事に身が入っていな合いと評価されたら本末転倒です。

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3つの出世ルートを自由に泳いでください

目の前の仕事をただ、頑張れば、いつかは社長になれる・・・

ということは、絶対にありません。


それでは、視野が狭すぎます。与えられた仕事をするのは従業員であって、経営者は従業員を使う側です。

視野が狭いけれどしっかり仕事ができるというのは、経理や給与厚生などの特定の分野ではうまくいけば課長になれるかもしれませんが、管理職の一番したくらいまでです。それから上は、やはり視野に広さは必要です。部門だけでなく、会社全体、業界全体の視野がなくてはなりません。


あなたは、3つのルートを知ったからには、複数のルートを自由に進むことができます。「社内人脈」と「特定の能力」を伸ばす中で、自然と視野も広がると思います。



私のブログです。参考にしてください。



大企業の出世シリーズ、前の記事はこちらです。









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