通貨スワップ。事例と共にデリバティブ取引を理解しよう
本日は通貨スワップの超基本と只今問題になっている農林中央金庫(以下、農林中金)の赤字計上のカラクリを解説しようと思います。
■通貨スワップとは?
スワップは交換の意味を持ちます。簡単に言うと「通貨を交換する」という意味になります。
もう少し詳しく見ていきます。
例えば、企業Aがあります。「企業Aは100ドルを調達したい」の場面があります。
順を追ってみていきます。
①企業Aは社債で100ドル調達
A社は外国社債を発行してドルを調達します。
②企業Aの利息支払いは「日本円」でしたい
調達した1ドルは経済状況に左右され為替の影響を受けるため「日本円で金利を返済したい」と考えます。
通貨スワップは、金利も交換してしまいます。A社は交換相手に日本円で支払うため「通貨」の支払いが自国通貨になり「支払いやすく」なります。
③元本返済
このような取引が日々行われています。
■農林中金の通貨スワップはどんなイメージだった?
概要としてはこのようなイメージです。
この交換相手である国内金融機関が外国金融機関からドルを調達する際に日米金利差にかかる費用を支払います。
これを「利息」とみなした事例になります。
■余分に支払った部分が20%分税金加算になる
今回、この費用のうち支払ったうち20%は「過大支払利子税」として利益圧縮と見なされて課税されたということになります。
利子が大きくなるほど、利益は減少して納める法人税が少なくなります。
こちらが影響して900億円もの税負担になったというのが大きく取りざたされている内容です。
他の金融機関の資金調達にも影響が出るため、こちらは財務省と金融庁で未だ話の決着がついていないようです。
今回は通貨スワップについて事例について解説しました。
最後に日米金利差のグラフになります。
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