見出し画像

子どもの「知りたい!やりたい!」を引き出すためには?


6月が終わり、子ども達に「もう2023年の半分が終わっちゃったね。」と言うと「え!?嘘でしょ!早過ぎるよ。あと半年で中学生なの?嫌だな。」と6年生。
「早く時間が過ぎるってことは、楽しいってことだよ。楽しい時間はあっという間に過ぎるんだから。」と2年生が返事をすると、「そうだよ!工作するの楽しいもん!」と相槌を打つ1年生。思わずみんなで笑い合うという場面がありました。

この2年生の子が言うように、こうして時間が早く過ぎていくのは、子どもたちとマナビノキで過ごす日々は、忙しいけれど、楽しいってことなんだな!と元気をもらえました。

小さな「自己実現」を積み重ねるためには?

さて、マナビノキのビジョン「自分らしく生きていく社会の創造」を達成するための、ミッションの1つに「小さな自己実現を積み重ねる」ということがあります。
自分の考えを自由にもつことができる。
自分の作りたいものを作る。食べたいものを作って食べる。
欲しいものを作って使う。調べたいことを調べる。
不思議に思ったことをやってみて検証する。
自分の伝えたいことを伝えることができる。
それらは、子ども達にとって全て小さな「自己実現」です。

この「自己実現」という言葉は、心理学用語です。「自己実現」という言葉を説明したものの1つに、マズローの「5段階欲求説」というものがあります。
教育心理系では、よく出てくる三角のピラミッド図です。
人間の欲求には5つの階層があり、根底にある基本的な欲求が満たされることによって、次の段階の欲求を求めるようになるというもの。

マズローの唱える「自己実現」の欲求とは?

1番低い欲求は、食欲や睡眠欲などの「生理的欲求」です。衣食住など、基本的な生活がそれにあたります。それが満たされると現れる2番目の欲求が「安全欲求」です。これは、心身共に健康でありたい、安心して暮らしたいという欲求です。親となかなか離れられなかったり、1人で過ごすことを怖がったりするのは、この欲求が満たされていない可能性があります。そして、その「安全欲求」が満たされると現れる欲求が「社会的欲求」「承認欲求」です。これは、友達や仲間などが欲しいという欲求や、集団や社会に認められたいという欲求です。
そして、これら4つの欲求が全て満たされた上に現れるのがこの「自己実現欲求」です。
つまり、衣食住を含め、心身ともに健康であること、安心でき、認め合える仲間や社会(所属集団)があること、それが揃って初めて自分の「知りたい!やりたい!」が生まれてくるというわけです。

子どもの「知りたい!やりたい!」を見極めることが鍵!

「知りたい!やりたい!」という気持ちが溢れている子には、少しでもそれを実現できるようにサポートしていくことを続けていくことはもちろん、なかなか「知りたい!やりたい!」が出てこない子については、このマズローの欲求説のように、どこの段階の欲求でその子がつまづいているのかということを遡って、そこを満たしていくということが必要になることもあると考えられます。

また、自分よがりな、好き勝手な「知りたい!やりたい!」は、自己実現にはなりません。ちなみに、マズローの定義では「自己実現とは、偽りのない自分の姿で好きなことをして、それが社会貢献につながる状態」とされています。子ども達が「やりたい!」と言った時に、それが自己実現のためのやりたいなのか?ということを見極めるのも、大人の役目であると言えます。

もうすぐ、子ども達にとっては、楽しみな夏休みがやってきますね。
夏休みは、家庭でも自由研究やマイプロ、また旅行の計画を立てるなど、様々な自己実現ができるチャンスです。
子ども達からどんな「知りたい!やりたい!」が出てくるか。また、それは、本当に自己実現と言えるのか。出てこないとすれば、どこに立ち返ればいいのか、など、大人にとっても、子ども達に向き合えるチャンスでもあります。

まとめると、夏休みは、たくさん寝て、たくさん美味しいものを食べて、たくさん遊んで、笑い合ってくださいね!ということです。そうすれば、きっと子ども達から「次は、これやってみたい!こんなこと知りたい!」がたくさん出てくるはず!!
くれぐれも、ついにきてしまった恐怖の夏休みだ・・・と思わないように!!
みんなで楽しく過ごしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?