こんなケースで緊急往診の依頼    ⇒ありです!

とある病院からのご紹介のあったケースです。

70歳代の女性。高血圧、糖尿病で近医かかりつけに通院治療していた。
この1年ほどで食欲が落ちたことでデータが改善されたと思い、自己判断で通院しなくなった。ここ2~3週間はさらに食事量が減り心配した家族がかかりつけ医に相談したところ病院へ精査入院となった。CT検査、血液検査で異常はないといわれ退院。精神科を紹介受診され、うつ病と診断。内服薬を処方されたが、ほぼ食事摂取ができないままで傾眠傾向となったきたため精神科の主治医に息子さんが相談した。主治医は入院を勧めたが、もともと息子さんの妹に精神疾患があり見守りが必要な上に、奥様のご家族の事情で入院のために動くことが困難な状況であった。主治医から当院へ往診の相談があり、緊急往診となった。脱水の診断でご自宅で点滴を開始し、精神科への入院待機となった。

【コメント】
本来、さらなる原因精査を行いつつ、脱水改善と、栄養補給することが必要と判断します。この場合実行するには入院精査が最適です。ただし、ご家庭の事情から当日入院が困難な状況で放置するわけにもいかない。家を空けられない状況で医療実施が必要、というケースでは緊急往診が最適です。このケースのように、まずは直近で見てもらった医師に遠慮なくご相談いただけるとよいと思います。その上で、ご紹介いただけるとスムーズです。
実際には、原因がわからないまま漫然と点滴を続けるというわけにもいきません。早急な入院対応が必要です。また、原因精査・治療による改善を認めて、在宅に復帰する目処がついた時点で、病院の連携室・相談室(まずは、病棟看護師さんへ相談して教えてもらいましょう)経由で再度ご依頼いただけるとこれもまたスムーズに自宅へ環境を整えながら帰宅退院できます。


*後日談
この方、実は再度入院にてCT検査を実施したところ大腸癌であったとのこと。ステント留置して経口摂取開始したところすっかり意識が戻って復活されたとのことでした!


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