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洋書のすゝめ① 洋書を読むメリット


いつぞやの機会に「私が受験生やってた時は通学途中や休み時間に洋書読んでた」なんて話を口走ってしまいましたが、そこで「うわ、こいつムダに意識高いわ…」と若干引かれたかもしれません。まあ、側から見れば意識高そうかもしれませんけど、実際やってみて、こんなに有効な英語の勉強方法って、まあないですよ。オススメポイント挙げればキリがないくらい。

そんなキリがないオススメポイントのうち、今回は英語の受験勉強として洋書を読むことのメリットをご紹介致しましょう。

・英文読解の「基礎体力」がつく


英語の入試問題で決して避けては通れない長文。名前の通り、ちゃんと長いですよね。読んでる間に気折れしちゃったり、読んでても中身があまり頭に入ってこなかったり、理解ができたところで設問に移ると「あれ、そんなこと言ってたっけ?」ってなったり。

でも模試の解答解説に載っていたりする全訳(日本語)は特に苦もなく読めるんじゃないでしょうか。つまりは、英語の長文問題は英語さえ読めれば本文は難しくないってことがわかると思います。

「確かに、小問であればそれなりに頭が働くのに、長文になった瞬間ダメになるんだよなぁ」

この原因を一言で表すとしたら、「英語を読む基礎体力がついていない」ってことになります。つまりは長い英語の文章に慣れていないから、入試問題も読むだけでヘトヘトになるってこと。基礎体力をつけるには、運動と同じくトレーニングを積むしかありません。

「でもトレーニングっつったって、英語の授業でやるようなのはクソつまんねーんだよな」

そこでオススメするのが洋書です。

洋書は100ページなんて平気で超えるような本の全体が英語です。しかも洋書って、日本の本と違って分冊になっていませんから、平気で辞書みたいな厚さになってるんですよね。これを読破できる頃には片手で数えられるページ数の文章なんて楽々読めるようにならないわけがないじゃないですか?

・物語の数少ない対策として効果的


1次試験はもちろんのこと、入試問題で物語が出てくるところって、案外多いみたいですね。それなのに論説と違ってわかりやすさを求めてない分、問題に対するアプローチが変わってくるらしく、対策が立てづらいらしいですね。個人的には論説と同じように解けばいいじゃんと思うのですが、物語を苦手とする人はとことん苦手のようです。私の友人にもいました。目指してた大学が違ったので具体的にはわからないのですが、物語の文章が極端に難しく感じられるらしいんですよね。

でも物語の問題の対策って、どうしろと言われても、「そりゃ読むしかないっしょ」となってしまうもの。じゃあ物語、英語で読めばいいじゃないですか。はい、洋書読んでください。読むだけで物語の対策になりますよ。


・英語をちゃんと「使える」


よく言われる話、「英語を習得するには英語を必要としなければならない」って聞いたことないですか?本当に英語を勉強したいんなら、どうしても英語を使わざるを得ない状況に身を置くことで、勉強のモチベーションを無理やり引き起こす。洋書を読むことが英語を「必要」なものとして要求するかと言われれば、まあ必要でしょう。だってどのページ開いたって日本語が1文字も載ってないんですから。

詰まるところ、「試験のために英語を勉強する」「英語のために英語を勉強する」って状態から「情報を得るために英語を勉強する」ってフェーズに移してあげるわけです。日常生活の中に英語を使う場面を用意してあげようってこと。本来英語を勉強する理由ってこんな感じですよね?試験勉強のために英語を勉強するより何倍も健全なんじゃないですか?


・ネイティブの表現がわかる


洋書ってのは9割9分は英語がペラペラに使える人が書いてるはずですよね。しかも「読者が英語できるのか確かめてやろう」とか不純な動機ではなく、「英語の文法的な正しさとか、入試に出る頻度とか、そんなもんほとんど気にしないから、とりあえずこの話を伝えたい」っていう綺麗な理由から本を書いているわけです。

ということは、それこそ “This is a pen.” みたいな「これ絶対普段使わないだろ」なんて表現は、洋書の中には原理的に存在しないわけですよ。俗にいう「鯨構文」とか、あまり高等なテクニックを使う機会ってなかなかないですからね。日常会話的かは別にして、こうした洋書に現れる表現ってのはある程度「真っ当な表現」のはずですよね。

まあ「高等な表現が出てこない文章を読んでいる」と言われてしまえばそれまでですが、「どういう表現がどんな頻度で登場するか」という指針が分かれば、「この表現は洋書で何回も出てくるから、ちゃんと覚えなきゃ」という方向性を見つけることができるのではないでしょうか。

例えば私のお気に入り、ダン・ブラウンのラングドンシリーズでは What the hell ... という表現が散々出てきます。見た目からしてスラングっぽさが滲み出てますけれども、自由英作で感嘆文の表現の幅を広げることができるじゃないですか。

他にもハリー・ポッターシリーズで闇の帝王ヴォルデモートを魔法使いは「例のあの人」と呼ぶわけですが、あれって原著だと You-Know-Who って書かれてます。だからどうしたって言われてもどうしようもありませんけど。


・ちょっとした気分転換になる


洋書を読むメリットの4つ目は気分転換です。「読書が趣味」という人が多いように、本を読むのって楽しかったりするわけですが、受験勉強で疲れた心を癒すという効果も期待できます。

先述の「ラングドン」シリーズを高校で布教していたのですが、信者堕ちした友人が言うには「勉強の合間に息抜きがてらに読んでるわ~」とのこと。

逆に、勉強の合間に息抜きとして読める本を選んでくださいということです。どんな本がオススメかって?ちゃんと後でご紹介しますよ、そう焦らないでくださいって。


・内職に打って付け


「こいつの授業クソつまんねーな」という教師は世の中腐るほどいるわけですが、そんな時にも洋書は重宝します。

私の場合、高校の英語表現の授業がどうしようもないくらいにつまらなかったのですが、授業時間中に洋書読んでました。教科書より日本語が少ない(もっと言えば日本語が全くない)テキストを読んでるわけですから、英語の勉強してるってことで文句は言えんやろ、という論理で。

ただし、ちゃんと内職する先生は選んでください。てか、お前ら内職なんてするなよ。先生に失礼だろ。おい、誰だ今ブーメランとか言った奴、後で来なさい。


まとめ


ということで、今回は受験英語の勉強に洋書を読むメリットをご紹介してきました。でもメリットつらつら並べ立てられただけじゃ、あの辞書に引けを取らない分厚い本を全部英語で読破できる自信なんて、まあ出ないですよね。

てなわけで、次回は洋書を読むときにどんなことに気をつければいいか、どうやって洋書を読めばいいかご紹介します。「勉強してるのにそんな読み方でいいの?」なんて思われるような話もしますので、ぜひ。

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