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講師道 #26|時間がないときの対応 〜動かざること山のごとし〜

「百戦錬磨の講師はセミナーが安易でないことなど知りつくしているのだ。セミナーとは不都合なものッッ!セミナーとは思い通りにはならないものッッ!講師にとって――――それがセミナーなのだ!!!」

セミナーはナマモノ、何が起こるかわかりません。たとえ完璧な準備をして臨んだとしても、お客様対応や、会場の都合等によって時間が足りなくなることも。プロ講師としての腕が試されるのはまさにこのとき、時間が無いときどう振る舞うか、です。

さぁ急ぎましょう、今日の話は「時間がないときの対応」です。

1.時間厳守

何があっても終了時間は厳守する、プロフェッショナルとして当然のことです。遅刻と違って軽く受け止められがちですが、時間の延長もお客様の時間を奪っていることに変わりありません。たまに延長してでも全部伝えようとされる献身的な講師がいらっしゃいますが、自己満足でしかないのです。なんとしても定刻に終えるように全身全霊で挑みましょう。

また、セミナーによっては遠地からお越しくださってる方や、次の予定がある方もいらっしゃいます。セミナーが延長してお客様が中座するような事態は避けたいものです。一人帰りだすと会場がざわつきだすのもマイナスポイントです。

2.変わらぬ態度で臨む

時間が押してカリキュラムが終わらない、こんなときに私達はどうすべきか。やってしまいがちな失敗が「早口で全部話す」です。

実はここに、講師とお客様の認識に相違があります。講師は内容をすべて消化することで、満足感・達成感を得られるかもしれません。ですが、お客様はそう感じません。講師が早口でまくし立てて終わったと不満に思うものです。

ではどうするか。通常時と変わらぬ様子で落ち着き払い、スケジュール通りに進行しているぞと毅然な態度をとるのです。お客様が講師に不信感を持ってしまうと、学びの質が大きく低下しています。講師は最後までお客様の前では堂々としているべきなのです。

3.コンパクトにまとめる

次にやってしまいがちな失敗が「演習時間を削る」です。お客様の実践の機会を奪うことは学びの低下に直結します。演習時間を安易に削ってはならないのです。

早口で話してはいけない、演習時間も削れない、でもセミナーの内容は終えなければならない。そんなときはさも当然のように話す内容をコンパクトにまとめることを心がけましょう。レジメがあれば、悠然とページをめくりながら
・このページが誰のために存在し
・どんなことが書かれているか
を簡単にご案内しましょう。「セミナーもそろそろおしまいか。最後に優先度の低い参考情報を説明しているのだな」とお客様に思っていただければ御の字です。(申し送りなく飛ばさないように!何も説明なく飛ばすとお客様は不安になります)

4.おわりに

「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることはできる」
お客様にとってはたった一度のセミナーです。「失敗回に当たってしまった」と残念な思いをさせないように振る舞いましょう。

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