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絶望の処方箋

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絶望した時の処方箋として。
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#人生

バカバカしい偶然ほど深い傷を残す(平野啓一郎『マチネの終わりに』を読んで)

いわゆる大人の恋愛物語だが、この中で語られる「時間論」も興味深かった。 ところで、結婚式…

杉原 学
3年前
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「死に方」を考えることは「生き方」を考えること(小澤竹俊『今日が人生最後の日だと…

「あした地球が滅びるとしたらどうする?」 誰もが一度はこんな話題で盛り上がったことがある…

杉原 学
3年前
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「幸せとは魂の次元で到達するもの」(バート・ヘリンガー著、谷口起代訳『いのちの営…

訳者が述べているように、ここでの<いのち>とは、いわゆる個人としての「自己」のことではな…

杉原 学
3年前
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「天才」を持って生まれた人間の宿命(団鬼六『真剣師 小池重明』を読んで)

「本を読むと眠くなる」というのを利用して、読書を睡眠導入の儀式に利用している杉原です。 …

杉原 学
3年前
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「悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか」(夏目漱石『こ…

『こころ』との出会いは、高校の教科書に載っていたものを読んだのが最初であった。おそらく、…

杉原 学
3年前
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苦しみはよりよく生きようとする人間の証(吉野源三郎、羽賀翔一『漫画 君たちはどう…

異例のヒットを飛ばした漫画。ご存知のとおり、1937年に出版された『君たちはどう生きるか』を…

杉原 学
3年前
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人生の袋小路にいる人へ(田中慎弥『孤独論 逃げよ、生きよ』を読んで)

僕が田中慎弥氏のことをはじめて知ったのは、テレビで放映された芥川賞授賞式の映像でだった。 ふだんテレビに映し出される映像は、ほぼ例外なく予定調和的なものだが、この人の佇まいは、「そういうこととは全く関係なくそこにいる」という感じだった。なんとなくテレビをつけて流し見していた僕は、「あ、人間がいる」と思って、しばらく映像に釘付けになった。 そこで彼はなにやら挑発的なコメントをしていたような気がするが、その言葉の内容とは裏腹に、「人のよさ」というとちょっと違うけど、実に人間的

内なる自然性を信頼する(星野文紘『感じるままに生きなさい』を読んで)

実に僭越ながら、拙著『考えない論』を彷彿とさせる内容で、終始ウンウンとうなずきながら読了…

杉原 学
3年前
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人生は一度しかない(藤子不二雄『まんが道』を読んで)

これを読んでいるあいだは、本当に青春時代に戻ったような気持ちになってしまった。けれども、…

杉原 学
3年前
9

「よし、駄目になってやろう」(岡本太郎『自分の中に毒を持て』を読んで)

僕の人生に最も大きな影響を与えた一冊。当時勤めていた会社を辞めたのも、今思えばこの本の影…

杉原 学
3年前
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「魂の声」に耳をすますこと(大津秀一『「いい人生だった」と言える10の習慣』を読ん…

「人生最後の日を考えたことが、ありますか?」 この本の表紙に書かれた言葉である。 子ども…

杉原 学
3年前
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プレッシャーに弱い人間の可能性

世の中には、プレッシャーに強い人もいれば、弱い人もいる。では、どちらのほうが大きな仕事を…

杉原 学
3年前
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コミュニティとは「生きる文脈が見える世界」のことである

「タモリ式記憶術」というのがある。これはタモリが開発したというのではなく、タモリがテレビ…

杉原 学
3年前
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時間は不可逆的であるにもかかわらず、過去も未来も変えることができる

文章を書いていて、楽しい時と、楽しくない時がある。 楽しく書ける時は、その文脈の中に没入して、それこそ我を忘れ、時間を忘れ、ワクワクしながら書いている。 しかし楽しく書けない時というのは、全然没入できずに、すぐに集中力が切れてしまうし、全然ワクワクしない。 そこにはいろんな要因があるけれども、おそらく一番大きいのは、「今の自分の考え(あるいはイメージのようなもの)」を書いているかどうか、ということのような気がする。 これができている時は、ワクワクしながら書いている。で