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普通の子の中学受験に巻き込まれるまで

地方出身者で都内在住の私にとって、中学受験はまさによそ事。

まさか、親子で2年足らずの猛烈な中学受験に巻き込まれていくなんて

思ってもいませんでした。

私には、仲のいいママ友たちがいます。彼女たちは、誰がみても、

なかなかのセレブ層。子供の習いごと、教育には特に熱心で、

中学受験をするのが当たり前という人達でした。

そんな彼女たちの前でも、私は「うちは中学受験なんて・・・。やっぱり

人生を決めるのは大学受験!だから、大学受験がんばらせるからいいわ」

というのが、決まり文句のようになっていました。

その時は、本気でそう思っていたんです。


ただ、そのうち、彼女たちから中高一貫の学校が増えていて、

高校の選択肢が減っていること、地元の中学の内申点がとりにくいこと、

私立中学の授業の充実ぶりをたびたび聞くうち、少し気持ちが

ゆらぐようになっていました。

決定打は、子どもが通う小学校の中学受験をする子の多さ。

なんと、公立小学校ではあるものの、裕福な家庭の子が多く通うとは

思っていましたが、聞くと8割の子が中学受験する小学校だったのです!

これには、驚きを隠せませんでした。

これだけの割合の人が挑戦するという、中学受験。

どんなメリットがあるんだろうと、気になりはじめたのです。

そこで、自分なりに調べてみると、中学受験をするメリットは次の通り。

・たいていが中高一貫なので、高校受験をしなくていい。

・6年間かけて大学受験の準備ができる。

・なかには、大学まで付いている付属中高もある。

・自分と同じレベルの子たちが集まるので、効率のいい授業、

充実した環境が得られやすい。


その反面、公立に比べてお金がかかる、通学にも時間がかかるといった

デメリットもあります。

ただ、メリットとデメリットを比べたとき、メリットの方が大きいように

感じはじめたのです。特に、うちの子のような、忘れ物が多く、

スポーツに興味がなく、目立つのが苦手・・・といった子が中学で

内申点をとれるのだろうかと。

デメリットであるお金の問題も、うちは一人っ子のため、

何とかなりそうな気もしてきました。

グラグラと気持ちがゆれるなか、子ども本人にそっと聞いてみたのです。

「〇〇ちゃんも、〇〇君も、中学受験をするらしいんだけど、

あなたはどうする? したいと思う?」

すると、子どもの答えは間髪いれず、「やだ!しない」というもの。

なんだか、ほっとするような、本当にいいの?というモヤモヤした気持ちで

複雑でした。

そのため、その後も何度か、中学受験をするメリットとデメリットなどを

すべて話し、自分でどうするか、じっくり考えてほしいと伝えました。

それから、半年ほど経った頃、子どもがぽつりとつぶやきました。

「ママ、おれ、受験するよ」

きっと、私は、中学受験が何者かと調べていくうちに、「これは

やって損じゃない」と気づき、できれば子供に中学受験をしてほしいと

思い始めていたのだと思います。

けれど、中学受験をするのは、子ども自身。

だから、やるか、やらないかは、自分で決めてほしいと願っていました。

子供が考えて、悩んで、「受験する」と言ってくれるのを待っていたんだと

思います。

人は自分が決めたことはがんばれても、人にやらされていることには、

踏ん張りがききません。だからこそ、「受験する」と、子ども自身が

決めることが大事なのだと思います。

このことは、あとで本当に怒涛のような受験のなかで、

子供自身を支え、奮い立たせるのに、とても役に立ちました。


そんなこんなで、我が家の中学受験は小学4年生の3月(まもなく5年生)

という、ぎりぎりのスケジュールのなか、スタートをきったのです。

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