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子どものSNS利用は?スポーツの順位付けは本当にダメ?新・教育問題!

岩崎恭子さんプロフィール:
静岡県沼津市出身の日本の元競泳選手、指導者。専門種目は平泳ぎ。1992年バルセロナオリンピック200m平泳ぎ金メダリスト。14歳での競泳史上最年少金メダル獲得記録保持者でもある。
instagram:kyo_koiwasaki

ソーシャルメディアとの付き合い方

諸岡:今の子どもたちは、それこそSNSで世界中に一瞬でつながったりもできる。そういうSNSとかメディアとの接し方?

岩崎:そうねえ、本当にコレは私も娘に対してすごく課題なの。もし子どもがそういう、学校のことで悩んでいたりとか、友人関係で悩んでいたりとか、それこそSNSでいろいろ書かれたりっていう時に、「いいじゃない、そっから離れればいいじゃない」とかっていう風に言ってしまうことってあると思うんだけど、でもやっぱり子どもって学校の中とか、学校の中での仲の良い友達とか、大人から見たら小さなコミュニティで生きてるから、でも子どもたちにとってはその小さなコミュニティが最大限なんだよね。

諸岡:そうねえ。すべてだもんね。

岩崎:そう。そこからはずれるって言うのはすごく勇気(が必要)だし、そんなたいして気にすることじゃないっとかって言う風な言い方をするのは、よくないんじゃないかなっていうのを、当時のことを思い起こすと、やっぱりそう言う気持ちになるのね。

諸岡:そっかそっか。

岩崎:私はやっぱり、14歳の時に勝手に自分の中で殻に閉じこもってしまって、その時の記憶ってあんまりないのね。

諸岡:金メダルとって?

岩崎:金メダルとった後の。ちょっと、所々あるんだけど。本当にあることないこと言われたりとか、それこそ家族まで巻き込んで大変なことになっちゃったとかっていうのがあって。なんかやっぱりつらい想いっていう風に自分で思ってたから。大人ってなんか簡単に言うよねみたいな感じに思ったりとかって言うのは、すごく覚えてるから。なので、ちゃんと話を聞いてあげることもそうだし、それだけじゃなくって、親に相談できなかったら、今、スクールカウンセラーとか調べればね、相談できるところって本当にいっぱいあるんだよね、知られてないんだけど。親になんでも話して欲しいって私は思ってなくって。だから娘には、お友達のお母さんに話して・・・とかそう言うのもあるよっていうのは伝えてるの。

諸岡:ああ、相談する場所がいっぱいあるよって伝えておくのは良いかも。

岩崎:そうそう。

メディアとどう付き合う?

諸岡:まあ、これから特に恭ちゃんところの娘さんなんか、インターネットでいろいろ調べるようになると思うけど、そういう時もなんかいろいろ出てくるのかな。

岩崎:きっとまあ、私のことも名前を入れて調べる日も来るだろうと思ってるから、あの、もう全部洗いざらい話していて。それこそ私なんか、あることないこと自分のことについて書かれたりする部分もあるじゃない?・・・で、そいうい時に、知っていればそんなに驚かなくてすむとか、まあ、2人だからこそ、素直にいろいろ話したほうが、彼女にとっても良いんじゃないかなって思っていて。だから、目の前にあることを信じなさいって。

諸岡:大事ね。振り回されないって。

岩崎:そうそう、それはすごく大事だと思う。それもいってる、娘に。こういうののってるのって全部(が)本当じゃないんだよって。

スポーツ教育について

諸岡:スポーツ教育って順位をつけないほうがいいとか、すごい小さい頃から英才教育で始めたほうがいいとか、逆にあんまり早すぎるとよくないとかいろいろあるじゃない?その辺はどう言う風に思いますか?

岩崎:そうね、まずは順位をつけないって言うのは、私はとっても反対で。できることを認めてあげたりとか、讃えてあげたりとかってするのが、私は教育じゃないかなっていうのは思っていて。スポーツだけじゃなくても、芸術でも、やっぱりその賞をもらったとか、そういうのがあるじゃない?

諸岡:確かに、勉強はどうしたって、受験だって上から順番だし。

岩崎:そう、そう。だから、受験で順番をつけるのになんでスポーツで順番をつけちゃいけないの?っていうのは、すごく感じているところであって。

諸岡:まあ、負けた子たちが傷ついちゃうからみたいな感じで言ってるでしょ?

岩崎:できないことがあったっていいじゃない!って私は思っていて。できるものとできないものって絶対人間あるわけだから。できなくても、自分の中での目標を持って、例えば前転ができなかったら「前転をできるようになる」とかっていう自分の中での目標を持つことを教えることが、必要なんじゃないかなっていう風に思っていて。

諸岡:スポーツができないことを、できなくってもいいんだよって認めてあげる必要があるってことだよね。

岩崎:できない子がダメって言う風に思わせちゃう、その組織とか教育が、私は良くないなって思っていて。

諸岡:なるほど、ダメじゃないんだよと。

岩崎:そうそう。ダメじゃないから、できることを探せばいいとか、得意なことを見つければいいとかって言う風になってもらいたいなって言う風な・・・。

諸岡:そうだねえ。てか、1番の子を褒めてあげたいって言うのもあるしね。

岩崎:そうそう、うん。やっぱり褒めたら子どもってやっぱり・・・子どもじゃなくても大人でも嬉しいじゃない?褒められたら。褒めるって言うのはすごく大事だし。まあ、日本の文化で謙遜する文化ってのももちろんいいと思うんだけど。子供の小中学校の中で特に大事なところなんじゃないかなっていうのは思ってる。

何をやればいい?

諸岡:あと、もう1つのどれくらい小さい時から運動を始めるのか、始めないのか、とかっていうのは、プロのアスリートとしてどう思いますか?

岩崎:これはね、本当に水泳をやっていたからではなくて。水泳はいつ始めてもいいし、ホント0歳から始められるから。で、何をするのにも、他のスポーツをするのにも、基礎体力は絶対必要だから、基礎体力をつけるには水泳はすっごくいい!(笑)

諸岡:説得力!(笑)

岩崎:あとだから本当は、そこらへん走り回ってたら基礎体力つくんだけど、それができる今、環境じゃないっていうのが。親も付き合えないじゃない、最近。やっぱり年齢も段々、東京なんて特に年齢層上がってきてるでしょ。そうすると、やっぱり子どもと遊ぶってすごく体力いるから。

諸岡:そうなんだよ、もう本当に!!

岩崎:付き合えないっていうのもある。だからそうやって習い事に入れて体力つけるっていうのも、もちろんすごくいいことだと思う。まずは、基礎体力をつけるものをやっとけば、何か新しいことをやるにしても、絶対できると思うので。水泳って本当に、みんなにやって欲しいなって思うの。いつかでもいいから。

親のサポート

諸岡:ちなみに、恭ちゃんは5歳で水泳を始めてあっという間に一流の選手になっていったんだけど、そいういう一流の何かになって欲しいと思った時に、親にできることってなんなんだろう?

岩崎:んー、競技してると、勝つ時もあるし負ける時もあるし、調子が良い時もあるし悪い時もあるし、っていう時に、親が一緒に一喜一憂しちゃうと良くないと思うんですよねぇ。

諸岡:あ、そうなんだ。一緒に感情移入みたいにならないほうがいい?

岩崎:やっぱり落ち着いて、子供を励ますとか。中には「なんでそんなにダメだったのよ」とかって姿も正直、見たことあるのね。

諸岡:あー、はいはいはい。

岩崎:親はコーチじゃないから、試合については述べないで欲しい(笑)。私はそこを強くいいたい。私ね、それこそ試合とかで親に怒られたこと一度もないのね。それこそ母は、しつけは厳しかったけど、そういうことに関しては全く言われたことがない。

諸岡:へえ。お母さん、どう思ってそういう風に行動してたんだろうね。

岩崎:それは、やっぱり練習を怠けるとかは怒られるの、もちろん、母には。そそういう過程をやらなければ試合には結果が出ないよってことを、多分それで教えてくれたんだと思うのね。でも、試合の結果に対して怒られたら、やっぱり全部否定することになるから。やっぱり親の手の出し方が、やりすぎちゃうと、本人が考えなくなっちゃうからね。やっぱり、引き出しをたくさん持ってないと、スポーツ選手って無理だと思うんだよね。

諸岡:そうなんだ!

岩崎:だって闘うのは自分だから。

諸岡:そうだねえ。

岩崎:だからやっぱり子どもの可能性を伸ばしたいんだったら、信じてあげたほうがいいし。やっぱりそういう意味では最大のファンでいて欲しいし。栄養面とかそういうところでサポートをして欲しい。

諸岡:なるほど。もう本当に日常生活を健やかに送るためのサポート。

岩崎:うん。

編集後記

トップアスリートであったことはもちろん、アメリカ留学を経験し指導者としても活躍している岩崎さん。今回も、ほとんどの質問に言い澱むこともなく、自然体かつ率直な言葉で答えていただきました。
実を言うとワタクシ諸岡も、運動会などの順位付けについて、反対意見や北欧のある国ではそのようなことをしないと言う記事を読んだことがあり、「ああ、よくないことなのかな?」となんとなーく思っていました。が、今回のお話を聞いて、「できないことをいけないこと」と思わせてしまうことが良くないと言う言葉に強く共感、考えを改めました。子どもが一番になったら全力でほめてあげて、落ち込んでいる時には一緒に落ち込まず話を聞ける親になりたいなと。皆さんは、どう思われますか?よかったらぜひご意見をお聞かせください!
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