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教育学者の子育て日記、はじめます。

教育学の博士をもっている親が、子育てでの驚きや発見、悩みを綴っていきます。

妊娠18週で、子ども(TAISHO)の右の腎臓が機能していないことが判明。
妊娠19週で完全破水、22週から観察入院。
その後、入院中の妊娠29週に妊娠高血圧症となり、29週6日、1156グラムで出産。
誕生後、子どもは鎖肛、停留精巣、眼瞼下垂であることがわかる。3か月ほどのNICUでの入院を経て、退院。酸素や胃ろうをつけての退院になるだろうと言われていましたが、結局、身ひとつで帰宅できました。訪問看護のサポートを受けつつ、日々元気に成長しています。

今日は、生後278日。

昨日、朝の二度寝を終えて、顔を洗っていると(夜11~朝7時は私が一人でみているため、朝7時に夫に世話を交代した後、私は寝室で一人で睡眠をとることになっている)、夫が洗面所に入ってきて、「ねえ、みて」とスマホを差し出してきた。次のような動画が。

TAISHOがうつぶせになり、必死に前に進もうとしている様子。

夫はPCで作業をしていて、TAISHOはマットの上でおもちゃで遊んでいるとおもっていたのだけど、気づいたら、顔をもちあげうつぶせになり、前に進もうと必死な様子!だったという。そのときにとったのがその動画。

自分から、うつぶせになり、這おうとしているのは初めて。というのが昨日。

(実は、おととい、テレビで、TAISHOと同じ9か月の赤ちゃんが元気にハイハイしているのを見て、9か月ってこんな感じなんだねって話していたのだけど、それを聞いて理解していたのでは!?と思ったりも・・)

そして、今朝も、二度寝の後、顔を洗っていると、洗面所に夫が入ってきて、「ねぇ、さっき、あることが起こって、感動して泣いちゃったんだけど・・」

夫のよこで、仰向けから必死に寝返りをうち、うつぶせになろうとするTAISHO。(昨日は一人でできたのだが、今日はできなくなったのね、それもまたおもしろい)
夫は、TAISHOの目線の先で音の出るおもちゃを鳴らして、そこを目指すように一生懸命うながしたそう。でも、何度やっても今日は寝返りうてず、ついに泣き出してしまったTAISHO。

今度は、夫が、見本?をみせようと、仰向けの状態から、寝返りをうち、うつぶせになってみせたそう。

TAISHOは、その夫の様子を、じぃーっっっとみて、そして、今度は自分で、寝返りをうち、うつぶせになったというのです。

目をウルウルさせて話す夫、聞いていた私の頬には涙がつたいました。

「きみの博士論文のとおりだね」と夫。

そう、今日、夫がTAISHOにしたことこそが、本当の、教育。そして、TAISHOに起こったことが学び。

寝返りを打ちたい、という気持ちをもつ子ども。その気持ちを受けとり、その気持ちが実現するために、働きかけた親。

博士論文で書いたことばでいうなら、学びを生じさせようとする人間に対して、他の人間が学びが生じるために働きかけることが教育。

ただし、ここで大切なのは、あくまでも、学びが先にあるということ。
夫の働きかけは、TAISHOの学ぼうとする気持ちにこたえたから成就したにすぎない。

博士論文も、ものすごーく考えて、全身全霊を込めて書いて、全身全霊で理解していたはずの現象。でも、それがいざ起こってみると、その尊さに、心が震えました。

きれいごとじゃなくって、子どもが子育ての先生であること、間違いなし。

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