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1日に27イニング試合に出た日 高校野球

今日で27日連続投稿です!
27という数字で思い出したのですが、
僕が一日に3試合フル出場(27イニング)出場した短めのお話です。

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野球を知らない人へ、少し解説。

野球はイニングというもので攻撃と守備が一回ずつあり、そのイニングが、9回あることで試合が決まる。イニングが2つに別れていることを表と裏と言います。
なので、イニングごとに表に攻撃するチームのか裏に攻撃するのかはプロ野球では自分たちの本拠地で戦うチームが裏の攻撃になる。

ということで、野球は9回ありその回ごとに表と裏のイベントがある。

サッカーや他のスポーツと違い攻守がはっきりしていて時間も取れるため、より一回一回のプレーが読み合いになる。でも結局凄い勝負強い選手や、運が味方についている選手が決めてしまうというスポーツ性を兼ねている。
9回は平均で2時間半から3時間かかります。

Aチームでの試合
先輩がいなくなった2年の夏の終わり頃、Aチームの一試合目に僕はスターティングメンバーとして出場し、ある程度活躍した。

その日はAチームとBチームに別れての試合になり、
Bチームになぜか、セカンドがいないという情報が入った。
セカンドがいないって、サッカーでいうディフェンダーが一人足りませんということと同じで試合にならない。
もちろんいつもセカンドをやっていない人をセカンドに使えば良いのだが、Bチームの相手もまぁまぁ強かったことから、ちゃんとした人が必要ということで、僕を使うことになったのだ。

そんな決断をされたばかりにもう、M1優勝者のような過密日程

Aチームの試合の9回が終わり次第すぐに電車に乗り移動、
Bチームが試合をする僕の高校に行ってアップもなしに出場する流れだ。

まるでズームインに出てそのまま吉本の劇場に行く関西芸人や!。(ズームイン毎日見てました)

Bチームの一試合目に出て、9回を終え18イニングを終えた。ここまではたくさんの人が経験したことがあると思う。

結構疲れる。野球は走り、ボールを投げ、声をだし、頭も使う。
だから僕はサッカーが一番好きなスポーツだ。
疲れ方がわかりやすい

Bチームの一試合目を終え、グラウンド整備が終わり、二試合目は僕は審判か、自主練習でもするかーと思っていたら、

おい、二試合目も名前あるぞ。

とまるで、半沢直樹に情報を密かに伝えてくれる渡真利のように同期が伝えてくれた。

ま、じ、か、と半沢並に目が開いた、
こ、れ、は、きつい。

分かった渡真利、ありがとう。と告げ
その日3試合目の試合開始の整列に向かうのである。


3試合目までくると整列のお辞儀の際に言う

お願いします!が違う意味を出してくる

そう、お願いします!辞めてください!の方だ

「Bチームの二試合目」というもの自体、誰も好まない。

チームの底辺通しの試合なので、まだ慣れていない一年生のピッチャーや守備でもエラーが多い。
実際に試合はそうなった。

「Bチームの二試合目」これは僕が成長した場でもあった。

僕は高校野球最初の打席を思い出した。
簡単な三振だった。私立のピッチャーの変化球にビックリした。
それが今ではどうだ、Bチームの一試合目から、Aチームの2試合目を飛ばして、Aチームの一試合目に出ている。life goes on である。

そんな走馬灯を見ていたのが
3試合目の6回ぐらいだ。
人は、一日23イニングを超えると走馬灯が見えると分かった。
もう心も体もへっとへとだ。

こんなに疲れていても上戸彩みたいなかわいい奥さんがいればいくらでも笑顔になれるとも思っていた。花、今帰るよ。(花というのは半沢の奥さんで上戸彩が演じているって半沢はもういい!)

持久戦である。7回に入りもうダメだ、もうダメ!と何がダメなのか分からないくらいダメだった

そう、人は一日3試合出ると、ダメになります。
単純に

すごいダメになります。

どのくらいだめになるのかというと、
ピッチャーが投げるときには膝に手をついて構え(これはまだ良い)
バッターが打たなければそのまま動かず(動けず)
ずっと膝に手をついている。
セカンドというポジションはピッチャーが投げ終わり、キャッチャーがボールを返すときにピッチャーのカバーに行くのが普通だが、

そんなこと知らん。

そんなの1日1試合出ているどこからの先輩が決めたことだ。

みんな大体、ピッチャーが投げ終えると体制を立て直し、これを掛け合い、気持ちを入れ替え次のために備える。

そんなこと知らん。僕だけずっと同じ体制でバッターだけを見ている。

1日せいぜい2試合出ている選手たちが決めたことだろ。

そんな時、僕の同期のお父さんが、
「(僕の名前)頑張れよー!」とスタンドから言ってくれた。

泣きそうになった。

なぜ自分がここにいるのか分かなったが、「彼のために試合に出続けよう」と思えた。俺は今衣笠だ。いや金本だ。彼らでも1日3試合はないだろ。

全く違うのは、僕は無給ということだ。

これは完全に労働基準法を無視している。そう思った。

フェアトレードとかいう言葉があるが、この世界は残酷だ。

コーチに言われたらそうするしかないんだ。

そんなことを考えていたら試合が終わった。

整列の、「ありがとうございました!」は、
完全に皮肉がかかっていた。

ちなみにその同期のお父さんは、僕が電車通いで少し遠いと知っていて、バスの遠征などで朝がすごい早いときに、わざわざ車で僕を高校まで送ってくれた。本当に感謝している。

また僕たちの夏が終わったときに、彼が父母代表で泣きながらん僕たちに感謝を伝えてくれた時は、僕たちも泣けた。

27イニング。僕を人間として完全に独立させてくれた時間だった。

お願いします!

ちなみに僕の夢はサッカーチームを経営することです。

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