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『きみトリ』ご感想 〜13歳だったときの自分を隣に座らせて一緒に読みました。

『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』著者の舟之川聖子です。
『きみトリ』を読んでの感想をご紹介します。(*掲載許可をいただいています)

藤井忍さんより。昨夏にクラウドファンディングで本の制作費を募っていたときにサポートしてくださった方です。

子どもがいないわたしは、13歳だったときの自分を隣に座らせて一緒に読みました。

「そうか…そうなんだ!」と嬉しそうにしたり、スッキリした顔を見せたりしながらも、たびたび「でも、これホントなの…?」と不安そうな、確信の持てない様子を見せる13歳のわたし。

「そうだよ、大丈夫!」
そう言ってあげることで、過去の自分とちょっと和解できた気持ちになりました。
あの当時、もっとまわりに「大人の友だち」がいたらよかったのにな…と思いましたね。

昨年、友人たちがクラファンで資金を集めてつくった書籍。多くの人に届いてほしい。

◾︎構成はこんな感じ
 第1章:あなたの心と身体のこと
     思春期/性と生/体調/お酒
 第2章:あなたと誰かの関係性
     友だち/会話/恋/怒り/いじめ予防/人間関係
 第3章:あなたと社会の関係性
     場/パートナーシップ/仕事/アート/シチズンシップ

◾︎印象に残った部分
・干渉して管理してくる大人がたいしたことないことに気づいているならそれは成長の証。同じようにあなたが大人になっても、理想にはなかなか届かないもの。完璧にならなくていい。「親以外の」人と相互に支え合えるようになることが自立のゴール

・友だちは「基本好きだけど、苦手なところもある」くらいがちょうどいい

・「この人ならわかってくれる」と思うと勝手に期待が大きくなる。これもわかってくれるはず、ここまでは許してくれるはず、と本人とは一致しない理想像を作ってしまいがち

・雑談とまじめな話は違うもの。引かれたり、茶化されたり、誤魔化されたりせずに、友だちとまじめな話をするための設定と会話の心得を知ろう

・恋をする理由の4つめは「親からもらえなかったものを受け取るため」「ここまでに受けた傷を癒すため」

・怒りのその下には、寂しい、悲しいなどの別の感情が隠れていることもある。本当のニーズが「つながり」だった場合、怒りを表明して人を遠ざけるのは逆効果

・大人は自分が被害者のときの話しかしない。いじめは、被害を受けた方の話ばかり出てくるけれど、本当は加害者の人数の方が多いもの。大人にもきっと、後ろめたい部分がある。

・処罰感情から、いじめた側の人格を責めてもみんなが苦しくなるだけ。「やり方を間違えた」と“行動”に焦点を当てて考える。

・「これがなぜいじめなの?」と感じる人もいるくらいの、ありふれた気持ちのすれ違いからもいじめは起こる。たとえ命が失われなくても、いじめをやってはいけない

・その居心地の悪い環境に、あなたが無理に合わせる必要はないんだよ

・育った環境がどうであれ、コミュニケーションは学べるし、学べばより良い方法を選べる

・役に立つと喜ばれ、褒められるのは嬉しいもの。だけど「役に立つ人は価値がある」という捉え方が「役に立たなければ価値がない」という根深い誤解を多くの人に与えている。何かができる/できないに関わらず、あなたには存在そのものに価値がある

・人間は頭ではなく、心が原動力となって生きているのでは。アートはその心へのガソリン、栄養、水分補給の役割を果たしてくれる

・市民の知る権利、意見を言う権利、選ぶ権利について、大人自身が向き合ってこなかったから、若者に手渡すこともできなかった

・声を上げることが社会への貢献


藤井忍さんは、普段、家事代行〜タスカジで予約の取れない家政婦 《seaさん》 として活動されています。
タスカジ公式サイト https://taskaji.jp
sea(しー)さんのプロフィール https://taskaji.jp/user/profile/2551

ダイヤモンド・オンラインで連載中の整理収納術は、この分野ではあまり見かけない切り口があり、発見があり、わたしも毎回楽しみにしています。


そんな藤井さんが、そもそも『きみトリ』に関心を持たれたのはどんな理由からだったのかも、うかがいました。

仕事で片づけで悩む家庭をサポートをしていると「小さな子どもも、はっきり意思を持ってモノを扱っている」のを実感します。

一方の親御さんは、「子どもは未熟だから、わかっていない」と思い込んでしまい、上からお説教するだけになりがちです。でも、それぞれの意思が尊重される家の仕組みになれば、みんなが過ごしやすく、片づけで困りにくい住まいになります。

子どもも大人も、それぞれが意思表明して、それがちゃんと採用される。そんなコミュニケーションが大切。「片づかない」という困りごとも、そのちょっとしたことに気づけばぐっと変わるのでは、と考え、現場でお伝えしながら、メディアを通じて発信もしています。

この本を読んであらためて、「子どもの意思を確認する、尊重する」という姿勢が大人側にも大事だと感じました。自分の仕事にも大いにつながるところがありました。

『きみトリ』の著者3名が執筆にあたって大切にしていた、「選択を尊重すること」に共感してくださって、とてもうれしいです。

ご感想をいただいて、「わたしの中の13歳のわたし」の疑問や不安に答えてあげられるのは、今の大人になったわたし。それが、今リアルに生きている13歳、10代の人たちにつながっていくのだなぁと思いました。

《seaさん》に、10代向けの「片づけのトリセツ」をぜひ書いていただきたいです。実は、今回入れたかったけれど、「(他の人から見てたぶん)片づいていない部屋に住んでいるわたしでは書けない!」と断念したテーマだったのです。

藤井さん、ご感想ありがとうございました。

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