高校野球 今思うと全く意味の分からない指導方法集 ①「繰り返し 」
僕のいた高校では、先生が指導にあたり直接手で殴るなどの行為はなかった。暴力は学びを生まないし、恐怖を与えることは単に瞬間的に従わせることだけを意味する。
ではミスをした選手や、チームのプレーにおいての約束事などが守れなかった選手をどう指導していたのか。三つの意味の分からない例を紹介します。
一般的によくある指導
「グラウンド5周走ってこい!」とか
「ライトからレフト(ポール間)10往復」とか
「腕たて5回」とか
もっと普通に
「練習に来るな」とかだと
でも僕の高校では、
恐らく野球をやっていた人でもやっていなかった人でも意味が分からないことがあった。
例1
実行者:後輩のコウサカ君。
後輩のコウサカ君はリーダーシップをとって欲しい存在だった。でも試合中に彼がミスをした後、落ち込んでしまい声が出ないことがあり、かなりプレーに支障が出たことを見越した先生が、”お前は本当に自分(チームよりも自分)のことが好きなんだな”と良い。
「僕は自分が嫌いですって100回言ってこい」となった。
もう意味が分からないが、試合中にベンチから
「ナイスボールぅ!」とか、
プレー中の「セカンド投げろぉ!」などの声の合間に、
遠くからコウサカ君の真面目な声で
「僕はぁ自分がぁ嫌いでぇーーーーす!」と聞こえてきて、
笑いが止まらなかった。まさにこのポストのイラストのように一人で叫んでいるのである。相手チームも笑っている。
「ナイスボールぅ!」
「僕は!」
「あー良いね!ナイスボール!」(自分が)
「嫌いでぇーーーーす!」
のようにどんどん、ガッツガツ絡んでくる。
「僕はぁ自分がぁ嫌いでぇーーーーす!」
の彼は今小さい子供の先生をしているらしい。
どうか自分は好きでいてくれ。
例2
実行者:後輩と同期含め5人
エンドランという戦法では、バッターはどんな球でも振り、当てるのが基本になるため、バッターが振らないとスタートしているランナーは無防備にアウトになる可能性が高い。
後輩と同期含め5人は、エンドランなのにバットを振らなかった人だ。
案の定、「エンドラン」と100回言った。
最初は一人だけでセンターで
「エンドラン」
「エンドラン」
と寂しく言っていたが、だんだんと「エンドラン」と言うグループにメンバーが参加し、
センターで5人が
「エンドラン」
「エンドラン」
「エンドラン」
「エンドラン」
「エンドラン」
「エンドラン」
「エンドラン」
もうなぜか野球のセンターでハモリを確認するゴスペラーズだった。
指パッチンはなかったが、そこには静かなリズムが生まれていた。
気の毒な後輩は、一人だけ1000回言わないといけない中で一人だけ、「エンドラン」のペースがめちゃめちゃ早かった。
今でも居酒屋とかで「エンドラン」って言えよといじられている。
例3
練習中にファーストのファールゾーンでスライディングを100回やる
実行者:先輩の一人
この事例も同じような罰で、スライディングしないといけない部分でスライディングしなかった先輩が、ファーストのファールゾーンのめちゃめちゃ狭いエリアで果敢に、それはもう果敢に繰り返しスライディングしている姿を見て、なぜか分からないが、彼は将来営業職になると思った。
なんでだろう、本当にそんな気がした。
インスタグラムを見る限り実際に営業職っぽい。
途中で先生に、「お前今何回だ?」と言われ、嘘でも良いから数字を言えば良いのに、なぜかすぐ答えられずに、「最初からやれ!」と言われた先輩。
なんでだろう、管理職は向いてないだろうな。
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